キムラヨウヘイ「愛知杯の有力馬診断の総まとめ(後編)」

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△アンドリエッテ 牝6 鮫島駿
かつては3歳牝馬三冠路線でオール掲示板内好走した馬。
そこでは好走したという点で力量は認められるが、それと共に常に一歩及ばないという点での善戦キャラも露呈した。
その秋華賞では、早めに動く競馬をしながらも、コーナー地点では置かれ気味になって、再び加速しつつ脚を余してのゴール入線だった…そういう不器用で俊敏さに欠けるレース振りではその後の中々一皮剥けきれなかった結果も致し方ないと言える。

しかし、ようやく適条件=外回り千八条件に目を向けられた近2走では、まるで水を得た魚かの様に変わり身を見せてきた。

上記の適性から言えば、不器用で鈍足な追い込み脚が不利にならないだろう今回の中京二千舞台は、もしかしたら本領発揮の場になってくるかも。

本当は1年前(フレグモーネ直前回避)に買いたかった馬だが、当時のデキとパフォーマンスを取り戻しての参戦となる本年でもギリギリ出走枠内に入るコトができればマークは入れたい一頭。


▽エテルナミノル 牝5 四位
前走ターコイズSはスタート出遅れが致命傷となり、3着馬4着馬のその外をグルリと回る競馬となってしまった…それで勝ち馬まで0.1秒差なのだからコノ馬もレース振り次第ではチャンスあったはずだ。
前々走エリザベス女王杯は距離長い二二で大外枠折り合い欠く競馬で止む無しの凡走。
それ以前は小回りコースとなると加速鈍かったり不器用さ出したりで凡走傾向で、外回りコースとなると強いさを見せるという経緯だった。

今回の大箱距離二千条件は距離適性的にはギリギリ守備範囲かも知れないが、前々走エリ女での折り合い欠き競馬や、前走ターコイズS(距離マイル)での大胆競馬を踏まえると…果たして距離延長二千で優等生競馬ができるのかの不安は残る。
内枠を引けば不器用懸念…外枠を引けば折り合い懸念…ちょっと自信を持ってベッドできる場面ではない。


―シャルール 牝6 北村友
3走前中山牝馬S前までの凡走歴は全て外回りコースで、実はそれまでは小回りコースでは過去パーフェクト戦績だった馬。
そんな何走振りかの適条件だった3走前中山牝馬Sでもアノ惨状というのは極めて重い結果だと言わざるを得ないだろう。
それまでに逃げても先行しても控えても名手横山典手戻りしても全て駄目だったという近況…陣営コメントも『ずっと変わらず状態は良い=気持ちの問題』と変わり映えしないで、そんな決定打となる試行錯誤が読み取れない状況では一変要素は全く見出せなくて。


▽ゲッカコウ 牝5 丹内
コノ馬の好走(得意)条件としては「(テンはゆっくり追走したいタイプだけに)全10好走中9好走がスローペース」「近7好走中5好走は極端内枠」の2点が特徴的。
スローペース向きだからと言ってキレるタイプではないので、前々走府中牝馬Sでの不向き東京コースでの究極の瞬発力勝負での敗戦は致し方無いトコロだ。

前々走アンドロメダSは外枠枠ナリ大外競馬で伸び切れずで、前走ディセンバーSは中枠枠ナリ中競馬で前進結果を残した。

ココも好走する為には“スローペース且つイン競馬”をしたいトコロだが、残念ながらそれは愛知杯レース自体の好走パターンとは大きく異なる…昨年は逆に牽制し合っての内枠先行馬決着となりましたが、あれはイレギュラーな決着なので…。


―クインズミラーグロ 牝6 幸
前々走府中牝馬Sでは外回り1800舞台条件で、ラスト1F過ぎ辺りでは勝利まで有り得そうな脚色だったが、ラスト100mで急失速で12着という凡着順に。
OP昇級後のキャリアはほぼ極端内枠を引いて使える脚が短いという欠点を覆い隠す好立ち回りで好走結果を実現させてきた経緯で、唯一の非内枠だった福島牝馬Sでも展開ド嵌まりの幸運あったモノだった。

昨年の愛知杯は本年よりも遥かに低レベル戦で、牽制し合いの末の内枠先行利が発生しての3着好走結果…当時のパフォーマンスでは足りない計算で、やはりまともに外回り二千の持続力勝負となればエンジン切れとなる可能性が高いと思う。
(前走エリ女にしても、クロコスミアが2番手から2着に粘っている様なペースで、それを逃げての14着というのは距離の壁か能力の限界を示している)。