キムラヨウヘイ エプソムCの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△ソーグリッタリング牡5浜中57池江寿(栗東)
折り合いを欠く面と抜け出してからソラを使う面があって出世が遅れた馬。
4走前キャピタルSは超スローペースで折り合いを欠いて惨敗を喫したが、その後は並のペースならば折り合いを付けられる成長を見せている。
前々走六甲Sも直線では馬なりの余裕脚色で、あとはソラを使う面に気を払った分だけの辛勝。前走都大路Sでも抜け出してからソラを使っていながらも0.3秒差の圧勝。
ソラ癖は相変らずありそうな点で勝利には一工夫要るはずだが、まともなペースで折り合いさえ付けられれば能力的には最上位級の評価ができるだけに。


△プロディガルサン牡6レーン56国枝(美浦)
過去にも重賞好走歴3度もあるが、ソラを使う癖のせいで条件戦を勝ちあぐねて、再OP昇級まで相当時間が掛かったという経緯。
その後もOP特別ばかり使われて4戦2着3回の例の如くの惜敗続きで、また唯一の5着にしても大外枠大外追走で集中力を掻き立てられずの0.1秒差。
OP特別連続2着という馬ですが、それがフル能力ではなく、相手強化の重賞相手関係でも相対的にパフォーマンスを上げて好走に持ち込める姿は容易に想像できます。

ただし、過去の重賞挑戦時には17年金鯱賞&マイラーズCを折り合い欠いて自滅したり、前走谷川岳Sでも最後方競馬をさせている通り、末を引き出すには道中の繊細な運びがポイントとなる馬です。
もちろんレーンJというのは鞍上強化にはなるワケですが、高い次元の話で言えばそういう競馬はレーンJのお得意分野ではないだけに…。


▽ミッキースワロー牡5横山典56菊沢(美浦)
虚弱体質馬。
17年:菊花賞の敗因はその前のセントライト記念激走の疲労(調教緩めて凡走)。
18年春:大阪杯の敗因はその前のAJCC激走の疲労(調教緩めて凡走)。
18年秋:有馬記念の敗因もその前のジャパンCの反動。
ちなみに18年秋シーズンの始動戦がジャパンCまでズレ込んだのも『洋芝と久々の競馬を使ったことで疲れが長引き』との話。

ようは1度も連戦ローテが成功していないというここまでの経緯です。
休み明けでの重賞好走後からの中5週ローテで連続好走ができるのか…まだまだ馬が未完成故に順調にレースも使えないし-調教負荷も思う様に掛けられないままで…例の如く調教緩めている今回調整過程を見る限りでは大分懐疑的に見られます。


▽サラキア牝4丸山54池添学(栗東)
2走前京都金杯の週の京都芝は開幕週良馬場でも馬場差Dという異例の低速馬場で、それの煽りを受けた一つにディープ産駒がありました。ディープ産駒でも軽量牝馬のサラキアにとっては特に有難くない馬場状況で、それに加えて最内枠から捌ききれないレース振りでの小差競馬は悪くはありませんでした。
前走阪神牝馬Sも同じく最内枠からのイン追い込み競馬で捌ききれずの敗戦…とはいえども騎手や陣営もそれを敗因にしておらず伸びきれなかったとの表現をしている通り、力負けの側面もある敗戦でした。

ただし、それ以前の重賞好走歴にフローラS4着・ローズS2着・秋華賞4着は全て主役不在の低レベル戦での実績で、確かにそこにはプリモシーンやラッキーライラックなどの後の出世馬は含まれますがそれらは自滅しており、自身が下したのは今もOPクラス未満で燻っている馬ばかりですので。


△カラビナ牡6武藤56藤岡健(栗東)
1000万下勝利は不良馬場での圧勝劇、1600万下勝利は稍重馬場での逃げ切り完勝劇…全て良馬場からの道悪条件替わりでパフォーマンスを上げているという経歴の持ち主です。
OP昇級後は2戦して共に良馬場ながらも連続好走…今回見込まれる渋化馬場ならば更にパフォーマンスを上げてくる計算で、侮れぬ一頭と見ます。


▽ストーンウェア牡7中谷56吉田(栗東)
OP昇級後のベストパフォーマンスは昨年メイSで、左回りで瞬発力を生かすという自身の持ち場の競馬での2着好走。
本年メイSもそれと同じくの競馬での4着善戦。
それらみたく左回りで上がり速い競馬に良績集中という馬で、また重賞格よりもOP特別格のヌルいレースの方がベターという馬で、同じ舞台条件でもOP特別メイSよりもタフな戦いとなりそうなエプソムCでそれ以上とは?


―レイエンダ牡4ルメール56藤沢和(美浦)
ソウルスターリングは父フランケル由来のプッツン危惧馬ですが、コチラは母系由来のプッツン危惧馬です。

兄ティソーナについて、かつて『母母はデビュー5連勝、母もデビューから8連続連帯、母弟(叔父)も中央転入初戦500万下勝利から僅か4ヶ月で重賞勝利まで駆け上がった馬。当馬もデビュー2戦目からはオール連対で底を見せておらず、この勢いは長く続いて一線級まで届くという血統傾向である。』と書きましたが、そのティソーナもNHKマイルCまでは5連続連対だったのがその後は急失速戦績になっている通り、勢い続くけど途切れるとモロい血統背景と言えるでしょう。

コノ馬もデビューから4連続激走からの3連続凡走中という近況…このプッツン危惧母系を踏まえればもう信頼ならない馬だと見るしかありません。


―アップクォーク牡6津村56中川(美浦)
前走六甲Sは距離マイルのペースで脚が溜まらずに敗戦。
条件戦時代には距離千八以上の超スローペース競馬に良績が集中しており、展開に恵まれた2走前白富士Sでも脚が止まって3着止まりだった様に重賞OP級のペースではあまり強さを発揮できなさそうで。


▽ブレスジャーニー牡5戸崎56佐々晶(栗東)
まずは17年有馬記念時の有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬は3歳春に骨折発覚してシーズンを棒に振ったワケだが、そもそも骨折発覚前段階から馬体面の弱さから順調な調整過程を踏めていなかった経緯もあった…その弱さというのは馬体の右半身の方にあって、故に左回りオンリー起用=右回り難は予ねてから懸念される点であった。
前々走菊花賞は極悪馬場でまともに競馬をしていないので、実質的に前走チャレンジCが初めての右回りレースでした…そこでは終始右手前の走りで、やはり右回り(小回り)には大いに難があったという内容に。
それにも関わらずの僅差3着というのは想像以上の結果で能力評価はしたいですが、引き続き右回り小回り条件でテン乗りとなれば難しい競馬になりそうでこの条件では狙えません。』
・・・
佐々木晶調教師は有馬記念前に「左回りの方が良いに決まってる、マイルの方が良いに決まってる」と、有馬記念はあたかも記念出走かの様なコメントを発していました。
結局その昨秋3戦は菊花賞と有馬記念という勝負にならぬ2戦を使って、残り1戦は不向き右回りのチャレンジCで3着健闘。
有馬記念はそれに加えて直線不利もあっての凡走結果でした。

昨夏初戦の巴賞も右回りの分で直線モタれる競馬で惜敗。2戦目函館記念も同様に右回りで下手な競馬での4着止まり。3戦目丹頂Sは右回りに加えて、距離延長も堪えて更なる大敗。4戦目も5戦目も右回り起用での敗戦。
そこから長欠を挟んでの前走メイSでは久しくの左回り中距離以下条件での5着。
その前走パフォーマンスが実力ではないはずで、叩き2戦目の良化があれば当地重賞2勝の底力は侮れない面もありますが。。


△アンノートル牡5柴田大56田中博(美浦)
3歳秋に『3歳上半期は中山コースばかりに使ったり、東京コースに使ったかと思えばHレベル戦・不利・雨馬場で満足な結果を残せなかったという残念な馬。前々走は久しくの広いコースの良馬場戦で、尚且つ減量騎手らしい超積極競馬で強い2着。今回も同様の期待をしたが、前走とは対照的な消極的な競馬で、直線では詰まりようやく伸びかけてきた所がゴールというチグハグ極まりない競馬に。広いコース且つ良馬場でスムーズな競馬さえできれば勝ち上がりはすぐに可能だ。』と記しましたが、その後は丸々1年の長期休養を挟んだもののほぼノンストップでOPクラスまで駆け上がってきました。
その間には不向きな中山コースも挟みつつ、そして距離不足感あるマイルばかり使われてのこの素晴らしい近況。
ベストマッチだろう東京コース距離千八のココならば昇級即通用の可能性も有と見ます。


―ショウナンバッハ牡8吉田豊56上原(美浦)
これまで渋った馬場では6戦6凡走という散々な戦績で、最近の中で最も負けた2走前金鯱賞も雨馬場で何もできずの惨敗だったり、とにもかくにも渋った馬場ではパフォーマンスを大きく落とすという馬です。
そういう馬場が見込まれる今回は消しで。


△ハクサンルドルフ牡6大野56西園(栗東)
昨年エプソムCでは「距離千八付近で・まともな騎手で(折り合いクリアで)・展開不利&物理的不利が無ければ足りる」という読みでの◎推奨して連対好走。
結果的にはOP昇級後の好走はその1度のみで、やはり距離マイルでは距離不足になるのと、距離二千では折り合い問題になるので、距離千八でできれば時計掛かる馬場というのがスイートスポットと言えそう。
本年3走は高速マイルとダートという無理目な条件での連続凡走戦績で、そこから距離千八且つ雨馬場という大幅条件好転あるココは馬場悪化度合い次第では一変に少々警戒。


―ソウルスターリング牝5武豊55藤沢和(美浦)
~フランケル産駒の本賞金順ベスト5~
ソウルスターリング(デビューから6連続好走→直近8戦中7戦凡走中)
モズアスコット(デビューから12戦連続4着内善戦→4連続凡走中)
タニノフランケル(デビューから連続凡走なくOP昇級=重賞連続好走→初の2連続大敗中)
ミスエルテ(デビュー2連勝で3戦目G1四着善戦→8連続凡走中)
シグナライズ(デビュー4連続好走→11連続凡走中)
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直近で言えばマイラーズCモズアスコットが「フランケルの血が出てきたせいかテンションのスイッチが入りやすく」との気性難噴出で惨敗を喫しましたが、上記のネームを見れば一目瞭然で同産駒の全有望馬が「連戦連続好走街道→連戦連続惨敗街道」の戦績になっています。
これにはフランケル産駒としてのプッツン(気性的な限界)を指摘せざるを得ません。

ソウルスターリングも正にそれに陥っているという近況で、その中でも3走前クイーンS3着や前走VM9着はそれなりに格好を付けていますが、それもティーエスクライ&アエロリットの馬鹿逃げのペースで折り合いを気にせず何も考えず走れた分で何とかなった感で、平均ペース未満が見込めれる今回は苦しい戦いが想定されます。

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