キムラヨウヘイ エリザベス女王杯の有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

―アカイイト 牝4 幸 56 中竹(栗東)
2走前垂水SはHペース後方有利展開に乗じての追い込み勝利。
前走府中牝馬Sは差し有利馬場で追い込み切れずに7着止まり。
横山典騎手が極端に控える競馬をしても折り合い面で難しさを見せていた辺りは課題で、得意道悪も望めない中で距離延長で更にやれる根拠は見出せず。

★アカイトリノムスメ 牝3 戸崎 54 国枝(美浦)
まずは前走秋華賞4人1着時の◎見解抜粋を参照↓
『…肝心な今年の3歳世代についてですが予ねてから“黄金世代”として猛プッシュしている通り、間違いなく2019年と同様のハイレベル世代だと見ています。
今年の3歳世代(牝馬)のオープンクラスでの快進撃は周知の通りでしょうが、実はその下の2勝クラス戦や3勝クラス戦でも昨年よりも例年よりもかなりの好成績を上げているという事実があり、それを牽引している第一勢力は桜花賞組とNHKマイルC組となっています。
今年の桜花賞はノーザンF勢が上位7頭を占めましたが、日本競馬を牽引するノーザンF勢の生産と育成が大成功した証とも捉えられる結果でした。そこで下位だった馬でも同世代内で存在感を示しているここ最近の競馬シーンですが、となれば5着以下を突き放した上位4頭の世代内での序列最上位はそう簡単には揺らぎようが無いレベルにあると考えられます。
今年は例年とは異なり阪神コースで行われる秋華賞ですが、施行コースの違いなどによる要求適性の違い云々よりも、桜花賞上位勢の力上位が優先するという決着を見込みます。
(中略)
春に「桜花賞が大型馬有利⇔オークスは小型馬有利」という話をしましたが、秋華賞はデータとしてはちょうどその中間の傾向が認められます。桜花賞を大型馬ではないにもかかわらず好走できたアカイトリノムスメが、秋華賞でも距離の壁を乗り越えて最も好走し易い存在と見ます。』
・・・
その秋華賞は予想通り桜花賞上位勢が強さを誇示したというレース結果で、やはり今年の桜花賞はかなりのレベルのレースだと改めて裏付けられた形です。
先々週の天皇賞秋でも同レースでも本来不利な3歳馬が古馬を撃破した通り、この3歳世代は古馬世代に対して非常に優位な立場にあると考えられますので…その中でも能力筆頭格で距離にも不安もないアカイトリノムスメは当然このエリ女でも戴冠まであって驚けない立ち位置の一頭と見られます。
ただし、母アパパネも秋華賞後に反動が出てエリ女では3着止まりでしたが、肉体面でも精神面でもこの連戦がどう響くかの懸念はあります。

―イズジョーノキセキ 牝4 和田竜 56 石坂公(栗東)
休み明け初戦で一番走れるというタイプ。
実際にそのローテでは過去5戦4連対で、唯一馬券外だったチューリップ賞も10人4着という見所大の走りで、その次走忘れな草賞2着では着順こそ上げましたがパフォーマンス的には大分下がっていました。
今期も休み明け初戦だった前走こそ走り時だったはずで、そこから中3週で叩き2戦目の今回は食指は動きません。

―エアジーン 牝5 藤岡佑 56 堀(美浦)
他馬を気にする面がある不器用な差し馬で、これまで12頭立て以下の少頭数立て戦で「4着1着3着1着2着2着7着」の通り良績集中。
2走前と3走前は共に揉まれる競馬での敗戦でしたが、少頭数立てでスムーズな競馬だった前走新潟牝馬Sでも惨敗だったのは案外で…そこから一気のフルゲート多頭数戦になる今回は活路ナシ。

▽クラヴェル 牝4 横山典 56 安田翔(栗東)
今年序盤は我慢する競馬を覚えるためにあえて不向きを承知で距離2200mのレースを連続して使ったとの話。
3走前マーメイドSでも距離2000mのレースでは道中掛かりながらで相手関係が楽だった分で2着、そこから1F短縮した2走前中京記念ではかなり折り合い面が改善してパフォーマンスを上げて相手関係強化でも3着、前走新潟記念では距離2000mでも折り合えていましたが中京記念よりはやや落ちる3着だったと見ています。
陣営の言葉通りならば距離2200mは教育の為の場で勝負できる場ではないということでしょうし、やはりこれまでも経緯からもパフォーマンスからも距離延長でこの距離で更にとは言いづらいです(その証拠に当初の本線は福島記念の方で出走可能なエリ女に歩を進めてきた経緯です)。

―シャムロックヒル 牝4 団野 56 佐々晶(栗東)
まずは2走前マーメイドS1着後の回顧文を参照↓
『近4年のマーメイドSで軽ハンデで好走した馬はサマーセント・サラス・レッドランディーニ・アンドリエッテの4頭ですが、その後に一度でも再度好走したという馬はゼロ。
近10年まで広げても全8頭中1頭(1レース)だけです。
それだけマーメイドSの条件(G1を除く牝馬限定重賞での最長距離で施行)が特殊であり、尚且つ(後から振り返っても弱い)軽ハンデ馬が好走しやすいレースであり、その恩恵による激走馬はあくまでもフロックとして処理するのが正解ということです。
シャムロックヒルの最内枠→好発→単騎逃げ切りは正にソレで…どうせ次走も人気しないと思いますがもう一丁あるのかと言えば否である可能性が高いです。』
・・・
マーメイドS組からは2着クラヴェルが次走中京記念でも好走しましたが、そちらは距離短縮の適距離千八替わりというパフォーマンス上昇の材料があっての連続好走でした。
それに対してシャムロックヒルはそれがベスト条件(逆に言えば2着馬3着馬は不向き条件)だっただけに…仮に逃げて本領発揮が叶ったとしても重賞級では再好走は厳しいという評価になります。

▽テルツェット 牝4 Mデムー 56 和田郎(美浦)
まずは2走前ヴィクトリアマイル時の有力馬診断を参照↓
『これまで6戦5勝で唯一の敗戦は柴山騎手が御せなかった2戦目だけで、それ以降は距離マイル路線と上位騎手騎乗で4連勝という近況。
精神面では大分危うさあって常に休み休みのローテを敷かれてきましたが、今回は馬本位というよりはローテありきのレース選択でのヴィクトリアマイル参戦という面も否めず…間隔が詰まっても馬が走れる状態にあるかは微妙なトコロで。』
・・・
そのヴィクトリアマイルは過去最短の中5週ローテで、それでいてG1仕上げ(攻め強化)を施された分だけ精神的にはややオーバーした状態でレース本番を迎えてしまった印象でした(レースの前に終わっていたという敗戦)。
そして前走クイーンSではキチンと間隔を空けたローテ&同厩舎らしからぬハード追い切りだった前走ヴィクトリアMから良績ある時計を控えた追い切りパターンに戻してきての一変勝利でした。
今回もその追い切りパターンには注目ですが、ただし距離延長2200mは強調できませんし初の輸送競馬というのも難題という印象です。

▽レイパパレ 牝4 ルメール 56 高野(栗東)
3走前大阪杯展望では『気性難の牝系馬で、これまでも折り合い面で難を見せながらも5連勝という経緯。前走チャレンジCはスカスカのメンバー構成戦の超スローペース競馬だっただけに余計に苦労はありましたが、それでもキチンと完勝を収めてきた辺りは並の馬ではありません。』と記しましたが、結果的には逃げる形で折り合いを完全にクリアしてくれば並の馬ではなかったという激走でした。
4走前チャレンジCでは本領発揮できない中での勝利(辛勝)で、道悪やHペースなどで能力全開できる状況だった3走前大阪杯でやっと走り切れたという解釈で良いと思います。
そんな能力の打点の高さは大阪杯で証明された一方で、やはり4走前以前やここ2走のレース内容を見ての通り折り合い次第では大きくパフォーマンスを落とし得るという危うい馬には違いありません。
それを手っ取り早く解消するのは逃げる手ですが、ココは伏兵の逃げ脚質馬は複数出走を予定しているだけに、そう簡単には行かなさそうで…。

激走候補3頭を含む13頭をプロファイリング!
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