キムラヨウヘイ オールカマーの有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽アルアイン牡4北村友57池江寿(栗東)
皐月賞有力馬診断では『毎日杯馬という裏ローテ馬。その毎日杯制覇後に[皐月賞→ダービー]という王道ローテが発表されたが、そもそもがこれまでマイル路線→毎日杯という使い方の時点で(陣営内で)本気でクラシックを狙っていた馬ではないと分かる。一口クラブ所属馬だけに勝ったから夢を見せる皐月賞→ダービーなのであって、そうでなければ順当にNHKマイルCが既定路線だったはずの馬ではないだろうか。』と書きましたが、皐月賞後の池江師はそれと全く同じ趣旨のコトを言ってたので…池江師にとっても予定外の皐月賞(クラシック路線)での激走だった。
それが幸か不幸かはさておき、やはり池江厩舎の一級馬としてその後は堂々と王道路線を歩まされた経緯…昨秋菊花賞挑戦にしても池江厩舎だからこその選択でしょう。
そんな距離二四ダービー・距離三千菊花賞でこそ案外だったものの、適距離二千付近レースでは格好を付け続けており、やはりこの路線ならばトップクラスの一頭と言えるはずです。

ただし、今回は池江厩舎としては珍しいプール併用多用での本来のコース追い一切ナシの坂路オンリー調教で…コレは何らかの気を使わざるを得ない状態であるのは明らかです。
鞍上北村友一J起用というのも、ノーザンFにとっては都合の良い騎手という位置付けで、決して本気で大きなレースを獲りに来た時の人選ではありません。

そんな今回は積極的に手を出せる存在ではないかと…。


△エアアンセム牡7田辺56吉村(栗東)
コノ馬は結果的にOPクラスにまで出世した今から見れば力が違ったと解釈できる新馬戦を除けば、勝ち鞍は全て小回り1800~2000条件で、特に中山コースに良績集中しているのはエアデジャヴ─(エアメサイアやエアシェイディなど)の系統なので納得の話です。

準OPクラスでも馬券内を外したのは外回りコースばかりで、最後に勝利を決めたのは十八番の中山小回り千八コースでした。

OP昇級後は2走続けて不得手とする外回りコースで善戦して、小回り函館コース替わりで勝ち切りというコノ馬にとってのいつものパターンでした。

前走後にも『この牝系馬は内回り・内枠・上がり掛かる条件でこそです…この夏は休養に充てて秋始動も模様ですが、主に外回りの表舞台では足りない傾向ある馬というのは忘れてはならないです』としましたが、今回は完全に良いとも逆に悪いとも言えない中山外回りコースです…。
小回りではないのでベストではないですが、ベターな範疇ではあろうという。

それに先週月曜も中山芝で4勝を挙げた中山芝中距離マイスターの鞍上田辺起用は心強いですが…。


★ガンコ牡5藤岡佑57松元茂(栗東)
まずは前走春天3人気14着大敗後の回顧文を参照↓
『…横綱シュヴァルグランとまともに遣り合う位置取りで尚且つ折り合いも付けられずという厳しい競馬を自らしに行ってしまった分の大敗と言える。
また、戦前に於いても状態面で最もネガティブ情報が出ていたのがコノ馬で、「前走のレース後は今までで一番息が入らなかった」「日経賞後は獣医から楽させた方が良いとの診断」からの「プール調教多」「コース追い無し」というのはピークアウトの春天挑戦だった可能性も高い。』
・・・
そこからキチンと休養を挟んでの復帰戦となる今回は、本来のCWコース追いを取り入れられての調教過程という点でまずは一安心。

前々走日経賞ではコノ馬の強さを深く認識している藤岡佑Jの継続騎乗で持ち味を存分に発揮した粘り腰激走…結果的には上がり34秒台の日経新春杯では足りず、上がり35秒台の近2走で更にパフォーマンスを上げてきたという経緯はコノ馬の特性を表していると言えるか。
今回は距離短縮ローテ&非未知の距離で鞍上も積極的に動きやすいでしょうし、春連戦の勤続疲労から立ち直れてさえすれば当然好勝負に。


▽ショウナンバッハ牡7三浦56上原(美浦)
前走新潟記念は道中前に行った馬が軒並み沈んで、逆に道中後方追走していた3頭が揃ってワンツースリー上位入線という極端なバイアスが発生していた決着。
コノ馬の場合にはそれに乗じるコトができたという側面が相当強いビリ人気激走振りでした。
中山二二コースはベストに近い舞台条件で、実は過去2年連続で◎打っているのですが一昨年は詰まって6着・昨年は0.2秒差5着という…もしも本当に嵌まれば3着までは有り得る走りはしていました。
ココも嵌まり待ちで決して確率は高い馬とは言えませんが…その可能性を押さえる選択はアリとは思います。


━━━ (後編) へ続く。

※先週3日間開催のため9月17日配信分の「第二重賞の有力馬診断」はお休みとさせていただきます。