キムラヨウヘイ キーンランドCの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―カイザーメランジェ牡4江田照57中野栄(美浦)
函館SS1着馬。
その函館SSは禁止薬物事象で主に逃げ先行勢が大量除外となり、少頭数立てでスンナリとスローペースで行けたのが何よりの勝因というしかない勝利。OP特別で好走できるレベルの馬なら、その日の馬場でスローペース前半3F34.4で行って後半34.0でまとめるのは大凡の馬はできるはずで、またその一つ前のレースで直千レースを起用していたのも逃げ脚に役立ったという面での幸運もあった。
今回はその前々走激走の要因なり幸運なりが全て存在しないという局面(逃げられないし、馬場も先行馬向きでないし、展開も先行馬有利でないし、前走出遅れているし…)で再激走はナシと見ます。


―アスターペガサス牡3戸崎53中竹(栗東)
函館SS2着馬。
そこでは本来のスタイルを崩しての2番手追走からの粘り込みでしたが、その競馬の価値自体は上のカイザーメランジェの欄の通りで大したモノではない。
その競馬をしたせいで道中折り合いスムーズではない点もあったのでそれでパフォーマンスは下げただろうが、当レースでは絶対に前に居た方が良かったのでもし後方から競馬を進めていたらパフォーマンスは上げたとしても着順は落としていた可能性が高いはずで。
前走は頭数減の絶好機で目先を獲りに行く騎乗での2着止まり…今回は折り合い面の懸念がより出るはずで、そこは後追いしたくないタイミングに。


―クリーンファンキー牝6横山武54鈴木伸(美浦)
OP昇級後の善戦歴は昨年UHB賞1着と本年UHB賞5着。そこは例年も条件クラス馬が多数出走する芝スプリントOP特別で最弱のレースとして定着しており、一にも二にも相手関係に恵まれての健闘だったと断定して良い…当然まともな重賞レースで足りる馬ではなく。


▽リナーテ牝5武豊54須貝尚(栗東)
―ライトオンキュー牡4古川吉56昆(栗東)
リナーテはそのUHB賞の本年の勝ち馬。
それ以前には距離千四重賞で連続2着している馬だけに弱いとは言いませんが、そのUHB賞での内容・結果には特筆点はありませんでした…距離適性的にも千二よりも千四の方がベター感はありますし、その前走と同じだけ走っても大幅相手強化で今回は足りずの結果が見えるだけに。。

ライトオンキューは同2着馬。
2走前船橋S1着はレースレベルDEの低レベル戦で、他上位馬の次走相場は二桁着順に近いモノで…やはり直近走は相手関係に恵まれての好成績という面も大きくて、今回の相手関係では苦戦しそう。


△セイウンコウセイ牡6幸58上原(美浦)
まずは前走CBC賞3着時に有力馬診断抜粋を参照↓
『これまでの激走歴は17年&19年高松宮記念好走然り、18年函館SS1着然り、Hペースでの凌ぎ切る形での競馬でした。平均未満ペースで行くと終いに良い脚を使えない分で案外という戦績で、同型手薄で非逃げを匂わせている辺りは失敗の可能性も。』
・・・
これまで逃げ競馬時には9戦8好走で、唯一凡走は外差し馬場で暴走逃げをした3走前シルクロードS。
前走CBCでもその逃げの手を打つも、前半34.9-後半35.0のほぼイーブンペース競馬でその前の高松宮記念よりは幾分パフォーマンスを落としての3着止まりに。
やはり“逃げ”というのと“HMペース”というのがコノ馬の本領発揮に繋がると解釈できる。
今回は少なくともペース緩むとは考え辛いメンバー構成戦で、尚且つ絶対的な同型は不在というセイウンコウセイにとっては有難い状況…あとは陣営サイドから逃げを許容するコメントも出ていれば素直に信頼する手も。


―タイムトリップ牡5柴山56菊川(美浦)
まずは前走UHB賞7着時の回顧文を参照↓
『前走京王杯SCは字面だけ見れば13人気13着というただの力負け完敗だが、直線で進路が狭くなる事象が無ければ横一線の8着争いからはほぼほぼ着差無しで入線できていたはず。
同じく距離千四の3走前は詰まり11着。
2走前と今回は距離不足千二での敗戦。
馬柱は汚れているが距離千四OP特別級ならばやれる可能性も十分あり。』
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引き続き距離千二では静観妥当で、距離千四起用時を待ち伏せたい。


―ダイメイフジ牡5オール56森田(栗東)
3走前高松宮記念回顧では『折合が鍵・集中して走れるか否かが何よりも重要という馬で、それは連闘内枠替わりで激走の前走オーシャンSの通り。今回は大外枠替わりで外に振られる競馬にもなって参考外の敗戦。内枠替わりで買い。』と書きました。
3走前京王杯SCでも大外枠から気分良く先行する形、2走前函館SSでも中枠から外目を気分良く先行する形…これだと粘りを欠くにはいつものパターンです。
そして「多頭数戦内枠競馬」といういつもの一変パターンに嵌まった前走UHB賞ではやっとまともに走って3着好走。
重賞OP昇級後に一度も連続好走がない馬でもありますし、理想中の理想の競馬ができてOP特別3着止まりだった後の今回は静観が妥当。
内枠巧者ですが今週末の札幌芝はバイアス的に内枠有利ではなくなりそうで。


―シュウジ牡6三浦57須貝尚(栗東)
元は芝短距離路線で将来を嘱望されながらも、暴走機関車(17年函館SS前半3F32.2の馬鹿逃げなど)と化して萎んで行った経緯がある馬。
その後は抑えて行く競馬に進境を見出すも復活まではいかず、そして控える競馬を放棄してのダート路線転向で好転しつつあるという近況。
今回は芝戻りとなりますが、Hペースで行ってどれだけ粘れるかという競馬を3戦続けた後に、よりタメが必要な芝戻りというのは(特にコノ馬の過去を踏まえれば)良い方向だとは言えないだけに。


△ダノンスマッシュ牡4川田57安田隆(栗東)
2走前シルクロードSの他上位勢は外枠からスムーズな競馬をできた馬ばかり…その中で馬場バイアス的に有利ではなかった最内枠から、直線でスムーズにならない所もありながらも一瞬の脚を使って且つ余力の脚十分で勝利したダノンスマッシュは正に力の違いの競馬でした。

前走高松宮記念では不得手左回りの分もあって、チグハグなレース振りでの4着…一気に戴冠とはなりませんでしたが、それでも十分に当路線での力を示した形ではありました。

やっと間に合った程度だった前走出走予定函館SS時よりも調整は進んでいる印象ですし、能力最上位で…右回り戻りで…実績ある洋芝で…重い印が妥当だろう。


★デアレガーロ牝5池添54大竹(美浦)
3走前スワンSは直線アクシデントあってのヤラズ凡走でノーカウント相当。
2走前京都牝馬Sは重賞勝利で、前走高松宮記念は当日内有利馬場を大外枠から外競馬をしての7着は寧ろよく頑張っている方のパフォーマンス。
一時低迷はありましたが直近2走内容はここでも上位に位置します。
函館SSは体勢整わず回避後で状態面は鍵になりますが、それと展開次第では一発あっても。


△ナックビーナス牝6岩田康55杉浦(美浦)
まずは3走前カーバンクルS後の次走チェック馬見解を参照↓
『毎度書いています様に、コノ馬は非内(非イン)の競馬をするとすぐ気を抜きがちで力を出し切るコトが難しくて、それ故に“芝1200にて内(イン)で競馬をすれば過去パーフェクト成績(9の9)”になっています。
2走前スプリンターズSは外の競馬で不完全燃焼…前走はダートで度外視級敗戦…今回は大外枠からの競馬で最後は頭が上がって前を捉えられずの2着。
いい感じで人気を落とす近況になっていると思いますが、それらは全て本領発揮の競馬ではありませんので…(昨年は対抗評価止まりでしたが)今年も高松宮記念で穴で買えるのが楽しみです。』
・・・
3走前オーシャンSは外目枠順でしたが過去パーフェクト好走パターンの内に付ける競馬ができましたので…例の如くの好走惜敗走を見せてくれました。

2走前高松宮記念では中枠発走から内前に行けずに、道中接触不利もあって外競馬になってしまえば集中できずに投げ出すというは受け入れるしかない負けパターン。

「G1でもOP特別でも0.1秒差負けが定位置キャラ」は健在・継続しているワケで、今回でも内枠でも引いて内の競馬が見込めさえすれば好走計算。


―ペイシャフェリシタ牝6ティータ54高木登(美浦)
鞍上ティータンJの日本での代表騎乗例と言えば18年高松宮記念ブリザード5着。
当時『本命馬ブリザードは馬は間違いなく強かったと思いますし、日本芝スプリントG1ならば常に3着級を狙えるでしょう…しかしそれには鞍上ティータンでは駄目だった様です。これまでの短期免許来日時の騎乗振りでティータンJの日本適性の低さは明白でしたが、それにしても今週の騎乗振りは酷かったです…もしかしたら初モノ(初コース)にそれだけ難あるのかも知れません。今秋もスプリンターズS参戦しに来ると思いますが、その時にはまたも初コースとなってしまうティータンJでは流石に…それ以外の騎手を擁しての来日となれば再び◎を検討しなければならない馬だと思います。』と書きましたが、まさに“騎手差”と言うべき結果でした。

それも含めて日本芝では[5-1-2-44](複勝率15%/複回収率31%)という低迷数字を残しています。
地元香港での活躍振りからも下手な騎手とは言いませんが、著しく(現時点では)日本競馬適性を欠く騎手なのは確かで…その一点で着順(印)を落とさなければなりません。


△ライオンボス牡4ルパルー57和田郎(美浦)
まずは前走アイビスSD回顧を参照↓
『前哨戦韋駄天Sよりも高速馬場ながらも1秒以上遅い決着タイムとなりましたが、それの何よりの要因は向かい風の下でのレースになった点。
そして向かい風レースで有利なのは前の馬を風除けを使ってラストに抜け出してくる組で、逆に不利なのはその向かい風を真っ向から受け止める競馬をした組。
ライオンボスはその後者の組で、その厳しい状況下でも自力先行競馬をして粘るタフな競馬を敢行…それでも後続を完封は十二分に強さを見せた結果。
ライオンボスは逃げなきゃ駄目な気性の持ち主で、次走以降に周回コース出走した際にもそれが大きなポイントに。
アイビスSDは巧者が活躍する舞台とされていますが、そうは言ってもココで新星として出現した馬はラインミーティアにしてもダイメイプリンセスにしても次走以降に通常スプリント条件でもそれなりに通用する例の方が大多数です…この上位2頭はその資格有と見ます。』
・・・
能力的には全然好走してもおかしくないと見ますが、その為には何よりもハナを取りに行く競馬が前提になってくる。
もしも意思疎通が図れる日本人騎手起用ならばその確度が高くなるが、(モチロン表面上はやるでしょうが)深い所でも相互理解の上での騎乗になるのかブラックボックスとなる未知外国人騎手起用というのは何とも・・・。

今週の第二重賞は日曜新潟10Rのリステッド競走、朱鷺S。ブランドよりも地力をつけている馬に妙味。
朱鷺Sの有力馬診断はこちら!