キムラヨウヘイ チャンピオンズカップの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ウェスタールンドセン7スミヨン57佐々晶(栗東)
妹のミクロコスモスも小回りコースで一瞬の脚を生かすタイプでしたが、ウェスタールンドもダート馬ながらも同じで、短い区間の瞬発力勝負でこそのタイプ。
ですので、本質的には前走みやこSみたくなし崩し的に脚を使わされるHペースよりも、3走前チャンピオンズCみたく瞬発力が生かせるSペースで。長く脚を使わされる外差しよりも、イン突き時に高パフォを発揮できるキャラです。
(※それはあくまでも本質的にはであって、もちろん前が崩れるHペースの方が、前が残るSペースよりも相対的に差せる可能性は高いケースも勿論あります)

今回は少なくともペースは速くなるはずで、そのペースを外競馬すると脚を失くすだろうし、内枠を引いてそこで脚を溜める競馬ができた時の方が好走確率は上がるはず。


▽ヴェンジェンス牡6幸57大根田(栗東)
まずは前走みやこS時の有力馬診断を参照↓
『外枠では9戦7好走の外枠巧者で、揉まれぬ競馬が絶対という馬…5走前大和Sでは距離短縮内枠で砂被り通しになった分だけの差し遅れ3着でした。
その後は主戦幸Jの継続騎乗で、内枠でも砂回避を最大主眼に置く騎乗をされている分で連続好走中。
前走太秦Sでも中枠から一番大外に持ち出す競馬で2着好走でした。』
・・・
そのみやこSでは最内枠を引いてしまったのでどうかと思いましたが、序盤から縦長に流れるレースとなり、労少なく大外まで持ち出せた幸運が。その上で展開的にロスなく外を捲り上る競馬ができたのが大きかった激走結果でした。
今回チャンピオンズCは基本的には内有利条件で、その内有利競馬を捨てなければならないコノ馬のキャラは今度こそマイナスの方に作用する可能性が高い(内枠を引いたら砂被り懸念、外枠を引いたらバイアス不利懸念)。


―キングズガード牡8秋山57寺島(栗東)
そのウェスタールンドとヴェンジェンスが早めに動いて前も潰れた漁夫の利を得る様なレース振りで。3着に食い込んだのがキングズガードだっただけに、その激走はさほど評価はできない。
また左回りではモタれる面があって、最近の激走は右回りばかり=左回りでは5走連続掲示板外というのもマイナス材料。


―タイムフライヤー牡4マーフィ57松田国(栗東)
2走前シリウスS後の回顧文では『結局は芝時代と同じく善戦止まりに。この馬の3歳以降の不振には気難しさが出ているコトも一因なので、距離延長二千のレース起用も不向きだったかも知れません。ダートならば距離短縮で気持ちの面で最後まで持続する形を作れれば…それ以外ではいきなり復活は想像し辛いです』と書きましたが、前走武蔵野Sではその距離短縮マイルとHペースでようやっと本領発揮という経緯。
芝路線でも駄目だったように今更中距離路線では?で、また距離延長するココで走れるかは懐疑的。
マーフィー騎手もダート不慣れな欧州騎手らしく、日本での成績は断然芝の方が優れている騎手(ダートで加点すべき騎手ではない)。


―ワンダーリーデル牡6横山典57安田翔(栗東)
コノ馬は休み明け初戦は振るわず、叩き2戦目以降から本領発揮がパターンとなっている馬。
前シーズンも初戦3着から2戦目で圧勝…前走武蔵野Sも叩き2戦目でジャンプアップのパフォーマンスを見せたという形に。
ただし、その武蔵野Sが目標の鞍だったようで、レース直後には「根岸S→フェブラリーS」の青写真が描かれるもの、チャンピオンズCについては未定との話だった。その後になってからこのレースに向かうコトが決められた経緯からも、距離適性の観点からも、惰性の一戦感は否めずで。


★インティ牡5武豊57野中(栗東)
インティの唯一最大の懸念点は揉まれる形(母キティ・母系血統アフリートからして揉まれる競馬になると高確率で脆さを出す)で、逃げ馬育成をした今となっては前に馬が居る形だと気難しさを出してしまう現状。

4走前フェブラリーSではそれを難なく回避しての楽逃げ独壇場競馬の通り絶対能力は高い馬ですが、それ以降は逃げられずの競馬で粗を出しているという近況。

前走みやこS時の陣営コメントは「今回も前に行きたい馬が結構いると思うので、そこでどういう競馬ができるかを見たいです。」「控えた時は力みが見られることが多いけど、逃げるだけでは強豪同士の争いでは、きつくなる。厳しくなりそうな時に、どう我慢させて克服するか。そこを意識して作戦を立てたい。とにかく次に向けて、内容を求めたいレースです」との通り。
それに則って川田騎手はスタート直後から先行ポジで抑えにかかる騎乗をしてきましたが、他馬に並びかけると逃げ競馬に慣れていたインティの制御が付かずに極端に行きたがる始末。その応酬を道中続けていたせいで早々にバテる結果に。

また中途半端に抑える競馬ならば惨敗の可能性が高いし、一転して単騎逃げならば全く違う結果が見込めるはず…コノ馬の取捨はその一点のみ。


△クリソベリル牡3川田55音無(栗東)
全兄クリソライトは地方交流G1レースでは4度も好走を果たすも、結局中央G1レースでは2度走って共に惨敗。また中央重賞レースでも2度好走したのみだった。
クリソライトは鈍足且つ揉まれ弱いタイプで、実質的な少頭数戦である地方交流レースでないと中々能力を出し切るレースができなかったのが主因でした。
クリソベルもその嫌いは確実にある馬で、ここまでは中央では少頭数戦のみ、地方では頭数揃ったレースでも外枠のみで、結果的に全てのレースでスンナリした競馬に持ち込めて勝利という経緯。
今回は中央フルゲートG1戦の1番人気という立場…当然他馬からのマークを受けるでしょうし、他陣営は上記の癖は勿論把握しているコトでしょう…これで外枠でも引ければ話は別ですが、内枠を引かされれば結構厳しい競馬が待ち受けているはずですが・・・。


△オメガパフューム牡4デットー57安田翔(栗東)
△チュウワウィザード牡4福永57大久龍(栗東)
2頭共に[平安S→帝王賞→JBCクラシック]の歩みで、チュウワウィザード2勝>オメガパフューム1勝という対戦成績。
平安Sは3着オメガパフュームが1キロ重い斤量背負って外を回すロスあって、帝王賞は2着チュウワウィザードの方が展開的に厳しい競馬をした分もあって、JBCクラシックはほぼ同体の競馬…コノ2頭の能力は非常に拮抗していると見るのが妥当だろう。
ただ、適性は少し異なる所があって、チュウワウィザードは左回りの方がパフォーマンス上がる馬なのに対して、オメガパフュームは右回りの方がパフォーマンス上がる馬である。
また2頭共に距離千八までよりも、距離千九以上のレースでのパフォーマンスが高いタイプで…チュウワウィザードは現級の距離千八戦では東海Sでインティの影を踏めず&OP特別2着で、オメガパフュームも青竜S3着とチャンピオンズC5着とフェブラリーS10着というのはやや気掛かり。


▽ゴールドドリーム牡6ルメール57平田(栗東)
まずはフェブラリーS時の対抗見解を参照↓
『コノ馬はソラを使う悪癖もある馬で、それは17年フェブラリーSみたく併せ馬の形や17年チャンピオンズCみたく一気に抜け切る形ならば問題無いとしても、やはり天敵は後方から一気に来られる馬…18年フェブラリーSで言えばノンコノユメに完璧にしてやられるという結果でした。
実際に過去の中央G1二勝は共に騎手の神騎乗故の最先着で…そうでない限りは本来は昨年みたく惜敗を起こす様な難しいタイプです。
その後に地方交流G1を二勝していますが、かしわ記念は格下相手の0.2秒差で、帝王賞はケイティブレイブとの併せ馬での先着勝利で、やはり勝ち方には注文が付くというコトです。

今回も疲れが残り易いコノ馬にとっては理想の休み明けローテ&得意左回り戦となれば好勝負は濃厚でしょうが、こと勝ち切れるかについて言えばそれよりも2着付けの方が可能性的にも配当的にも狙いの様に思えます(連軸評価)。
(ソラ癖故に逃げ系馬を力で捻じ伏せるのは得意だが、差し追い込み馬の強襲を防ぐのは苦手)』
・・・
そのフェブラリーSはやはり仕掛けの難しさがあった分での2着惜敗。
2走前かしわ記念はインティがバテバテになった分で、気を抜かす間もなくの勝利。

そこまでの戦績はゴールドドリームらしいモノでしたが、気掛かりなのが前走南部杯での3着結果。上記の通り、ソラを遣う癖だけが問題のコノ馬にとって定位置は2着or1着で、3着という着順は過去に3歳春に1度あっただけなのです。
4歳シーズンの不振は海外遠征や大出遅れなどで別として、まともに走ったのに勝ち負けに絡めなかった(力負け)というのは実に約3年超振りの出来事で…6歳秋でソロソロ衰えを気にしなければならない頃合いかも知れません。


―サトノティターン牡6ムーア57堀(美浦)
これまで東京ではほぼオール好走で、京都中京では3戦3凡走。
前回京都参戦した6走前も難しい面を見せての大敗でしたが、3走前もやはり輸送競馬で勝手が違った可能性も高そうな敗戦で、やはり非輸送競馬というのが大きなキーとなる馬です。
2走前は札幌滞在競馬、前走は地元東京という力を出せる場での連続好走で…中京遠征となるココは通常の力を出せるかも怪しい場面です。
また、見るからに不器用な大型馬で、器用な立ち回り問われる中京ダートで買いたいタイプの馬ではありません。