キムラヨウヘイ スプリングSの有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ハッピーグリン 牡3 大野 56 門別 田中淳
道営馬。
前走東京出走後も一度北海道門別まで戻ってからの再長距離輸送…また前走後に発走調教再審査を命じられているせいで早めに東京入厩せざるを得ないなど調整面でのディスアドバンテージは大きい。

前走セントポーリア賞は勝ちっぷりこそ鮮やかなモノだったが、2着以下は並レベルでそこまでの力量評価はできない。
前走での成功体験がある以上はココも後方競馬濃厚だろうが、(昨年こそ極端な馬場になったので差し追い込み決着になりましたが)スプリングSでの追い込み競馬の期待値・確率は低いワケで…。


―フォルツァエフ 牡3 ○○ 56 栗東 森
例の森厩舎…ただしココは頭数揃いそうなので回避でしょう。


△ステルヴィオ 牡3 ルメール 56 美北 木村
サウジアラビアRC後に『東京だからマイルに対応できているが本質的には距離二千路線の方が良さそう。ロードカナロア産駒は短距離よりも中距離適性(マイル以上)を示している』と書きましたが、2歳時点では(2歳馬には)タフな東京阪神マイルの大箱コースだからセーフなのであって、この3歳以降となると本格マイル路線で間に合うスピードあるかは結構疑問です…距離二千路線がベストと思いますのでこの距離延長はプラスです。

ただし、2戦目コスモス賞なんかの反応の悪さを見る限りでは雨馬場・小回りは得意とは言えなさそうで、小回り1800条件では高確率で差し遅れる競馬になると思います。

能力は上なので馬券内まではあるとしても、頭まで間に合わせるのはやや至難かも知れません…特にスプリングSはこの手の有力差し追い込み馬が2~4着止まりというケースが多いレースですので。


▽ルーカス 牡3 Mデムー 56 美北 堀
まずは前走ホープフルS後の回顧文を参照↓
『ルーカスは堀調教師は予ねてから、鞍上ムーアも調教で乗った感触として散々完成度不足を口にしていたが、やはり実際のレースでもフラフラしたり真っ直ぐと走れなかったりと集中力不足や未熟さが目に付くパフォーマンスであった。
そもそもスクリーンヒーロ牡駒自体にそこ傾向があるのだが、また全兄モーリスだって古馬になってから確変した馬であるし、2歳時に新馬勝ち&重賞2着という時点で将来性を大いに楽しみにできるだけの期待以上の結果を出していると捉えるべきかも知れない。
現時点では並のOP級馬…全ては成長力に懸かっているが、そこの面では大きな期待ができるバックボーンある馬だけに長い目で注目していきたい。』
・・・

全兄が強くなったのは古馬になってからであり、現に晩成色を醸し出している全弟に対して“血”を根拠に大人気に祭り上げるのは…まだ今(3歳春)ではないでしょう。
前走ホープフルS程ではないですが、この中間も堀調教師の口からは状態面でも成長面でもポジティブな話は出ていません…少なくとも東スポ杯2着・ホープフルS6着だけ走ればココで足りないワケですから、それを補う成長力を上回るだろう良血人気を受ける今回は買えないとの評価です。


▽サトノソルタス 牡3 ○○ 56 美北 堀
まずは前走共同通信杯2着後の回顧文を参照↓
『この日の内有利馬場を誰よりも生かす騎乗をしていたムーアJの手腕、そして後方に置かれていた1人気2人気馬ではなく勝ち馬オウケンムーンを視野に入れ続けたムーアJの勝負勘が素晴らしかった。
その割に馬の反応が鈍くて、一時はより後方からの追い込み馬と同脚色だったのはどうしたものか。それでも最後まで伸び続けた辺りは決して弱い馬ではないのだが、まだ完成途上でもう少し遅い時期からもう少し長い距離で存在感を出してくる馬になるのではないか。』
・・・
同厩ルーカスとの使い分けを模索しているのか、仕上がり面にも不安あるのか、週初時点では騎手未定で回避含みの特別登録。
もし出走に踏み切るとしたらミナリクJか石橋脩Jかと思われます。

兄姉を見ても割と体質面に弱さある血筋ですのでココでの慎重姿勢は妥当と思いますが、皐月賞直行では賞金的に黄色信号ですし、スプリングSから毎日杯へのスライドとなると逆に皐月賞へのローテが過密になるので現実的にはスプリングS出走するしかないはずですが…。

裏読みすればそういう押し出された様な出走過程はケチが付くとも言えます。
あとは前走で見せた鈍さ…ムーアJから鞍上弱化確実で小回りコース替わりでは危うい要素になってくる可能性も十分です。


★マイネルファンロン 牡3 柴田大 56 美北 手塚
先週日曜フィリーズレビューも2歳~3歳早期の重賞OP実績馬が全滅して、前走Hレベル(レースレベルCD)500万下連対馬のワンツースリーでした。
早期の重賞OPレースのレベルが酷かった牝馬路線ほどではないとしても、牡馬路線でも中途半端な重賞実績馬よりはレベル高くなりつつある直近500万下激走馬に分がある状況はソロソロ生まれてくる頃合いです。
その候補馬としてはレノヴァール(前々走レースレベルC4着)とマイネルファンロン(前走レースレベルCD2着・前々走レースレベルCD3着)の二択…週末には一部雨予報も出ていますが、ステイゴールド×ロージズインメイという〇〇〇〇〇はもし雨のスプリングSならばマイネルハニー(同馬主の同鞍上の同脚質馬で渋化スプリングSで2着激走)の再現が狙える一頭になってくるのではないでしょうか。


━━━(前編)はこちらに掲載しています。