キムラヨウヘイ マイルCSの有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ステルヴィオ牡3ビュイ56木村(美浦)
2歳時の小回り1800条件のコスモス賞でも重馬場小回りコースが忙しくての辛勝止まりで、春のスプリングSにしてもペースが軽かった分で忙しさは目に見えませんでしたがそれでも加速遅れての完全に脚を余す差し競馬での力の違いでの勝利で、皐月賞はそこに雨馬場の悪材料も重なった分で届かずの結果に。

大箱コース・良馬場がベストで、前走の東京千八良馬場コースというのは申し分のない条件でした。

今回は2歳時以来のマイル戦ですが、単なるマイル戦ならばまだしも古馬混合マイルG1ともなれば前走経験どころかこれまで経験したことのない様なペースへの対応が求められます。
現にペースに対応できずに朝日杯FSでも取りこぼした経緯もある馬です。
どちらかと言えば距離千八~二千で買いたい馬で、ガチのマイル戦だとそこまで食指は動きません。


△ジュールポレール牝5○○55西園(栗東)
参考:マイルCS≧ヴィクトリアM
https://twitter.com/jou_syou/status/1061923543619842048
https://twitter.com/jou_syou/status/1061924843174555648
ここまで渋化馬場では[1-1-2-0]とパーフェクトで、VMはその得意馬場もあっての勝利。前年VM好走も、他の重賞好走歴の阪神牝馬Sも同じくの馬場。
半兄サダムパテックのマイルCS勝利もその渋化馬場でのモノでした。
馬場渋化の恩恵もあれば…です。


―ミッキーグローリー牡5戸崎57国枝(美浦)
まず、前走京成杯AHの日の中山芝は直線追い風強風で、それを味方に付けられる外差し馬に分がある状況。
上位2頭ミッキーグローリーとワントゥワンは正にその外差し馬/追い込み馬で、それに対してメリット薄い内で脚をためる形から外差し馬の勢いに抵抗し切れなかったのが3着ロジクライ&4着ロードクエストという構図…ミッキーグローリーは最も上手く乗られての勝利ですので過信禁物評価をします。

京成杯AHと言えば昨年はグランシルク、一昨年はロードクエストが共に鮮やかな勝利を収めて次走以降も大いに期待されたが、その後は予想を裏切る結果になっています。過去年は馬場バイアス、本年は強風と背景は異なりますが、やはりやや特殊な競馬になっての必要以上に見栄えの良い勝利になっていますので。

あとは関西G1での戸崎Jの騎乗は頭空っぽかと思う位に本当に酷過ぎますので・・・
https://twitter.com/jou_syou/status/1061935441660698624


―ベステンダンク牡6○○57安達(栗東)
揉まれ弱い馬でスンナリ番手級の位置取りを取れるか否かが好走or凡走に大きく関わっているというこれまでの戦績。
必然的に少頭数戦に良績多くなっており、この多頭数フルゲート激戦ではどう考えても厳しい。


△モズアスコット牡4ルメール57矢作(栗東)
前走スワンSは能力的には負けられない存在だったはずですが、斤量58と右回りと矢作厩舎の叩き台休み明け初戦という取りこぼしが許される状況も揃っていた場面で…2着というのは納得の結果と言えるでしょう。
その右回りについては安田記念回顧で『あとは左回り替わりも大きかったです…前走安土城Sでは坂井瑠星Jの騎乗に批判も集まりましたが、そんな坂井瑠星Jに限らずルメールでもCデムでも騎乗ミス否めない騎乗での取りこぼしの連続だったのが真相で、それの一つの背景には右回りがありましたので。この先は左回りのビッグレースに出る機会からは遠ざかりそうですが…そこでは再び取りこぼしの方に警戒すべきかも知れません』と指摘した通りです。

前走スワンSもやや外有利馬場の少頭数立てなので直線を広く使えた分で致命的にはなりませんでしたが、それでも内へ内へと切り込みながらの末脚でした。

左回り安田記念では、スワンSよりも相当厳しい競馬だったはずですがそれでも直線では真っ直ぐ走れていましたので。やはり右回りだと末脚威力半減は認められます。
このマイルCSでもその面での取りこぼし結果は読めます。


―ロードクエスト牡5横山典57小島茂(美浦)
これも右回りだとモタれる馬。
前走スワンSは右回りだったとはいえども、やや外有利馬場の外枠外差し競馬で、直線をスムーズに広く使えたコトが功を奏しての激走でした。
今回は当時程の大味な競馬は通用しないレースで、こういうモタれて直線乗り辛そうな馬に鞍上デムーロ→横山典だとパフォーマンス落としそう…。

また、同じく延長ローテだった関屋記念では折り合いを欠いての敗戦だっただけにその懸念も…尤も横山典だとポツンもありそうですが。


▽レッドアヴァンセ牝5北村友55音無(栗東)
https://twitter.com/jou_syou/status/1061610173326708738


△ペルシアンナイト牡4Mデムー57池江寿(栗東)
デムーロJの最近の古馬G2勝利歴は[ダンビュライト][パフォーマプロミス][スワーヴリチャード][リアルスティール][ファインニードル][ロードクエスト]ですが、スワーヴリチャードを除けば全て次走本番は別騎手内定などピンポイント騎乗と言って良い場面でした。
逆に本番G1継続騎乗予定お手馬の始動戦や前哨戦では、人気を上回る好騎乗好走という例はほぼ見られません。

このペルシアンナイトの近1年の休み明け初戦は昨秋富士S2人5着と今春中山記念1人気5着で、その最たる背景としてはそんなデムーロ騎手の本番G1特化気質(前哨戦軽視気質)の指摘ができます。

先週エリ女でも、札幌記念で取りこぼしたモズカッチャンを、今度はG1好走に導きました。

ペルシアンナイトの前走富士Sは前哨戦では走れる態勢になかったというのもあるとしても、それと共にデムーロJの高等戦術なのかは憶測しかできないですが、前哨戦では次走本番でピークを迎える為の省エネレース振りをしていたせいという勘ぐりもできるよく見られる負け方でした。

デムーロJが凄腕騎手であるコトは言わずもがなですが、その唸る騎乗を発揮してくるのは“この後のG1マイルCSでも騎乗予定のお手馬ペルシアンナイトでの始動戦前哨戦”という富士S場面ではないはずであったと(実際に予想でもそう書きました)。

この結果に拘わらず、次走G1で買うべきというのはペルシアンナイトの昨秋マイルCS・今春大阪杯での結果を見ての通りです。
(※大阪杯は当初はデムーロ騎乗予定→つまり中山記念は当初はG1コンビでの前哨戦としての出走)


 

━━━(前編)はこちらに掲載しています。

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