キムラヨウヘイ 七夕賞の有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

―アウトライアーズ牡6丸田54小島茂(美浦)
ヴィクトワールピサ牡駒で古馬以降に重賞OPクラスで好走した馬は未だに0頭。
気難しさが出てきて早期には走れても、息の長い活躍はできぬという産駒傾向になっています。

アウトライアーズもその気難しいヴィクトワールピサ産駒の典型で、4歳以降は何よりも折り合いが鍵になってくる馬でしたが、昨秋以降は完全にプッツン状態になっていると言える状態です。

昨年の同レースでは5着と善戦しましたが、Hペース競馬で折り合いOKで、外差し有利決着にも恵まれての結果で…当時ほどにペースも馬場も向かないだろうココでは善戦も厳しい。


▽ウインイクシード牡6横山武56鈴木伸(美浦)
まずは2走前日経賞8着後の次走チェック見解を参照↓
『叩き良化タイプ。昨夏シーズンも休み明けから8着→3着→1着と尻上がり戦績で、昨秋シーズンも同様に4着→2着→2着と3戦目でベストパフォーマンスを見せました。
今回は蹄不安もあって間隔が空いた一戦だったのと、外差し決着を掛かったソウルスターリングを目掛けて早仕掛けとなった分での失速大敗で、大いに見直せる敗戦でした。
また叩き2戦目以降に適距離レース出走ならば巻き返せるはずです。』
・・・
その次走の前走福島民報杯では3着に巻き返し好走。
条件は合いますが、3連続凡走中の休み明け初戦でいきなり走れるかどうかは少々不安も。


―エアウィンザー牡6三浦57角居(栗東)


5走前金鯱賞は大箱コースでも前哨戦の流れならば大きな瑕疵にはならぬとの見立てでの無難対抗評価。結果的には、走る度にパフォーマンスを上げてきた馬が、その前のチャレンジC[小箱]からの現状維持パフォでの3着止まり。
そこからコース条件好転の4走前大阪杯では、着順こそ落としましたが、着差は詰めました。

母エアメサイアも「桜花賞4着→オークス2着→ローズS(阪神内二千)1着→秋華賞(京都内二千)1着→エリ女5着」で、外回り→内回りでパフォーマンスを上げており、その仔のエアウィンザーも同様の適性が見込まれます。

その後は共に長欠明け初戦の厳しいローテ、不向き外回りコース起用での連続凡走でしたが、叩き2戦目と内回りコース替わりの前走鳴尾記念でも走れなかったといのは頂けない結果で…これで依然として過去の栄光穴人気する様ならば期待値ある馬とは言い辛いです。


▽オセアグレイト牡4野中55菊川(美浦)
まずは前走目黒記念2人6着時の有力馬診断を参照↓
『2走前ダイヤモンドSは展開不利3着、前走メトロポリタンSはスムーズだった勝ち馬に対して直線進路取りでミスあった分だけの0.2秒差で乗り方次第では勝ち負けあった内容。
ただ、それらは今回ルメール起用もあって完全に人気に織り込まれて、寧ろこの実績馬としては過剰人気くらいになりそうな情勢。
そもそもダイヤモンドSを勝っていたところで地盤沈下路線での重賞勝利に過ぎず、メトロポリタンSを勝っていたところで例年だと目黒記念に足りないレベルの所を勝っていたに過ぎず…消す材料はないが、人気を考えれば特段買うべき要素は見出せず。』
・・・
その目黒記念も展開不利6着で、まともならばもう少し着順を上げられたというレースを続けていますが…それでも3戦続けて2人気内に推されていたコト自体が過剰評価されている感もあり。
ようやく実力に見合う人気に落ち着きそうなので妙味的には買えますが、距離二千の重賞ではやや能力不足感も。


△クレッシェンドラヴ牡6内田博57林(美浦)
5走前福島民報杯と4走前七夕賞は、共に前半からペースが流れての差し有利決着となったレース。そこで自ら動く競馬をして、地力で連続2着したパフォーマンスは評価できるモノ。

3走前オールカマーでは、最内から完璧な立ち回りをして3着入線したグレイルが邪魔となった分だけ捌き遅れての5着入線。もし両者スムーズならばコチラの方に軍配が上がっていた可能性が高い(実質好走級パフォーマンスだった)。

2走前福島記念はハンデにも恵まれましたが順当勝ちの完勝。

前走中山金杯は出負け最後方追走が全ての敗戦で度外視可能ですが、出遅れた後も馬が全く前に取り付けなかった辺りは気掛かりで。

元より怖がりな面もあってスムーズな形でないと力を出せなかった傾向もあった馬で、前走のポカが一過性だとは限らない点は注意が必要で…外枠なら押さえ以上の評価はしたいですが、内枠ならばその二の舞の懸念も。


―グローブシアター牡6北村宏55角居(栗東)
●主なシーザリオ産駒(全て関西入厩)の関西関東別成績●
エピファネイア…関西[5-0-1-0]>関東[1-2-0-3]
リオンディーズ…関西[2-0-0-0]>関東[0-1-0-2]
シーリア…関西[2-2-2-4]>関東[0-0-0-2]
クローディオ…関西[0-1-7-20]>関東[0-0-0-2]
グローブシアター…関西[4-0-2-3]>関東[0-0-1-6]
サートゥルナーリア…関西[4-0-0-1]>関東[2-1-0-2]
・・・
サートゥルナーリアの東京競馬場不得手(輸送不得手)は有名な話ですが、そもそもこの一族は大よそ全てその傾向が認められます。
このグローブシアターも関東輸送競馬だといつも馬体重増減が激しくて凡走傾向が出ている通り、ハッキリと内弁慶傾向が指摘できます。


△ジナンボー牡5レーン56堀(美浦)


ただ、前走大阪杯でも以下の通り押さえた様に、ココに入れば格上感もある分で、今までのディープ産駒とは違って軽視評価まではどうかですが・・・。
『2走前ジャパンカップデーの東京芝は内有利傾向で、外を立ち回った馬が異常に伸びないケースが散見されました…そこで距離長い二四で・大外枠を引いて・外々を回る競馬で逆噴射というジナンボーの負け方は、情状酌量の余地が大きいモノでした。
3走前新潟記念は回収率上では19年重賞レースで最も乗れていなかった騎手と言っても過言ではない(重賞で1勝以上した騎手の中では最も低い単勝回収率)デムーロ騎手騎乗での好走は価値ある結果。
前走小倉大賞典は大幅馬体増で3着でしたが、まだ底を見せていない馬という見方も可能で…複穴で押さえたい一頭です』


―ソールインパクト牡8吉田豊54戸田(美浦)
3年前の同レースでの3着実績こそありますが、基本的には距離を延ばしてから重賞善戦常連となったという馬。
前走の昨年同レースでは追走できず8着止まりだった通り、今となっては距離二千は距離不足感もあり…まして長欠明けでは?


▽ノーブルマーズ牡7高倉56宮本(栗東)
まずは前走目黒記念10人4着時の穴推奨(対抗)見解を参照↓
『コノ馬は位置取りと着順が連動するというのと、ラチ沿い競馬だとパフォーマンスが上がるというのがポイント。
2走前中山金杯はその得意とする内枠先行競馬でしたが、前に居たブラックスピネルが下がる分だけ追い出しが遅れた分での4着でした。また、鞍上は重賞OP級でもその後の乗り替わり時に巻き返し激走例が続出(ミヤジコクオウ・グルーヴィット・ウイングレイテスト・ウインカーネリアン・ウラヌスチャーム)しているミナリク騎手騎乗だった点も加点要素です。
前走京都記念は5番手追走から4着で、また外有利馬場の分だけ得意の内競馬が取れずの情状酌量要素も。
3走前チャレンジCは距離不足、4走前アル共は6枠からの差し競馬で持ち味生かせず、5走前京都大賞典は1枠からの差し競馬で4着。
2年前の目黒記念は内枠先行競馬で3番手追走2着でしたが、そういう内枠先行競馬ができた局面ではそれなりに安定したパフォーマンスを発揮してきたこれまでで…絶好枠を引けた今回はそれでの善戦=馬券内突入も見込める一頭と見ます。』
・・・
その目黒記念は最内5番手追走から4着入線という指摘通り結果に…そういう一番走れる条件が揃っての結果だけに、中々それ以上の結果というのは見込み辛い所です(高倉騎手継続騎乗で距離短縮二千というのは位置取りを落とす要素にもなるだけに)。


▽リュヌルージュ牝5○○52斉藤崇(栗東)
今週末の雨予報の七夕賞で問われる資質(重馬場適性・中長距離適性)については、3走前中山牝馬S2着や前走マーメイドS3着で証明済み。
そういう適性的には面白い一頭と言えますが、中山牝馬Sについてはそれに加えて有力馬の自滅が相次いだのと斤量50キロというのも大いに味方した結果で、前走マーメイドSはレースレベルEの通り上位6頭中4頭が格上挑戦馬という半3勝クラス戦という相手関係に恵まれた結果でもあり。
それによって今回の斤量52というのはそこまで恵まれたものでもなくて、あとは当時ほどの極端な馬場悪化でもない限りは足りない馬になるか。


★レッドローゼス牡6石川裕56国枝(美浦)
前走メトロポリタンS(東京二四)は惨敗でしたが、スローペースを外枠先行で折り合い付かずに直線失速敗戦というのは、昨年秋のオクトーバーS(東京二千)と全く同じ負け方でした。
それらも含めて良績は小回りコースに集中している馬で、そこでは状態落ちの中山金杯惨敗を挟んで5着&4着と健闘しています。
再びその小回りコース戦替わりのココは、展開一つで出番有り得る馬として大穴注目。

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