キムラヨウヘイ 中山牝馬Sの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ウラヌスチャーム牝5横山典53斎藤誠(美浦)
前走AJCC騎乗のミナリク騎手は「芝△」「芝差し追い込み×」「内枠△」「小型馬×」という4大マイナスポイントを指摘してきました。

本年来日時も芝では62戦8好走で、4角3番手以下からでは51戦2好走のみで、やはり芝差し追い込みでは致命的に持って来られない騎手言えるはずです。
その騎手が乗って差し追い込み不発だった馬というのは、それだけで見直し材料として見られます。

ただし、それ以前にも少頭数立てでしか来ていない不器用ルーラーシップ産駒(12頭立て以下[4-3-0-2]⇔13頭立て以上[0-1-0-7])だけに、フルゲート多頭数揃うココで嵌まる可能性は決して高くはないか。

昨年中山牝馬S2着は頭数が14頭立てと手頃だったのに加えて、外差し決着に乗じての好走で、同舞台だったとしても同一シチュエーションというワケではありませんでした。


★エスポワール牝4Mデムー53角居(栗東)
母母グレースアドマイヤ、母スカーレットともに近藤英子氏所有馬という、同オーナー珠玉の血統馬。
この近藤英子氏は『所有頭数が少ない割に活躍馬が多いことで知られており、1走あたりの賞金獲得額(総獲得賞金÷総出走回数)では、馬主のなかでもトップクラスである。これは自分自身で血統、馬体を勉強していることに起因するといわれている(wikiより)』とのことで、好みのタイプがあるのか所有馬の傾向や特徴が結構偏っています。具体的には大体芝中距離馬で、母系にノーザンテーストやロベルトが入る底力型の馬ばかりです。
それ故に阪神を筆頭に急坂コースを得意とする馬が多く、逆に新潟や東京や京都などの軽いコースでは不振傾向。
このエスポワールも連対を外した2戦は共に京都コースで、4走前に中京重馬場で圧勝して一気に頭角を現した馬です。
その傾向からも引き継ぎ中山コースは〇で、距離延長も〇で、あとは渋化馬場替わりともなれば更に買える馬と言えます。


▽カリビアンゴールド牝6石橋脩53鮫島(栗東)
まずは5走前クイーンS3着後の回顧文を参照↓
『カリビアンゴールドは滞在競馬ができる北海道競馬では内地とは異なる別馬とましたがその通りだったと思います…これで北海道競馬では6戦6好走で、中には降級戦などで好走して当然の鞍もありましたが、それ以上に内地とは別馬の様に優等生なレース振りができるという中身の方が大事です。
今期も北海道に来る前の2戦では折り合い欠いて自滅している通り…次走以降も滞在競馬であるのか否かを最大ポイントとして取捨すべきです。』
・・・
内地替わりの近3走もそれなりに走っていますが、 その滞在競馬クイーンS3着程のパフォーマンスは繰り出せずという近況。
確かに折り合い面はマシになっていますが、クイーンS時の『栗東にいる時は追い切った後にまったくカイバを食わなくなるので満足のいく調教ができたことはない。それでいて関西圏の3勝クラスで牡馬相手に差のない競馬をしている。能力は間違いなく高いからね』とのコメントの通り滞在競馬と栗東調整競馬とでは、調整過程の段階から差異があるようで…その上で関東輸送も挟む今回はやや軽視したい。


▽コントラチェック牝4ルメール55藤沢和(美浦)
まずは前走ターコイズS時の有力馬診断見解を参照↓
『前走秋華賞では懸念した雨(藤沢和雄厩舎がカラッキシな芝重不良条件)は想定よりも乾いて致命的ではなかったはずですが、それよりもビーチサンバが謎に主張する競馬をしてきた分でハナを奪えなかったのが最大の敗因。
これまで逃げなら3戦3勝、逃げ以外なら3戦3敗…どうしても逃げでないと落ち着いて走れない面があって、その秋華賞では更にオーバーペースとタフ馬場の二重苦もあっては大敗も致し方なし。
この手の馬は逃げならば全然違う結果も有り得ますが、馬優先主義の藤沢和雄師は「逃げなくても好位で大丈夫」とコメントしていたように、逃げ馬を作るのは好まぬ厩舎だけに…。』
・・・
その前走ターコイズSでは、ルメール騎手が出負けしつつも、ペースが速いとしても、上記の通り唯一の本領発揮手段の逃げの手に拘ったのが何よりの勝因。2走前秋華賞予想でも能力はカレンブーケドールに次ぐ2番手と評した通り、それをストレートに発揮させられさえすればこの位は走れて当然という話だろう。
今回も戦法次第でどちらに転んでもおかしくないはずで、大きな所を獲る為にはこのまま逃げ続けるワケにもいかないはずですし、モルフェオルフェという高確率で逃げたい同型が居る一戦というのはリスクも十分ある局面と見られるか。


▽サトノガーネット牝5○○55矢作(栗東)
前走日経新春杯の日の馬場は内有利傾向で、またペースも緩みましたのでコノ馬の外追い込み競馬では物理的に難しい状況でした…それでの6着ならば十分見直せる結果です。
また、叩き良化型矢作厩舎所属馬で、その前走日経新春杯は帰厩してすぐにレース参戦での仕上がり不足気味だった点でも、見直し余地があります。

4走前5走前は距離不足千八戦での敗戦、3走前エリ女は前残りペースで後方競馬だった時点で無理だった敗戦、2走前には展開向いたとはいえども重賞勝利…引き続き距離二千以上ならば再激走有り得る一頭と見ますが、一気の距離短縮の距離千八で昨年の様な外差し馬場も見込めないとなると差し届かずが濃厚か。


―ソウルスターリング牝6○○56藤沢和(美浦)
気性難のフランケル産駒で、3歳秋以降は気持ちのコントロールができなくなって不振に陥っている近況。
その中でもまともに走ったのは3走前クイーンS3着と前走ヴィクトリアマイル9着だけですが、それは両方とも前半3F34秒くらいのHペースで流れて、気性難を出さずに何も考えずに突っ走しるようなレースができてからそれなりに走れたモノでした。
前走中山記念はスローペースでどうかと思われましたが、結果的にはマルターズアポジーから離れた2番手で実質逃げる形に…こういう気性難馬にとっては最も理想的な競馬が叶ったというワケです。
ココは自ずと折り合いを付けられる程のHペース展開は見込めませんし、キチンと前に行きたい馬も複数いるので前走の様な前で放置される形も見込めませんし…本来の力を出せる可能性は相当低いはずで。


△デンコウアンジュ牝7柴田善56荒川(栗東)
前走愛知杯はイン突きが嵌まっての激走。
その前にイン突きをしたのは8走前ターコイズS3着でしたが、そういう無欲の追い込み競馬で一瞬の脚が生きるレースでは未だに牝馬重賞クラスでは上位の実力の持ち主。
距離千八以上に限れば負けても僅差でイメージ以上に安定している馬で、その戦績以上に人気を被り辛いタイプだけに(前走重賞勝ちだからと言って人気急上昇しないはずで)、ココも目を離さないでいた方が良い存在ではあるか。


★フェアリーポルカ牝4和田竜52西村(栗東)
まずは前走愛知杯での有力馬診断見解を参照↓
『2走前紫苑Sは内枠からラチ沿い競馬で2着好走。
その前の3走前オークスは外に振られる競馬で何もできずでしたが、どうも幼い面があってフラフラと走る馬で前走秋華賞でも外枠競馬が堪えた印象の負けっぷりでした。
その紫苑Sを除けば枠運悪く外枠凡走が続いていますが、一転して内枠を引いて自分のペースで走る形ならば一変有り得る馬として。』
・・・
その前走愛知杯でも外枠を引いてしまい、さすがに成長している分で外枠からでもフラ付きはマシでしたが…それでも内枠競馬ならばもっと走れたのは間違いないはずで。
現級では2着好走した紫苑S以外は外枠競馬が続いていますが…それ以来の内枠条件配置となればチャンスは有り。


▽レイホーロマンス牝7石川裕51橋田(栗東)
まずは2走前愛知杯3着後の回顧文を参照↓
『例の牝馬限定の中距離の上級常連での穴激走率が群を抜いて高いハービンジャー牝駒。
これで3度目の人気薄激走となりましたが、それでも雨馬場によって余計にスタミナが問われる決着になった分で適性が生かされてやっと足りた3着なので…今後も同条件での穴には警戒したいですが、まともな良馬場などスピードが問われる条件では好走圏内まで遠い結果が続くはず。』
・・・
この馬のポイントとしては、牝馬限定戦でより相対的に生きるスタミナ面の良さと、兄スズカデヴィアス同様に冬場に調子を上げてくる面。
前走小倉大賞典でも4着に健闘したのは、その後者の側面で説明が付きます。
ココは牝馬限定戦替わりはプラスですが、相手関係にもレース展開にも恵まれての3着だった愛知杯よりも上の着順まで狙えるかとなると…ココも善戦はできそうですが、それ以上の激走は想像し辛いトコロで。


―レッドアネモス牝4津村53友道(栗東)
怖がりな面がある馬で、これまでの好走歴は少頭数立てで前で揉まれ少ない局面ばかりで、多頭数戦では阪神JFとフィリーズレビューと気難しさを見せて惨敗を喫するのがいつものパターン。
3走前4走前は広いコースでのスンナリ先行競馬での連続健闘でしたが、大敗を喫した2走前ラジオNIKKEI賞や前走秋華賞と同じくの小回りコース&多頭数戦&同型多数のココは苦戦必至。


―レッドランディーニ牝5吉田豊51石坂正(栗東)
昨夏マーメイドSは上位入線12頭の前走出走レースが条件クラス戦という、実質的にはレベルが高い準OPクラス戦=超低レベルな重賞戦と言うべき一戦…そこで格上挑戦の軽ハンデ&展開嵌まり2着という結果はそう評価できるモノではありません。
その後は牝馬重賞戦線でまるで通用していませんが、それがコノ馬の真の実力であるワケで…余程の空き巣レースでない限りは現級の再好走は苦しい。



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