キムラヨウヘイ 中山記念の有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

△アドマイヤハダル 牡4 横山武 55 栗大久龍
今回メンバー中では皐月賞4着実績を持つアドマイヤハダルと、ホープフルS1着実績を持つダノンザキッドが格上的な存在。
皐月賞4着の次走のダービーでは惨敗を喫しましたが、最終追い切りをやり直しなどやや順調さを欠いた調整過程だったのと、結果的には同様の競馬をした馬は軒並み伸び切れなかった通りデムーロ騎手の積極策が裏目に出たのと、同騎手らしく直線で不利を受けてからは流す騎乗をされた分でのこの大きな着順でした。
まともならば古馬重賞でも通用して然るべき一頭と見られますが、東京の白富士Sでは2着好走だったのに対して中山のディセンバーSでは5着凡走だった通り、大きな走りをするタイプだけに本質的には距離二千以上の大箱コースの方が向いてそうで。
皐月賞は外も伸びる馬場で大雑把な競馬で大丈夫でしたが、今回は開幕週の恐らく内有利馬場ならそうはいかないはずだけに、同条件で案外だったディセンバーSの再現というのも頭がよぎってしまう局面です。

△ダノンザキッド 牡4 川田 55 栗安田隆
こちらも最終週で内が伸び辛い馬場で大雑把な競馬でOKだったホープフルSこそ勝利したものの、本質的には広いコースでこそだろうタイプです。
近2走は距離マイルの広いコース条件で4着3着でしたが、そこでもかなり煩い仕草を見せて折合いに気を遣う競馬だっただけに、そこからの距離延長ローテでは開幕週の内有利馬場だと分かっていても勝負になる位置取りで競馬できるかは当日の馬の精神状態次第に。
昨秋の競馬を踏襲するようならば、小回りコースで差し遅れる形になりそうで。
この後にドバイ遠征を検討しており、それに向けて大分余裕を残した状態での叩き台という意味合いでの出走模様でもあり…能力の高さでどこまで克服できるかで人気程の信頼はどうか。

―ガロアクリーク 牡5 田辺 56 美上原博
まずは3走前菊花賞9着時の有力馬診断を参照↓
『キンシャサノキセキ産駒はそもそもの早熟志向と、また年齢・レース数を重ねると気難しさが出てくる産駒が多数。それ故に早期に活躍した馬が、その後も順調に活躍を継続させている例はほぼほぼ無いというのが実情です。
同産駒の最多賞金獲得馬シュウジは今でも活躍していると思われるかも知れませんが、途中に5連続二桁着順など大きな挫折がありながら、年月をかけて持ち直して今に至っているワケです。
これまでに2歳~3歳春までに重賞好走した同産駒は「モンドキャンノ・カシアス・シュウジ・ガロアクリーク・ルフトシュトローム・ベルーガ・サフィロス・サイモンゼーレ・アドマイヤモラール・ジュランビル」ですが、そのシュウジを除けばほぼ全て3歳秋以降にまともな活躍ができていません。
前走セントライト記念時の有力馬診断でも『キンシャサノキセキ産駒は先週京成杯AHでルフトシュトロームが撃沈しましたが、早期活躍馬がその後も順調に古馬以降も活躍を続けられる例は滅多にありません』と記しましたが、早枯れ撃沈の最悪は免れたものの鞍上に「春からそこまで成長はしていませんでした」と言わせてしまう収穫の乏しい結果でした。
やはり、これから先には追い抜かれていく立ち位置と見た方が良いでしょうし、(例のごとく)疑ってかかるべき既存勢力の1頭と見ます。』
・・・
その後にディセンバーSでは3着しましたが、断然人気で0.5秒差離された結果だけにクラシックシーズンよりも落ちた結果だと捉えられます。
今回は長欠明け初戦になりますが、その前に下降を見せていた馬だけにこのタイミングでも復活よりはダダ下がりの方が可能性としては高いでしょう。

―ルフトシュトローム 牡5 石橋脩 56 美堀
ガロアクリークと同様に賞味期限の短いキンシャサノキセキ産駒らしく3歳秋から急激に萎んでいるという近況で…いわゆる落ちてくるナイフ状態なので深追い禁物で静観が妥当。

▽コントラチェック 牝6 丸山 54 美藤沢和
これまで逃げなら5戦5勝、逃げ以外なら13戦1勝の通り…どうしても逃げでないと落ち着いて走れない面があるという馬です。
過去に『それならば逃げれば良いのではというお話ですが、馬優先主義の藤沢和雄厩舎だけに、そういう馬を終わらせる方向の舵取りはなくて、毎度の様に逃げない競馬の訓練調教を行って…実際に「2~3番手でも大丈夫」との談話が出て…ふたを開けてみればそれでは駄目だったという永遠ループというこれまでになっています。』とも記しましたが、結果的に逃げない教育で何とか成果に結び付いたのはオーシャンSの1度だけで、2年弱振りに本来の戦法を開放して逃げの手に出ただけでこれだけ走れたというのが2走前京成杯AHの結果でした。
中山記念に出走する場合には大逃げ宣言をするパンサラッサの存在が、阪急杯に出走する場合には大幅距離短縮で行き切るのは容易ではないだろう点で…どちらにしても好走パターンは望み辛いだけに。

―ゴーフォザサミット セン7 ○○ 56 美藤沢和
昨年は芝道悪では一度も好走していない通り、総じて道悪不得手傾向が強い藤沢厩舎所属馬。
13年から指摘の通り、藤沢和厩舎のゆとり育成は底力欠けるエリートタイプ輩出傾向が、芝道悪=過酷馬場だと異常に走らぬ傾向に繋がっていると見ています。
ゴーフォザサミットの近況もその馬場要因が大きな所を占めていると考えられて、最近まともに負けた時か道悪かダートか不利を受けた時で、実は良馬場で不利なく競馬できた時は常にOP特別善戦級のパフォーマンスは見せられています。
実際に昨年の中山記念は道悪凡走とダート凡走からの芝良馬場替わりで4着でしたが、今年も善戦くらいは可能でしょうが昨年よりも相手関係が揃っている点でどうか。

▽ヒュミドール セン6 Mデムー 56 美小手川
前走福島記念2着時の有力馬診断では『前走京都大賞典は今後は不得手とする輸送競馬で挑んで、更にレースでは不利もあっての凡走でした。今回は関東圏での競馬に替わるのはプラスですが、上述の通り大分恵まれた小倉記念2着のパフォーマンスはだけでは重賞級で足りるとまでは判断できない点で半信半疑まで。』と記しましたが、非長距離輸送競馬で馬体を回復させて本来のパフォーマンスを取り戻してきたのと、前が止まる流れを前半後半イーブンに近いベストポジションで競馬できて展開に恵まれた分もあって2着まで食い込んだ格好でした。
今回も関東圏の競馬というのはプラスですが、小倉記念も福島記念も時計掛かる馬場の距離二千で間に合ったような競馬だっただけに、開幕週の距離千八条件ではスピード不足の嫌いも。
あとはフォトパドックを見る限りでは休み明け初戦で太目が残りそうな面もあります。

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