キムラヨウヘイ 京都記念の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽モズカッチャン(デムーロ)
過去のG1挑戦3戦[オークス6人2着・秋華賞5人3着・エリザベス女王杯5人1着]時には全て◎を打って的中に貢献してくれた、ウチの“2017年MVP馬”と言って良い一頭です。
全ての始まりはフローラSでした…当時巷では東京二千の最内枠を利した競馬としてフロック視されましたが、実際のレースを見ればそうではありませんでしたので。
そしてオークスでも1着ソウルスターリングが化け物だっただけでそれを除けばコノ馬が後続に付けた着差は“歴史的”なモノでしたし、秋華賞では誰の目にも明らかな“負けて強しの競馬”でしたし、いよいよ邪魔者(化け物と展開)が去ったエリ女では必然のG1制覇だったと見たいです。

この古馬強者相手でも足り得る能力の持ち主と見ていますが、やはり最大の問題はローズSでもそれで凡走している通りの休み明け初戦ローテでしょう。
当時は休み明け初戦でのテンション高もあって全く力を出し切れずとのレースだったとの話です…それでも強風追い風恩恵を受けた上位入線馬とはそこまで差の無い内容では走っているとは言えども。

ココは次走目標としているドバイG1競走へのステップレースとの位置付けでもありますし、ローズS同様の不可解凡走が許される場面でしょうから…その点で信頼の置ける馬にはならないと見るべきかも知れません。


▽ディアドラ(福永)
秋華賞で負けて強しの競馬だった3着モズカッチャンに対して、展開的にも馬場適性的にもドンピシャでの激走だった感は否めない1着だったのがディアドラです。
その前の紫苑S1着にしても、結果的には秋華賞二桁着順級やせいぜい1000万下級の馬の集まりに対しての勝利で価値は微妙です。
前走エリ女は連戦ローテでの疲労もあってのノーチャンスの位置取り競馬で度外視できる敗戦ですが、そもそもの力量の面で根拠が足りない一頭に思えます。


―プリメラアスール(酒井学)
一昨年のエリザベス女王杯で展開恵まれによってあわや激走を果たした馬。
その次走の愛知杯では危険人気馬(2人9着)にした通り、そのエリ女は展開が全ての好結果だと言っても過言ではありませんでした。
3走前大原Sでの準OP勝利も前半3F37.7という超スローペースで、ブービーの上がり時計にも関わらず粘り込み1着というのは展開のアヤという側面が大きいです。
前々走福島記念ではマイネルミラノに捲られて万事休すで、前走チャレンジCでは同じくマイネルミラノの特攻を受けての敗戦でした。
後者の限りでは展開次第では変わり身あっても良い馬ですが、前者を見る限りでは少なくとも強い馬だとは言えないので。


▽クロコスミア(岩田)
昨年のエリザベス杯で展開恵まれによって激走を果たした馬。
見た目には一昨年プリメラアスールよりも恵まれた形ではありませんでしたが、それでも近年エリ女(道悪馬場時を含む)の中で最も遅いペースでの競馬となっては、物理的に前しか残れないという決着だったと見るべきでしょう。

あとは不安点としては燃え尽き症候群と隣り合わせのステイゴールド牝駒という点。
先週東京新聞杯でもアドマイヤリードが精彩を欠く結果となりましたが、有力馬診断でも書きました通り調教時点から昨シーズンとは異なる様子でした。
ステイゴールド牝駒はまずは早熟燃え尽き傾向があるのと、好調期にはまとめて走りますが、そこから休養を挟んで別馬戦績に劣化というコトもままあります…コノ馬の戦績も悪い時と良い時がハッキリしている通りに。


━━━(後編) へ続く。