キムラヨウヘイ 京都記念の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アクションスター牡9○○56和田勇(美浦)
OP特別よりも分不相応にG2G1に使われるコトが多いが、それはOP特別でも勝負にならないからという逆説的な話だろう…15年から新設された特別出走奨励金がほぼ無条件で交付されるG2G1に出た方が、OP特別で頑張って上の着順を目指すよりも結果稼げる期待値が高いと陣営内で位置付けられる程度の馬だというコト。
ココも奨励金対象G2競走で、尚且つ12頭立て(何らかによって2頭さえ抜かせば着賞金ゲット)という賞金が得られ易いレース選択という意図のみの参戦だろう。


△パフォーマプロミス牡7福永57藤原英(栗東)
まずは前走有馬記念時の有力馬診断を参照↓
『前走アル共は実績馬ノーブルマーズ・ガンコなどは自滅に近い敗戦で、2着3着には前走条件戦馬が入る組み合わせ…単純に力上位はパフォーマプロミスだったという結果でしょうか。
前々走宝塚記念は馬場を苦にしたのと、関西圏競馬だと馬場バイアスに逆らう下手騎乗が目立つ戸崎Jだった分で着順を余計に下げた一戦で、それまでは重賞連続好走馬でした。
前走もソラを使っての勝利という点で相手関係に恵まれた辛勝という卑下は不要ですが、それでもここまでのG2での3好走は全てG3級に近いレース選択の妙もあっての結果という点で…これの有馬記念穴人気には飛びつきたくないです。』

・・・
その前のG1挑戦で4人気にまで推された宝塚記念時にも低評価したと思いますが、少なくともG1でどうこう言えるレベルの馬ではないというのが一貫した評価です…さすがに今回の低調G2戦では例の如く通用するべきなのですが・・・。
あとは軽い馬場でパフォーマンスを上げていますので、良馬場発表でも結構時計が掛かるだろう今週末の芝状態は多少割引要素になります。


▽カフジプリンス牡6坂井瑠56矢作(栗東)
これまでの主戦には中谷J・岩田Jというガムシャラ系騎手が起用されて、ズブさを補う剛腕騎乗で何とか上位に食らい付いてきたという馬。
特に2走前新潟記念なんかは新潟の長い長い直線を丸々追い通して掴み取った好走劇だった。一転して前走オールカマーでは、それと逆のタイプの丸田J起用の悠長な競馬で何もできずの凡走劇だった。
兎にも角にもズブい馬なので、ある程度長い距離で、早めに馬を動かして行ける様な騎乗ができる騎手起用(中谷J・シュタルケJ)時が狙いだろう。
そういう意味では坂井瑠星Jというのは少し手が違う感は否めません。
それに加えて基本数を使う矢作厩舎の休み明け初戦は仕上げない傾向ですので…。

(※坂井瑠星Jのコトをディスっている様に見えるかもですが、それはあくまでも相性的な話でです。彼自身についてはデビュー前に28年度注目新人騎手として挙げた通り(ちなみに29年度は川又騎手・30年度は該当無し)、そして一昨年にも当時囃し立てられていた荻野極Jと対比して坂井瑠星Jの方が本物とした通り…帰国後に多少苦戦中の今でも、将来伸びる若手騎手はこの騎手一択との見立ては変わりません。
彼ほどに減量に頼らずに勝利を重ねた若手騎手は稀有ですから…口さが無い人からはコネ(矢作厩舎のバックアップ)云々と言われてるとしても。)


―ケントオー牡7幸56西橋(栗東)
まずは3走前アンドロメダS4着時の有力馬診断見解を参照↓
『6走前中日新聞杯でもそうだったが、5走前中山金杯でも外を回しながらも詰まるという残念な騎乗に。スムーズに捌けていれば5着馬はすぐ目の前でしたし、ブラックバゴに近いインパクトある結果になっていたはずです。

そして4走前京都記念では強者揃い戦で崩れた馬はキチンと差しての5着健闘…もしもそれが並の重賞OPレースならば穴出番あったかも知れません。

京都記念5着も評価されて遂に人気になってしまった3走前福島民報杯は、今後は不当に走れずの9着凡走。
ただし、それ以前の休み明け初戦時は[中京記念13着][キャピタルS13着]だった通り、どうも間隔が空くと走れない傾向あるのでその一戦だけで見限りはできません。

前走京都大賞典もその休み明け初戦で、距離延長二四で折合も欠いていましたので度外視できる敗戦です。

直近の連戦ローテだった新潟記念では、前残り展開を後方から追い込んで3着まで0.2秒差の7着。

どうにも恵まれない近況ですが、非休み明け初戦で嵌まればG3級で…差し届きそうな最終週付近の京都芝でOP特別級ならば足りて良い。』

・・・
その3走前アンドロメダSではOP特別で4着という結果…叩き2戦目でほぼ本領発揮してのOP特別好走級パフォーマンス。

2走前チャレンジCでは相手関係強化と高速決着に対応できずの敗戦。

前走日経新春杯は馬場レベル低下と展開嵌まりを味方に7着善戦。

今回も引き続きタフ京都芝でのレースというのは有難い話ですが、それでも類似条件の前走を見る限りでは好走圏内までは少し壁があるだろうという能力評価止まりまで。


▽ブラックバゴ牡7池添56斎藤誠(美浦)
3走前函館記念は長欠明け初戦で仕上がり途上・太目残り。それとその前の中山金杯では最後方競馬で調教師から苦言を呈された岩田騎手だけに、逆に出して行く競馬を選択…結果的にはそれで馬と喧嘩してしまったのが大きく響いた結果でした。
その前後の折り合い付ける競馬ができた2走前オールカマーでは6着・4走前中山金杯では4着。
乗り難しい馬ですが、嵌まれば重賞掲示板級という馬…17年アンドロメダSにてテン乗りで1着に導いた池添J起用というのが高評価される様ですが、それにしても展開嵌まっての激走でしたので…誰が乗っても嵌まり待ちでしか好走は無い馬には違いないかと。


―ダッシングブレイズ牡7松山56斉藤崇(栗東)
17年マイラーズCや京王杯SCでは不器用な脚の使い方と瞬発力の無さの分でラストだけ良い脚という足りない競馬でした。
それを補えたのが17年エプソムCでの距離1800起用であり、そして外有利馬場での内ガラ空きスムーズ競馬が叶うシチュエーションであり、これまでの鬱憤を晴らすかの様な完勝劇を果たしたという経緯。
やはり広いコースで伸び伸びと走って持続力を生かしてこその馬です。
近走もその条件下ではそれなりにやれて居ますが、類似条件で展開向いても8着だった前走日経新春杯の限りでは馬券内までは遠いだろうと。


△ノーブルマーズ牡6高倉56宮本(栗東)
コノ馬は先行馬でもテンは速くない馬なので、昨年福島民報杯などHペースや距離不足戦だと位置取りを落とすのが常。
前走日経新春杯については、それでも前が崩れる展開になったのでここまで脚を伸ばしてきたが、理想としては先行して有利な展開に持ち込む方です。
昨秋復帰戦以降は調子を落としていましたが叩き3戦目の前走で復調を示してきましたので…それに加えて本来の先行競馬が叶いそうな今回局面ではソロソロ好勝負の頃合いでしょう。


▽ハートレーセン6川田56手塚(美浦)
脚部不安などあってこれまで休み休みでしか使えていない虚弱馬。
前走ディセンバーS前にはそれ以前には無かった馬ナリオンリー調教過程でしたが、連戦で使われる今回も同様の調教過程になっています。
素質としてはここでも上位に位置する馬なのは間違いないですが、6歳を迎えても尚気を遣われた調教パターンしか踏めていない馬がいきなり素質開花の結果があるかと言えば…?


★マカヒキ牡6岩田57友道(栗東)
まずは昨秋始動戦毎日王冠時の有力馬診断を参照↓
『近年の3歳馬の凱旋門賞挑戦はキズナとハープスターの2頭だが、ハープスターは不調に陥っていつの間にか引退で、キズナも成長案外で早々に引退してしまった。

3歳時の凱旋門賞遠征については、「例えば並のダービー馬が居たとして、その馬がダービーを制した3歳春時点で一見とっても強い馬に見えるかも知れませんが、実はその時点でも古馬に混じればOP級なのです。2歳G1馬なら、その時点では古馬の1000万下級なのです。つまりは、古馬になって以降も活躍する為には、誰しもが“大きく成長しなければならない”というのがお分かりになるかと思います」というワケですので、
もしも凱旋門賞遠征による成長の阻害があるとすれば、それが成長期3歳時点であればその影響は決しては小さくは見積もれない代物になるのではないか。

杓子定規に測れるモノではないでしょうが、一番の成長期を別の身を削るコトに費やすワケですから…現に素質馬こそ無理をしないでジックリと育てるというのが競馬界の常識として横たわっている以上、その真反対を施すコトによる後への影響が無いってコトは無いでしょう。

今春のG2三着とG1四着という結果については、道悪京都記念3着だけなら情状酌量できましたが、それなりに条件揃っていた大阪杯でもパフォーマンスを上げられなかったとなれば成長問題が槍玉に挙げるのは当然。
欧州での調教やレース経験によって当時は「馬がパワーアップ」したなんて良い話風に言われていましたが、それへの適合(欧州仕様育成)は逆に日本競馬適性を損ねるコトにも繋がるのは当然だろう(というのは、丁度凱旋門賞が終わったタイミング=サトノダイヤモンドが主に馬場問題により全く通用しなかったタイミングではシックリいく話ではないでしょうか)。
欧州経験の影響か又は母系の血が出てきた影響もあるかも知れないが、3歳春当時のキレキレのマカヒキは今は昔で、大阪杯にてルメールJから「反応が鈍い馬」だと認識されているのはもはや別馬であるというコトではないか。

過去最長の休養=頼みの綱の成長期4歳夏を挟んだ今回は変身=復活できる最後のチャンスになるだろうが、少なくとも昨秋から今春の当馬を見る限りでは3歳春当時の輝きを取り戻すのは難しそうに見えたし、鞍上内田博Jというのも本当に期待されている馬への鞍上配置ではない点で過度な期待は禁物だろう。』

・・・
個人的には予ねてから一貫して3歳時の凱旋門賞挑戦は好みでないという見解…マカヒキの帰国後のレース参戦時には毎回上記の凱旋門賞参戦批判じみたコトを書いてきましたが…本当に日本競馬界の大きな過ち=損失ではないかと思うのです。

一昨年秋は毎日王冠6着・天皇賞秋5着・ジャパンC4着という、着順だけ見ればそこまで悪くない結果。

ただし、その天皇賞秋5着についても、内有利決着を外枠からの唯一健闘馬として評価されている風潮でしたが、それには賛同できません…それこそ『凱旋門賞挑戦による中途半端な欧州化の成れの果て』の通りの半欧州馬だからこその善戦とも言えないでしょうか。

3歳時のマカヒキと言えばキレキレの馬でしたが、毎日王冠でも鈍さを指摘されて、秋天はその鈍さが相対的に武器になる舞台条件での激走でした。

ジャパンCでも欧州馬アイダホと同じような道中位置取りから前後してのゴール入線の4着健闘でした。

3走前札幌記念にしても、こんな上がり掛かる競馬で大味な競馬で通用するレースというのは寧ろ向いていたはずで。そこでは自ずと後方まで下がる競馬をしていましたが、これが並の馬場状態で瞬発力を問われた時には間に合う馬ではないと思います。

2走前天皇賞秋は上記の通り…やはり良馬場高速決着でも足りてくる馬では無いという惨敗でした。
その辺りは、同じく凱旋門賞遠征を経て日本競馬での戦闘力を大幅ダウンしたサトノダイヤモンドとも通じる話だと思われます。

これらをまとめると…つまりは今となっては、開催末期馬場の京都記念こそマカヒキにフィットする条件・レースだろうと。
前走有馬記念は稍重馬場でも完敗でしたが、馬場バイアス的にコース取りも有利ではなかったですし、JC回避しての調整過程も順調とは言えませんでしたので。


★ステイフーリッシュ牡4藤岡佑56矢作(栗東)
△タイムフライヤー牡4和田竜55松田国(栗東)
Hレベル4歳世代牡馬からはこの2頭が出走…共に中山金杯での好走善戦馬となります。

ステイフーリッシュは成長力溢れるステゴ牡駒…3歳秋初戦2戦目は結果を出せませんでしたが、矢作厩舎らしく使い毎に調子を上げてきて、それと藤岡佑介Jの持ち味をフルに引き出す騎乗とも相俟って重賞連対を果たした経緯。
瞬発力に乏しい馬なのでレースの流れ次第・騎乗騎手次第でしょうが、過去ベストパフォーマンス舞台条件且つ当時と同じ藤岡佑介J継続騎乗となれば…当然有力視すべき一頭でしょう。

タイムフライヤーについてはG1ホープフルS馬としての過大評価が続いている近況で、前走中山金杯5着でも復活はまだというよりはこの位の実力の馬という見方が正しい気がします。
その中山金杯では2番人気にまで推されたコト自体が少し驚きでしたが、相変わらずG1馬肩書もあってやや過剰人気し続ける現状はあまり買いたくありません。


★ダンビュライト牡5松若56音無(栗東)
まずは3走前オールカマー時の有力馬診断を参照↓
『3走前大阪杯はコーナーでスムーズさを欠いたのが地味に大きな不利で、2走前香港は馬体減で走れる態勢でなかったのが全て。
前走宝塚記念は距離延長と武豊起用でまともならばと思いましたが、その大阪杯のデジャブの様なコーナーで包まれる形から直線追い切れずという不完全燃焼凡走に…それが無ければ或いはという脚は見せていませんが、こういう小不利が大きく響くタイプだけに結果は結構違ったかも知れません。』
・・・
そういうタイプであるコトは鞍上も百も承知なのですが、逆に言えば他馬鞍上も百も承知というコトです…それでか昨年国内では4戦連続(大阪杯・宝塚記念・オールカマー・チャレンジC)で不本意な窮屈に脚余す騎乗での敗戦続きになっていました。

それに対して前走AJCCは割かし無難な競馬をしての力負けの格好でしたが、但しコノ馬のベストパフォーマンスの一つである昨年AJCC1着時の競馬内容を思えば、こういう無難騎乗ではなくもっと自ら動いて上がり掛かる競馬に持ち込めねばならないと言えると思います。
それがやりたくてもできないのはコノ馬の気性面の危うさなのかも知れませんが、手替わり且つ直線では内外に大きく馬群がバラけること必至のココはその絶好機であるはずで…変わるなら今回だろう。

極端な脚質の馬が多く、個性派揃いの好メンバー。
あえて重賞ではなくこのレースを選んだということは…?
洛陽Sの有力馬診断はこちら!