キムラヨウヘイ 函館SSの有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△ティーハーフ 牡8 国分優 57 栗東 西浦
まずは前走鞍馬S12人1着時の◎推奨見解(抜粋)を参照↓

『(中略)よって、このコースに於いては邪道とも言える外枠差し馬狙いで◎ティーハーフ

コノ馬の好走凡走リズムの一つには季節要因があり、寒い季節に不振を重ねて、暖かい季節に復調好走を見せるという傾向が認められる。

3歳秋冬&4歳冬に5連続凡走→5歳春初戦から5連続好走
5歳秋冬に3連続大敗→6歳春2戦目で高松宮記念6着プチ激走から諸々噛み合わず好走こそできなかったものの見せ場ある走りを連続
6歳秋冬も季節に比例してパフォーマンスを落として、7歳春初戦で高松宮記念4着激走から5連続善戦
そして昨季に当たる7歳秋冬シーズンを3連続大敗
・・・というココまでの経緯。

その近3走を見ると負け過ぎなのですが、これまで毎年の様に二桁着順から翌春シーズンにはG1善戦する様な変わり身を見せてきた馬なのです。

昨年鞍馬Sでも17頭立て7枠大外回し競馬で3着まで0.1秒差5着まで食い込んで来ました。
本年はそれよりも頭数減あり、差し利くシチュエーションであり、キチンと逃げ先行馬も揃っています。
コノ馬が走れる状態にさえあれば、ココでも馬券内を狙えるだけの馬だと見ます。

春初戦変わり身ケースと2戦目変わり身ケースがあるので無難なのは叩いた次なのでしょうが・・・そこは割り切って先物買いのココで◎推奨します。』
・・・

前年春夏シーズンは「高松宮記念4着→OP4着→OP5着→OP3着→重賞4着」というOP特別級ならば全然評価に値する戦績を残しており、そしてそれ以降の秋冬シーズンは「OP13着→重賞18着→重賞13着」という一転低迷戦績でした。

その後者低迷戦績を引き摺る形で春初戦を12番人気という人気薄で迎えたワケですが、この馬は典型的な夏馬だという視点で見れば、つまりは季節馬フィルターを通れば“秋冬低迷戦績は目隠し”で見れば…誰でも全然買えただろう戦績馬でした。

ティーハーフは3歳シーズンから前年7歳シーズンまで、例外無く“春夏好調→秋冬低迷→→春夏好調…”という凹凸戦績を辿って来た確度相当高い季節馬だったワケですが、私が見た限りでは世間一般ではその様な捉われ方・扱われ方は全くされていませんでした…こういうオイシイ馬が季節馬にはザクザクあるという印象です。

その鞍馬Sは自身本領発揮と共に展開の助けもあっての激走でしたが…上記の春夏戦績の通り展開一つでいつでも食い込めるパフォーマンスは常に・連続でしてきているのがティーハーフという馬です。

この脚質なりのリスクはある馬ですが、人気薄激走後で多少フロック視もされて妙味残るだろう今回タイミングでも買い時は残っているはずです。


―ノボバカラ 牡6 武藤 57 美北 天間
個人的にはダート千四で狙い澄ましている一頭なのですが、オーナーサイド要請での芝起用が続いている近況。
それは昨年の函館SSで上がり最速7着僅差善戦したのが全ての始まりでした。
前々走高松宮記念もそうですが、後方から着拾いして見栄え良い着順が得られただけの話なのに…それを“強い競馬”だったと持て囃した時計馬鹿のせいでこんなせいに…。


▽ジューヌエコール 牝4 北村友 54 栗東 安田隆
昨年函館SSは超高速馬場化に伴る超速レコード決着に…それを味方にできるのは誰なのかと言えばやはり斤量が軽い馬が有利になるワケで…それにドンピシャ乗っかっての1着となったのが唯一3歳牝馬で斤量50のジューヌエコールだったという決着でした。

それ以降は端的に言えば一頓挫あってから状態面が整わずでの敗戦続きで、前々走オーシャンS時にも『函館SS時までは状態戻らない』『次に繋がる競馬を』などの投げやり状況でした。

その背景の一つとしては気候面…どうも暖かい時期にならないと状態が上がらないとの話も出ています。
その点では季節替わりで上昇を見込みたいのですが、昨年とは違って本年の函館の気候は全く暖かくないのでそれで本当に変われるのか…?

そして、そもそも昨年激走は斤量利も大きかったはずですから、当時よりも1ミリも成長を見せていない戦績で・本年は並斤量を背負わされて・そして人気の一角に祭り上げられるとすれば…ちょっと期待先行に思える一頭です。


▽ライトフェアリー 牝6 柴山 54 美北 石毛
これも他馬を気にする面がある馬でスンナリ競馬が好走への前提条件となる。
実際に中央での全7好走中6好走が外枠で、もう1好走は中枠からの逃げの手だった。
近2走は外枠からの楽にスンナリ2番手に持ち込めたモノでした。
この函館SSは開幕週高速馬場での前での位置取り争いも激しくなるレースですから、そう簡単には楽な戦いは望めません。


△ナックビーナス 牝5 三浦 54 美北 杉浦
まずは前走高松宮記念3着時の有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬は常々“距離1200で内(イン)で競馬をすればパーフェクト戦績”と書いてきました…それには非内(非イン)の競馬をするとすぐ気を抜きがちで力を出し切る競馬が難しいからなのですが、その意味で近2走は共に痛恨の7枠からの競馬で決して真面目に走り切った競馬では無かったと思います…それでも僅差入線は偏にコノ馬の地力によるモノであると。
そういうタイプだけに常に1着は遠いワケですので、コノ馬にとって2着好走というのは勝ちに等しい競馬はしているというコトになります。
その着差0.1秒差内の2着3着はこれで実に近1年で5度目にも…そんなコノ馬の惜敗力は相手関係が手強くなってこそ妙味・魅力を見出せてくる要素と言えるでしょう…全力を出し切らずにOP特別&G3レースで2着3着を量産という経緯…それならば仮にG1レベルにまで相手強化されても、それ以前の格下戦と案外遜色無い好着順結果を残せるという可能性はアリと言えるのではないでしょうか。』
・・・
前走高松宮記念は全体で見れば内(イン)の競馬ではありませんでしたが、それと同等の効力を発揮する競馬の形…長い直線丸々全てを勝ち馬ファインニードルの内で併せ馬に持ち込めた競馬の形が最たる好走要因と言えるでしょう。

それは偶然の産物ではなく三浦Jの意図ある判断でした…もしもファインニードルが勝ち馬ではなく垂れる馬だったならば例の如く外で一人ぼっちの形で垂れていたはずですから、今回は三浦Jが低い確率でしか手にできない正解を見事引いたという好判断の賜物=お手柄騎乗として称賛すべきでしょう。

その高松宮記念3着で大人気となる今回については…もうお分かりかと思いますがG1でもG3でもOP特別でも0.1秒差(2~3着)というのが定位置で、それよりももう一つ上の着順に持って行くのは相当至難であるという馬です…相手弱化戦ならば頭馬券を嫌って妙味でしょうし、また三浦Jが馬の特性を引き出すコトに集中するとなると渋滞ドン詰まりと隣り合わせというのも函館SSというレースでもあります。


★ワンスインナムーン 牝5 石橋脩 54 美南 斎藤誠
前走は完全外枠外差し決着に対して、内枠先行から結果を出せなかった内容…それはバイアス的に困難な戦法だったのと、そもそもスプリント指向強い馬だけにスローペースからの瞬発戦となっては持ち味殺される形だったという側面もあるでしょう。
前々走は遠征競馬で大幅馬体減を起こしてまともに走れる状態ではなかったという敗戦。
帰国後2戦目で、距離千二戻りで、スピード生かせる開幕週馬場条件…ココは言い訳できぬ場面として巻き返してくる可能性十分と見ます。



━━━(前編)はこちらに掲載しています。

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