キムラヨウヘイ 天皇賞(秋)の有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

△コントレイル 牡4 福永 58 矢作(栗東)
まずは前走大阪杯時の有力馬診断を参照↓
『前走ジャパンカップは菊花賞からのローテがキツかったのもあるでしょうが、不利な競馬を強いられての3着デアリングタクトや5着グローリーヴェイズよりも僅かにパフォーマンスは低かったと見ています。
そして、そのジャパンC後には「コントレイルとデアリングタクトはこのほぼ3歳12月の時期の古馬との斤量差2キロという有利設定であった点は注意ですが(これから短い期間の間に古馬との斤量差2キロ分の成長をしなければ同等の活躍はできない)、コントレイルは3歳からG1戦線で活躍したディープ産駒で古馬になっても同等の活躍をできた例はレアケースという成長力の壁を乗り越えられるのか否かは大きなポイントに。直近だと有馬記念馬のサトノダイヤモンドやブラストワンピースの活躍が長続きしなかったこともありましたが、それ以上に早熟血統の嫌いあるコントレイルは決して安泰とは言えないと思っています。」とも指摘しましたが、現状だとやや過大評価されており尚且つ3歳秋時点からのノビシロについては必ずしも信頼できないブラックボックスなだけに…これが単勝1倍台ならば他から入りたいです。』
・・・
現4歳世代の頂点を極めたコントレイルとデアリングタクトは共に今年に入ってから案外な結果となっています。
共に昨年ジャパンカップ好走で並のG1ならば好走できる地力は証明済みですが(決して弱い馬ではありませんが)、そこから古馬になっても同等の活躍をするためには成長力(3歳秋→4歳春では斤量2キロ増なのでそれを上回る成長をできないと同等の活躍はできない)を見せる必要があり…特にそれを乗り越えられない例が多いディープインパクト産駒という点でも黄色信号が灯っている状況に思えます。
前走大阪杯は極端な馬場だったので真相は断定できない部分もありますが、その分でまだ世間から見限られずに大人気する今回は自論の通り下げ評価の方向です。


△カレンブーケドール 牝5 戸崎 56 国枝(美浦)

・・・
国枝厩舎の勝負調教はコース追いで、坂路調教時は難かしらのワケを抱えているケースがメインで、毎年の様に回収率でも好走率でも前者が後者を圧倒しています。

~国枝厩舎の最終追い切り調教場別の成績~
2021年重賞(秋華賞週終了時点)
坂路[0-1-1-6]「複勝率25%/複勝回収率45.7%(320)」
ウッド[4-5-2-16]「複勝率41%・複勝回収率78.8%(2130)」

2020年重賞
坂路[1-1-0-12](複勝率18%/複勝回収率20%)
ウッド[3-6-2-11](複勝率50%/複勝回収率95%)

2019年重賞
坂路[1-1-1-4](複勝率42.8%/複勝回収率71.4%)
ウッド[2-4-3-15](複勝率38.4%/複勝回収率140%)
その他(芝ダ)[1-0-0-5](複勝25%/複勝回収率96.7%)

2018年重賞
坂路[2-0-0-6](複勝率25%/複勝回収率31.3%)
ウッド[5-3-2-12](複勝率45.5%/複勝回収率240.5%)
その他(芝ダ)[0-0-0-1](複勝率0%/複勝回収率0%)

数字だけ見れば坂路調教馬もそれなりに走っていますが、それはアーモンドアイとミッキーグローリーとカレンブーケドールで、好走しているとしても基本的には人気通りに走っただけで、その前後でウッド追い切り時の方が高いパフォーマンスで走れていました。

カレンブーケドールも、蹄不安なくウッドコースでバリバリやれている時にパフォーマンス高く、蹄不安も考慮して坂路コース(国枝厩舎の非勝負調教)で調教をせざるを得ない場合には一番高いパフォーマンスは出せていないという結果になっています。

陣営曰く昨秋シーズンについては何かあってはいけないので万全を期しての坂路調教との話でしたが、今春も日経賞前に一時ウッドコース追い切りを解禁した後に坂路オンリーに戻してパフォーマンスを伸ばせなかった経緯でした。
引き続き坂路オンリーの仕上げにとどまっている今回も大仕事は期待できないだろう。


★グランアレグリア 牝5 ルメール 56 藤沢和(美浦)

・・・
藤沢和厩舎の馬が極端に芝道悪条件を苦にしているというのは何度も記してきた話ですが、実際に2005年以降では芝重不良の重賞で連対したのはグランアレグリア1頭のみで、そのグランアレグリアにしてもルールの不備で2着になっただけで本来ならば4着だったというのが正当な結果です。
そして3走前大阪杯もその高松宮記念の比でないまともな道悪でまたしても4着止まりでした。それらは共に馬場状態が全ての敗戦だったと処理して良いでしょう。
その後のヴィクトリアマイル1着・安田記念2着は共に良馬場で素晴らしいパフォーマンスを見せていましたので、厩舎特性通り良馬場でさえあれば堅い馬と見做すことができるはずです。

また、管理する藤沢和雄厩舎は現役最多の天皇賞秋6勝を挙げていて、天皇賞秋マニア若しくは天皇賞秋ハンターと言っても過言ではない厩舎です。
過去にもそれまで振るわなかった馬が、いきなり天皇賞秋で激変する例もあるなど、天皇賞秋の勝ち方を知っているし、また天皇賞秋に対する意気込みは随一の厩舎だと考えられます。
来年2月に定年を迎えますので今回が最後の天皇賞秋挑戦となり、そこで送り出すのがこのグランアレグリア。昨年の同じ時期は短距離のレースを走っていたのが厩舎の意向もあって今年は中距離のレースに挑戦しているのも勝算もあってのこそでしょうし、厩舎の集大成を飾る様な走りを期待します。


▽ヒシイグアス 牡5 松山 58 堀(美浦)
堀厩舎の特徴として輸送競馬でパフォーマンスを落とす馬が非常に多いというのがあります。
同馬もこれまで馬券を外したのはスプリングS5着とラジオNIKKEI賞9着の2戦ですが、前者はバイアス不利のコース取りをした分の敗戦で日本競馬適性△ミナリク騎手でなければ好走したはずのレースで、後者はその曰く付きの遠征競馬でのモノでした。
それらのワケ有り敗戦を除けばオール連対で未だ底を見せていないというのは不気味な要素で、堀厩舎が得意として休み明け初戦ローテ&地元東京競馬ならば怖さは秘める一頭と見ます。


―モズベッロ 牡5 池添 58 森田(栗東)
この馬のポイントは2点あって、ディープブリランテ産駒らしく気性的に距離短縮ローテが良いというのと、どうしてもモタれるので大味な差し方しかできないので外差し馬場じゃないと威力半減という点です。
〇距離短縮[2-2-1-1]>△同距離[0-1-0-2]>△距離延長[2-1-0-7]
3走前大阪杯は距離短縮と外有利馬場で2着、2走前宝塚記念は距離延長と非外有利馬場で8着止まり、前走京都大賞典はそもそも走れる状態ではなかったこともあるでしょうが距離延長で大敗。
今回は距離短縮ローテと左回り替わりはプラスですが、1週前調教は回避して土曜に調教するなど変則的な調教過程になっている通り、京都大賞典大敗が尾を引いている状態にも見られますので…よほど最終追い切りで上向きが確認できない限りは軽視。


―トーセンスーリヤ 牡6 横山和 58 小野次(美浦)
2走前函館記念時の有力馬診断では『…順調に使えずに長欠明け初戦で坂路調教だった中山記念、超内有利馬場で外を通った福島民報杯では案外なパフォーマンスでしたが、ようやくまともなレースができた前走新潟大賞典では4着と復調を示してきました。そこから一息入りましたがウッドコースでバリバリやれている調教過程は好感で、過去3戦3連対の実績ある函館コースも合いそうなだけに…有力候補。』と記しましたが、前走新潟記念でも中間追い切りは全てウッドコースで消化しており、それが今年に入ってからのパフォーマンス右肩上がりに繋がった感です。
今回もその勢いが継続なら怖さありましたが、毎日王冠出走予定を回避する順調さを欠いたローテで、調教本数も少ない休み明けローテで挑むという点でどうか。


―カデナ 牡7 田辺 58 中竹(栗東)
まずは2走前宝塚記念6着後の次走チェック見解を参照↓
『モズベッロ程ではないですが、コノ馬もこの中間に調教気配が大分上向いてきて、最終追い切りでは久々に51秒台を叩き出してきました。今回は着拾い競馬が功を奏しての6着ではありましたが、それと共に復調していたという背景もあった印象で…今の状態で得意の平坦小回り良馬場条件に向かえれば一変あっても。』
・・・
その通り当時の状態であればまだ楽しみある馬だと思いますが、今期初戦の毎日王冠では春と比べて調教で全く動けずに、実戦でも残念な結果に終わりました。
もしも最終追い切り大阪杯時の坂路51.0-13.0や安田記念時の坂路52.0-12.5に匹敵する様な時計を出してくるならば少し見直したいですが、現状ではまだ復調に戸惑ってそうで…。


―ラストドラフト 牡5 三浦 58 戸田(美浦)
昨年も秋復帰戦のケフェウスSでは熱中症の症状を見せて凡走しましたが、これまでの良績は冬場のみという馬です。
前走毎日王冠もちょうどその日までは暖かい気候で走れずという結果で、そこから一気に冬に近付いている気候面からは変わり身は見込めますが…そうだとしても距離二千のG1級で通用する能力面は見出せません。

プロファイラーは激走/凡走のタイミングを見抜けるか!?
スワンSの有力馬診断はこちらから!

【ブログご案内】
http://blog.livedoor.jp/sguw/
宜しければブログの方も上記リンクから飛んでご覧下さいm(__)m