キムラヨウヘイ 安田記念の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽キャンベルジュニア 牡6 石橋脩 58 美北 堀
昨年ダービー卿CT回顧では『今回は勝負の中1週ローテで挑んできた。グレーターロンドンの回避によって出走に傾いたとの話で、最終追い切りは異例の木曜追いというリスキーな選択。それが結果にどう響いたのかを読み取るのは難しいが、そういう確かなマイナス材料あった中での2着確保は立派』と書きましたが、結果的にはその無理が祟ったのか京王杯SCは調子落ち、秋のスワンSでも阪神カップでも物足りない調教過程になっていました。

そこから長い時を経て調教過程時点から立ち直りを見せたのが前々走ダービー卿CT2着でした。

条件戦時代の良績も間隔を空けた場面に集中で、昨年も中1週使い後に不振に陥っている通り、状態面を維持するのにそれなりに注文付く馬です…前々走と前走はそれなりに間隔空いたローテで連続好調維持で連続好走を果たしましたが、その京王杯SCで賞金上積みをして挑むコトとなった今回安田記念はそういう配慮ローテではありません。

実際に昨年はそれで失敗していますし、過去に遡っても叩き数戦には耐えられていない馬なので…そんな今回は重視はしたくないです。


▽ウインガニオン 牡6 津村 58 栗東 西園
コノ馬は夏場しか走れないというのと、左回りしか走れないというのが二大特徴。
3歳時にも4歳時にも5歳時にも春夏に連勝・連続好走を決めており、逆に言えばそれ以外では一つも走れていないという分かり易過ぎる戦績…夏付近且つ左回りでは過去9戦8好走という驚異的な数字です。

3走前マイルCS・前々走京都金杯の連続凡走については上記に2大苦手条件(冬・右)に該当していたのと、どちらもHペース先行競馬という厳しい競馬をした分の止む無し大敗でした。

そして一昨年と昨年は春2戦目から変わり身を見せているので、本年も春初戦京王杯SCこそやや物足りない結果に終わりましたが、2戦目のココは本領発揮が見込まれる場面だと言えそうです。

ただし、コレが中京記念とかならば◎候補だったのですが、流石にG1安田記念の相手関係なので…そしてこの脚質というのも厳しいので…。


△ムーンクエイク セン5 ルメール? 58 美北 藤沢和
京王杯SCの次走特注馬として以下の通り書きました↓
『前走洛陽Sは日本中央競馬非通用バルジュー騎乗が最たる敗因=馬を制御できずのワケ有り凡走。
バルジューJはその週に与えられた大チャンス=レイデオロ&ムーンクエイクを残念騎乗で飛ばしたコトで、その後は寂しい来日期間を送るコトになりました。
ただ、バルジューが下手というよりは、それと同等にルメールが上手いというのも真理で…実際にムーンクエイクの全勝ち鞍はルメールの手によるモノで、バルジューでなくともルメール以外の騎手ではそうなってしまう馬なのかも知れません。
今回京王杯SCはそんなルメールJへの手戻りと距離短縮によって、それでも折り合い面で難しい仕草を見せつつだったものの何とか宥めての勝利でした。

次走は安田記念参戦が有力とされていますが、やはりそこでもルメール騎乗が叶うか否かが最大のポイントになるでしょう…それについてはタイトルの通りで藤沢厩舎3頭出しの力技によってギリギリそれが叶おうとしているのが現時点の状況です。』
・・・
その出走順19番目モズアスコットは賞金加算して連闘安田記念参戦を視野に前週OP特別に強行出走…結果は僅かクビ差及ばずの2着で出走順逆転できず。
まだ数日ありますので確定ではありませんが、限りなくモズアスコットを弾いてのルメール奪取が現実味を帯びてきました。

仮にそうなった時には、藤沢厩舎がファーストジョッキーであるルメールJを配するのは、サトノアレスでもなくタワーオブロンドンでもなくムーンクエイクという点でも決して無視できぬ存在になってきます(仮にルメールJ以外となった場合には…コノ馬を御せる騎手は残っていないはずなので軽視妥当です)。


▽サトノアレス 牡4 蛯名 58 美北 藤沢和
まず前走京王杯SCでのムーンクエイクにルメールJを、サトノアレスに蛯名Jを配した采配…サトノアレスは里見大オーナーの馬で尚且つ上位人気の馬なので、もしも勝算なり手応えなりがコチラならば素直にルメール起用でもおかしくなかった。
それがコチラに蛯名J起用というのは…それは陣営内でのサトノアレスに対する評価(超一級扱いではない)を表している様に思えます。

前走の蛯名J曰く「次もあるので無理せずに」という騎乗での好走は価値ある結果だと言えますが、コノ馬は距離マイルではイン突き時で良さが出る印象で、前走は距離千四だから粗い競馬でも脚が持った印象で…この距離マイルの最タフレースである安田記念で…蛯名Jの勝ち行く騎乗に耐えられる・更にやれる馬なのかは疑問も。


―タワーオブロンドン 牡3 池添 54 美北 藤沢和
前走NHKマイルCまでの7戦全てでルメールJが騎乗してきた馬…それをルメールJが手放して、尚且つ同厩ムーンクエイクよりも優先されなかったというのは重く見るべき点と思います。
3歳馬の安田記念というとリアルインパクトの一発はありますが、逆に言えばそれだけです。仮に今回がNHKマイルCで完全燃焼して人気通り好走しての安田記念挑戦だとしても、そのNHKマイルC路線というのは所詮はクラシック路線の下にある二流路線のトップ馬に過ぎません。
リアルインパクトはレアケースというか私の感覚ではマグレに近い出来事…常識的にはこの格の馬が春時点で古馬G1通用は無い話です。


―スターオブペルシャ セン5 杉原→内田博 58 美北 藤沢和
藤沢厩舎4頭出し4頭目でG1好走云々を語れる馬ではないかも知れませんが、コノ馬の存在によって有力馬モズアスコットを消耗させて・トップ騎手ルメールJを身内厩舎馬に奪取できたとなれば…その貢献は計り知れないモノだと言えるでしょう。

条件戦時代には詰めが甘い癖があった分で出世遅れた経緯で実質的にはほぼ底を見せていない戦績馬なので怖さはゼロではないのですが、前走谷川岳Sは超Hペース展開と最内枠あって杉原Jでも乗りこなせた結果の1着でしたので。
完璧な騎乗があってやっと俎上に載せられる馬だけに。。


除外対象モズアスコット 牡4 ルメール 58 栗東 矢作
あくまでも除外1番手候補なので、この日曜夕想定段階から木確定段階までに平均1頭弱は何らかあって枠が空くのが相場と考えれば…まだ出走に漕ぎ着けられる可能性は普通にあります。
ただし、早い段階から安田記念を大目標に据えて、その為の賞金不足解消に努めてきた約半年間でした。
それだけ毎度勝負度高いレース出走を経てきて、それでも満足に賞金を稼げていないのは現状の能力面の限界もゼロではありませんし、また(他のG1を大目標に造って挑む馬に対して)場当たりメイチ使いの消耗度もマイナス材料として認めるべきでしょう。
その上で、止むを得ず安田記念の前週のOP特別安土城Sまで使わざるを得ないという予定外ローテを強いられたののも大きなマイナス材料となります。


━━━ (後編) へ続く。

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