キムラヨウヘイ 小倉記念の有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

★ストロングタイタン 牡5 アヴドゥ  栗東 池江寿
コノ馬は毎年寒い季節になると調子を落として、暖かい季節に調子を上げて活躍する傾向ある馬です。
4走前の敗因は大凡それで、3走前についてはHペースを掛かり気味先行逆噴射という残念騎乗が敗因だった。
それが前々走では暖季節2戦目での本調子と、デムーロJの好騎乗あっての一変劇。
ただし、それはデムーロだけの手腕ではなくて、馬の成長についても見逃せない…前シーズンまでのコノ馬はスンナリした競馬でないと走れない気難しい面あったのだが初チークピーシーズ着用も効いたのかこれまでを一新する様なイン突き勝利でした。
前走凡走については、これも3走前都大路Sみたくの掛かり気味のオーバーペース先行が祟った内容でした。
今時季で折り合い付けた先行競馬さえできれば崩れないだろうと…ただし今回の未知数鞍上がティータンJみたいな騎手(折り合い難)だとしたら一転した評価をしなければですが…。


―マイネルサージュ 牡6 和田竜  美北 鹿戸雄
まず気掛かりなのは、札幌記念と両睨みだった分での準備不足もあるのか、美浦から小倉への超長距離直前輸送という点。
小倉記念の過去5年でも同パターンの馬は一頭も居ませんでした。
同じく小倉名物重賞である小倉大賞典では近3年で3頭居ましたが、ウインガナドル6人14着・マイネルハニー3人16着・スマートオリオン16着と散々…特にラフィアン馬にとっては苦い思い出があるパターンです。


条件戦を6連続好走=2連勝で突破して鳴り物入りでOP戦線殴り込みも…期待外れの連続という昨年戦績…そしてそこから復活気配の近況です。
その初戦万葉Sは長丁場で掛かった度外視負けで、3戦目メトロポリタンSも同様に掛かりHペ先行チグハグの度外視負けで、オールカマーは致命的不利受けた度外視負けで、アルゼンチン共和国杯は逃げて脚溜まらずの敗戦で。
それに対してまともに競馬した2戦目日経賞&4戦目目黒記念はG2でバイアス不利の競馬して約1秒差なら悪いとまでは言えない結果で、まともに折り合い難出さずに走れば・・・それを距離短縮で引き出したのが本年3戦だと言えるでしょう。

折り合い重視で後方から行かねば持ち味出ないという馬ですので、上記の距離短縮に加えて、近2走については特にHペース展開も大いに寄与しての本領発揮だと解釈できます。

今回は得意とする荒れ馬場開催ではなく、また近2走程のペース恩恵が見込まれないとすれば…今回はそうも上手く行かないのではないかと見ます。


―メドウラーク 牡7 丸田  栗東 橋田
まずは昨年初の当馬についての見解を参照↓
『3走前ジュライS後に喉の手術してからレース振りが改善されている。
前走はダートなので度外視として、復帰戦の前々走では詰まる所があってラスト300mの競馬で2着まで0.5秒差、今回もモタモタしてラスト1F切ってからの競馬で上がり2位の脚を使って急追7着(3着まで0.2秒差)という結果。
ゴール後の脚色を見ても完全に脚を余しているのが分かるし、調子を取り戻してきたと見て良さそうなパフォーマンス。
喉の問題もあって距離短いマイルで後方からの競馬をされているのだろうが、本質的な適距離の2000m付近に出てくれば間に合う可能性も十分にありそう。』
・・・
その後も距離マイル・良馬場では間に合わずで、極端な重馬場時でのみ間に合ってきたという戦績。
そこで近走の距離マイル高速決着からの、前走の超消耗戦距離二千での巻き返しは極めて理に適っている話…距離延長と雨馬場に加えて、大トビで不器用な脚の使い方のコノ馬が間に合う様な展開になったコトも大きかったワケでした。
その七夕賞は3着に次走準OPでボロ負けするパワーポケットが飛ぶ込むような超が付く特殊馬場と特殊展開レース…良馬場で普通の競馬が見込まれる今回は一転した結果になってもおかしくありません。


―キンショーユキヒメ 牝5 秋山  栗東 中村
まずは昨年マーメイドSの有力馬診断見解を参照↓
『中長距離路線では「牡馬準OPクラス馬=牝馬OPクラス馬」というのはウチがいつも言い続けているコト。
今回の上位人気馬も低調な牝馬OPクラス馬ばかりで、ならば牡馬混合準OPで格好を付けている馬ならば太刀打ち可能…そこにハンデ差も加われば逆転まで視野に入ってくる。

果たしてキンショーユキヒメがそれに当て嵌まるのかどうかですが、限りなく当て嵌まる立ち位置にあると見ます。

3走前まで1000万下条件も勝ちあぐねていましたが、それまで4走連続で致命的に近い不利を受けてのモノで、本来なら1000万下はとっくに勝ち上がっていて良かったはずの馬。

準OP昇級初戦の前走鳥丸SはレースレベルCDのややHレベル戦。5着馬6着馬は次走好走している組み合わせで、それらと僅差の7着ならば十分でしょう。』
・・・
OP昇級後は全て牝馬限定戦に出走…そこで存分と牝馬戦では比較アドバンテージとなるスタミナ適性を武器として戦ってきた馬です。
3走前福島牝馬S1着激走は正にその賜物と言って良いでしょう…そこでの2着以下は次走二桁着順馬が主という相手関係的にも強調できぬ一戦でした。

そこでの勝利のせいで牡馬換算56キロを背負わされるのは酷ですし、能力的にも相対的適性的にも分が悪い戦いを強いられるココで強調できる馬だとは思えません。


―レイホーロマンス 牝5 北村友  栗東 橋田
コノ馬もキンショーユキヒメと同様の指摘ができます…何と言っても牝馬限定戦・中距離以上では異常な好走率を残すハービンジャー牝駒ですから。
その特性を生かしての重賞活躍の今期で、それは牡馬混合戦となれば急激に優位性が萎むと考えられますので。
牝馬限定戦の福島牝馬Sは窮屈で-マーメイドSは詰まりもあったので見直し余地ありますが、牡馬混合戦の七夕賞での敗戦はそれを如実に反映した結果なのではないでしょうか。




━━━(前編)はこちらに掲載しています。