キムラヨウヘイ 小倉記念の有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△アイスストーム牡4武豊54吉村(栗東)
1000万下→準OPで勢いに乗って重賞初挑戦。
その前走垂水Sは超Hペースの差し追い込み決着に恵まれた分もあったが、それでも直線で他の後方勢が一杯に追い出す所でもコノ馬だけは手応え良く進出で、確かに一頭能力が違ったというパフォーマンスだったと見ます。
外回りコースがベターという感もありますが、それでも即通用の器でしょうからそれなりの印は必須。


▽アイスバブル牡4福永55池江寿(栗東)
まず前提として…プリモシーンでは福永騎手を褒めちぎっている様に、決して同騎手に対してネガティブな主観からの見解ではありません。

福永騎手は今もトップクラスの成績を挙げている日本人トップ騎手の一人ですが、その中でも成績を落とすのが前走短期免許外国人騎手騎乗馬です。
≪18年以降芝[前走その他騎手の馬での複勝率45%>前走同騎手の馬での複勝率45%>前走短期免許外国人騎手の馬での複勝率16%]≫
このアイスバブルもモレイラ・アブドゥラ・マーフィーという剛腕中の剛腕外国人騎手5連続起用5連続好走してきた馬ですが、そういう当たりの強い騎乗・強引な騎乗に慣れた馬にとって、一転それとは方向性の異なる福永騎手騎乗というのは良い方向には転ばないのではないかと・・・。


―アウトライアーズ牡5丸田54小島茂(美浦)
気難しいヴィクトワールピサ産駒で何よりも折り合いが鍵になってくる馬。
4走前3走前は小回りコースで道中から馬なりで動く形で能力発揮に至ったが、それとは対照的に直線に向くまでスローペースを我慢しなければならない新潟外回りコース替わりの2走前では案の定先行失速という結果に。
前走七夕賞もマルターズアポジーのHペース逃げと当日の外有利馬場バイアスが相俟って、以下の画像の通り向正面で一番外後方に居た4頭が大逆転で掲示板内に入ってくるという特殊な展開(完全な外差し決着)…それに恵まれての5着は課題評価禁物のパフォーマンス。

能力的にも評価できない上、小回りコースでもそれらよりもペース流れそうにないココではさて?


▽アドマイヤアルバ牡4○○54須貝尚(栗東)
まずは2走前六甲S5人16着時の推奨文を参照↓
『アドマイヤアルバは後の出世馬を多数輩出のHレベル京都新聞杯2着馬であり、Hレベル4歳世代のダービー9着馬。この時点でOP特別に入れば元値は上です。
3走前オクトーバーSはスローペース完全前残り競馬を折合不安から後方に控えるノーチャンス競馬。そこで差し届かずだった3着ワンブレスアウェイ・4着スティッフェリオは共に次走以降重賞制覇で、それとの比較でも上がり最速5着なら強い競馬でした。
2走前京都金杯は距離短縮マイルで折り合えたものの、直線ではノースペースで、脚を余しての4着健闘。
前走白富士Sでは距離延長二千と大外枠で折合欠いての凡走。
近走はイマイチ噛み合わない近況ですが、折り合いさえまともならば、やはりOP特別級ならば勝ち負けできるパフォーマンスは垣間見せています。
距離短縮マイルのココはその絶好機ですし、あとは藤井騎手が捌けさえすれば…好走できるはずです。』
・・・
その2走前六甲Sはスタート出負け躓きの致命的な不利あって、その時点でノーチャンスと言える敗戦でノーカウント視するしかない敗戦でした。
ただし前走谷川岳Sはどうにも擁護できない大敗。
4走前以前の戦績は評価したいですが、3走連続で出遅れやら折り合い難やらで自滅している近況からは手を出し辛くて・・・。


▽カデナ牡5〇〇56中竹(栗東)
2走前福島民報杯は前半3F33.3の超Hペースで後方有利展開、前走巴賞もペースが流れたのとやや外有利馬場バイアスにより外差し有利展開…共にそのバイアスにバッチリで乗っかる形で3着に食い込んだのがカデナ。
母系デピュティミニスターのディープ産駒らしく鈍さが出てきている近況で…高速馬場小倉替わりという観点でももう一丁は無いはず。


―カフェブリッツ牡6藤井54池江寿(栗東)
弱い馬の巣窟である長距離重賞で年始に4着3着しましたが…それは共に条件クラス馬でも好走してしまう様な低調レベル戦でしたので、だけの実績では中距離重賞ではとても足りません。
揉まれ弱い気性でもあって、それ故にスンナリと流れに乗れる長距離レースだと安定するという面もありました…忙しいこの距離では距離適性と気性のダブルの面で宜しくないはずで。


▽クリノヤマトノオー牡5和田竜55高橋忠(栗東)
折り合いが鍵となる馬で外などでスムーズな競馬をすると案外で、内で詰まるくらいの競馬をした時の方が力を出せるという馬。
OP昇級後の4走前3走前は共に痛恨の大外枠で、それでも和田騎手が上手くリカバリーをしての3着4着という結果でした。
2走前新潟大賞典でも外枠条件は不歓迎だったのと、左回りだったせいかモタれつつの不完全燃焼敗戦。前走七夕賞でも大外枠の不運と、外差し馬場を内で競馬した分もあってか伸びきれず。
右回りで久しくの内枠替わりで脚を溜める競馬ならば変わる余地は有。


―シャイニービーム牡7西村淳54羽月(栗東)
米子Sで11人気3着とプチ激走を果たしましたが、その米子Sは大して速いペースでもないのに後続がチンタラ追走して完全前残り決着となったレースでした。そこで展開利を大きく得て冒頭の結果に至ったコノ馬はは普通に考えればOP特別でも足りない馬で。。


▽ストロングタイタン牡6浜中57池江寿(栗東)
昨夏は馬具工夫等により揉まれ弱さ解消パフォーマンスもありましたが、2走前中山金杯では少しそれから間隔が空いたせいか揉まれ弱さが再発…道中捲られて揉まれる形に嫌気を出してここまでの敗戦となってしまいました。
前走七夕賞でも揉まれ好き戸崎騎手騎乗で、馬群内競馬をしてズルズル後退。
得意夏場で揉まれぬ競馬ならば巻き返しあってもおかしくないですが、それにしても1年以上もパフォ更新できていない辺りは終わった馬感も少なからずで。。


▽タニノフランケル牡4松若55角居(栗東)
前走七夕賞はマルターズアポジーのHペース逃げと当日の外有利馬場バイアスが相俟って、通り向正面で一番外後方に居た4頭が大逆転で掲示板内に入ってくるという特殊な展開(完全な外差し決着)…それを内前で粘れず6着タニノフランケルは負けて強しだったと言う人も少なからずでしょうが・・・私はそれは巻き返さないと見ています。

~フランケル産駒の本賞金順ベスト5~
ソウルスターリング(デビューから6連続好走→直近8戦中7戦凡走中)
モズアスコット(デビューから12戦連続4着内善戦→4連続凡走中)
タニノフランケル(デビューから連続凡走なくOP昇級=重賞連続好走→初の2連続大敗中)
ミスエルテ(デビュー2連勝で3戦目G1四着善戦→8連続凡走中)
シグナライズ(デビュー4連続好走→11連続凡走中)
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直近で言えばマイラーズCモズアスコットが「フランケルの血が出てきたせいかテンションのスイッチが入りやすく」との気性難噴出で惨敗を喫しましたが、上記のネームを見れば一目瞭然で同産駒の全有望馬が「連戦連続好走街道→連戦連続惨敗街道」の戦績になっています。
これにはフランケル産駒としてのプッツン(気性的な限界)を指摘せざるを得ません。

ただし、それに陥っている馬でもそれなりに走れるというのが何も考えずに走れてしまうHペース競馬で、例えばソウルスターリングも不振以降で善戦したのは誰かの馬鹿逃げペースだった昨年クイーンSと本年VMというHペース戦でした。
モズアスコットの本年安田記念6着、シグナライズの初距離千二起用4着もそれと同じメカニズムです。

タニノフランケルにしても、その前走七夕賞ではスタート直後から最後まで舌を出して気難しさを見せての走りとなっており、果たして次走常識的な競馬・これまでの安定したパフォーマンスを繰り出せる心身状態であるのかは否であると見ます。
それよりもペースや展開が楽になったからと言って素直にパフォを上げてくるとは限らないはず…3連続も凡走したフランケル産駒は追い掛けたくないです。


▽ノーブルマーズ牡6高倉56宮本(栗東)
まずは2走前鳴尾記念後の次走チェック馬見解を参照↓
『コノ馬は先行馬でもテンは速くない馬なので、昨年福島民報杯などHペースや距離不足戦だと位置取りを落とすのが常(そこから差してくるキレる脚は無い)。
前走鳴尾記念はそれ以来の距離二千戦で案の定先行できずに5番手追走から位置取りを守るだけで5位入線という結果に。
また叩き良化型の休み明け初戦という面でも情状酌量できる敗戦で、この先に距離を延ばしての先行競馬実現時に活路アリ。』
・・・
前走宝塚杵も非常に勿体ない競馬…スタート直後の情勢では(馬場が合う分で)絶好位3番手を確保できそうな情勢でしたが、その後の鞍上に危機管理不足で8枠の外国人騎手2騎に前に入られて一気に位置取りを落とす形に(例の如く伸びずバテずの入線)…最も格下騎手が乗っているので別に誰も何も言わないですが、もしこれが上位人気の上位騎手の騎乗ならば結構槍玉に挙がっているはず。
今回も同鞍上で距離二千ならばこれが続きそうですし、鞍上強化か距離延長先行競馬でない限りは一発までは望み薄で・・・。


★メールドグラース牡4川田57.5清水久(栗東)
前走鳴尾記念では単純に能力が上だったという結果。2走前新潟大賞典では外有利馬場などの条件が向いた結果でもありましたが、それでも『1着馬と3着馬はそういうのも味方に付けての激走で、とはいえどもメールドグラースの力強い末脚はG3級では留まらないだろう魅力も持てます』と記した通り、逆に展開不利だった方の前走でも力の違いを見せてきました。
直近の連勝は川田騎手とレーン騎手の手によるモノ…動かすには鞍上の力も必要そうな持続型ルーラー産駒なのでこの先の鞍上タイプには注視が必要ですが、その川田騎手手戻りならば嫌えません。
あとは4戦3凡走の雨馬場ではなく、12戦12好走の良馬場でさえあれば。


―レトロロック牡7松山55角居(栗東)
昨夏小倉日経OPはレースレベルEで、昨年施行古馬OP特別の中でも最低レベル級のOP特別レースでした。それに加えてレトロロックは無類の小倉巧者で、レースレベル的にも舞台条件的にも相当なお膳立てあってのOP勝利でした。
それ以降も重賞で5番人気&6番人気とそれなりに人気に推されたコト自体が驚きと言えるくらいに弱い馬で、その大得意小倉コースというのはプラスですがそれでも全然足りない馬だと思います。

昨年はグリムに◎。今年も真の実力馬を見抜けるか?
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