キムラヨウヘイ 東京新聞杯の有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△グレーターロンドン 牡6 川田 56 美南 大竹
コノ馬は虚弱体質で、これまで休み休みのレース起用ばかりで、4走前安田記念時にも直前まで回避可能性を示唆していた程…それにも関わらず初G1挑戦で4着激走の様に持っている素質は相当高いレベルにあるというのは言わずもがな。

そんな中で唯一強行スケジュール戦だった天皇賞秋…毎日王冠からの中2週ハードローテで、「馬房で横になっている時間が多くなった」「カイ食いが細くなった」という状態ネガティブ情報も噴出しており、やはり結果的には無理な出走だったというコトだろう(凡走については度外視して良いだろう)。

その前後の毎日王冠・ディセンバーSでは負けて強しの競馬をしていますし、中6週ローテならばその再現・本領発揮の期待ができます。

これもクルーガー同様に、いやそれ以上に極端な脚質という点で東京新聞杯好走タイプでは無い点をどう展開読みして評価するのかだけでしょう。


―カデナ 牡4 福永 56 栗東 中竹
成長力に乏しいとの評価が妥当なディープインパクト牡駒…それの2歳時代快進撃馬で、3歳春以降は殆どゼロ実績であるのがカデナです。
3走前神戸新聞杯は仕上げも甘かったですし距離の壁があったという敗戦で、前々走菊花賞は極悪馬場で何もできなかったという敗戦で、前走中山金杯は福永J曰く距離二千すら今では長いコトを第一敗因として挙げていました。

その前の勝負をしに行って負けた皐月賞・後方展開不利ダービーも含めてしょうがない敗戦が続いているのですが、だからと言って現時点での能力は未知数としか言えません…そして、それ(未知なる成長力)については必ずしも肯定的な見方ができる様な背景馬ではありません。

距離短縮と急坂中山から東京コース替わりはポジティブに捉えられますが、だからと言って激変までは考え辛いです。


★ダイワキャグニー 牡4 横山典 56 美南 菊沢
まずは中山金杯時の有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬については[弥生賞・プリンシパルS・ダービー・毎日王冠]まで全て対抗以上の印を打っています通り、個人的には相当高評価している未完の大器です。
未完ですので歯車が噛み合わなかった弥生賞とダービーでは大きく沈みましたが、プリンシパルSでの楽勝劇&毎日王冠での追い出し遅れながらの惜敗パフォーマンス的に能力は間違いありません。

ただし、ココに来ての横方向への馬体成長と、前走キャピタルSでのパフォーマンスを見る限りでは、距離適性的にはマイルの方に傾いている可能性があります。

そして何よりもの課題は右回り…今回と同条件の弥生賞では右回り小回り不得手の一点の理由で9着に敗れています。
ココは弱点克服の敢えての不得手条件挑戦と見ますが、まあその弱点露呈リスクは小さくないかと…。』
・・・
結果的には中山金杯ではその弱点露呈の分での敗戦を言い切って良いでしょう。
再び前々走で完勝した舞台条件に戻るココならば、前走敗戦は何事も無かったかの様に巻き返せて然るべき一頭と見ます。
適鞍G1である安田記念のスタートラインに立つ為には、何としてでもココで勝利を収めないと除外的な意味で相当厳しくなるはずですから、まあ横山典Jならそんな目先に捉われて騎乗を変えたりはしないでしょうが。


▽ダノンプラチナ 牡6 田辺 56 美北 国枝
2歳朝日杯FS勝利~3歳香港G1健闘(詰まらなければ好走)までは間違いなく国内トップマイラーとしての実力を有していた一頭と思いますが、その後の一進一退の歩みを見る限りでは結論としてはその時を取り戻すのは困難なのだと思います。

今期は初戦キャピタルSでは坂路オンリー調教で凡走で、2戦目ニューイヤーSでは本来のコース追いを取り入れて好走…そこから中2週と一見すると遂に順調に使える時が来たのかとも思えます。
しかし、結果的には3歳時以降で間隔詰められたケースでは凡走と出走取消と結果で応えられていないワケですし、そんなトントン拍子の歩みが今更有り得るのかという視点でも見るべきと思います。
前走ニューイヤーSは結構な低レベル戦で勝利の価値は微妙ですし、主戦として乗り続けてきた蛯名Jを押さえていないという点でもこの先に適鞍が無いからの突貫的な参戦にも見えてしまいます。


▽ディバインコード 牡4 北村宏 56 美北 栗田博
これまでの全3勝は距離1400と中山1600で挙げたモノで、外回りマイルや東京1400では勝ち切れずの戦績になっている。
今回同様の外回りマイルコースでは一本調子に先行して、直線に入って追い出すと頭が上がって決め手とは程遠いジリ脚になって…やはりそれで長い直線勝負を粘り切るコトはできないというレース振りが続く。
そんなココでは相手ナリにそれなりには走れるかも知れないが、激走というシーンは想像し辛い。


―ハクサンルドルフ 牡5 戸崎 56 栗東 西園
準OPクラスでは大関級の強さあった馬で、ようやっとのOPクラス昇級は遅すぎた印象。
それだけにOPクラスでも即通用を見込みたい能力馬なのですが…その近走準OP戦では軒並みスローの差し競馬で、どうもペースが速くなる方が追走力不足で厳しくなるという戦績になっています。
寧ろ距離マイル超の方が良さそうですし、距離マイル重賞のペース対応には結構疑問アリです。

━━━(前編)はこちらに掲載しています。