キムラヨウヘイ 根岸Sの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽キタサンミカヅキ牡9森泰58佐藤賢(船橋)
「コース適性?(瞬発力?)」
まず前提として、東京ダート1400上級クラス戦(特に根岸S)というは瞬発力がモノを言う条件で、故にこの根岸Sでは差し追い込み馬が有利というレース傾向となっています。
(たまにHペースだから差しが決まる説もよく言われますが、寧ろ他場ダートよりもHペースにならないのが東京ダートなので、それはちゃんちゃらおかしい戯言です。)

つまり、狙うべきは“直線瞬発力に秀でている差し脚質馬”となります。

キタサンミカヅキは地方転出で結果を出した通り、パワーに秀でている馬で、また高齢9歳馬ですから、上がり脚・瞬発力の部分では見劣りするタイプです。
実際にそれが問われる東京ダ千四千六では8戦未勝利で、中央在籍時代にも中山ダ千二を庭としていた様な馬です…今回条件で力を出せる馬ではないでしょう。


―サイタスリーレッド牡6○○56池添兼(栗東)
「コース適性?(瞬発力?)・スンナリ系」
揉まれ弱いタイプで逃げ戦法が理想で、最低でもスンナリ2~3番手の競馬でないと無理という馬。
その形での強さは前々走カペラS2着の通り侮れませんが、キタサンミカヅキの欄で書いた通り今回根岸Sで問われる能力はソレではありませんので・・・。


△マテラスカイ牡5武豊57森(栗東)
「コース適性?(瞬発力?)」
OP昇級後は“圧勝1着→4着凡走→負けて強し2着→5着凡走”で、プロキオンS圧勝1着は高速馬場且つ内有利馬場でのHペース逃げ切りで、JBCスプリント負けて強し2着もHペース逃げ競馬残りでした。
そういうスピードを前面に出す競馬での強さは現役最強級かも知れませんが、今回の舞台条件ではそれよりも末の良さが問われる条件です。
それでも自分の競馬に徹して能力だけで善戦以上には持ち込めるだけの力はありそうですが、適性論から言えばココじゃない感は強い馬です。


―サトノファンタシー牡6岩田56松田国(栗東)
前走霜月Sはコウエイエンブレム&サクセスエナジーがHペースで飛ばして行く展開で、それらと距離を置いてのイン5番手は絶好位置取りだった感…それでの勝利結果では重賞では足りない計算で。


―ケイアイノーテック牡4藤岡佑58平田(栗東)
「距離千四?・ダート適性?」
コノ馬はNHKマイルCのレース振りみたく助走距離が欲しいタイプの差し馬で、前走阪神カップでも初距離千四を忙しそうにして全く届かずのレース振りでした。それを見る限りでは距離千四適性には疑問アリです。

それよりもダートがあるのか否かが全ての局面でしょうが・・・
母ケイアイガーベラがダート馬だったからとダ適性期待票が多い様ですが…実際には母ダ出身著名馬のディープ産駒はアゼリ仔やドバイマジェスティ仔など大勢居ながらも、現状はダ短距離出世馬は皆無という事実の方が重いでしょう。
ケイアイガーベラが国内で知名度あるダート馬だったせいでのニワカ過剰人気には飛びつきたくない。


▽コパノキッキングセン4マーフィ56村山(栗東)
「スンナリ系×ダート×マーフィーJ=△」
前々走オータムリーフSでは砂を被って手応えを悪くするシーンもあった分での辛勝。
前走カペラSは思い切った後方競馬からの大外回しで完勝。
血統的にもやはり逃げるか外追い込むかスンナリした形が理想でしょうし、逆に言えば内の無難な位置取りでの揉まれ込む競馬が最悪でしょう。

それは地味に難易度が高い競馬であるはずで、日本ダート競馬に不慣れなマーフィーJでどうかという面があります。
確かに字面の成績だけ見ればマーフィーJは短期免許騎手としては珍しくダートで好成績を挙げていますが、それは兎にも角にも質量共に積極的な騎乗の賜物(先行時好走率56%)です。
実際ダートで差しに回った際には好走率16%と低調で、短期免許騎手の通例に漏れず日本競馬ならではのダート差し戦法を会得はしていません。

また砂を被ると嫌がるタイプで、一桁馬番を引いた際にはこれまで[0-0-0-5]で、やはりまだ不慣れ感は否めません。

スンナリとした形で差して来ないと力を出せないコパノキッキングに、その形での良績乏しいマーフィーJのコンビは果たして・・・。


▽メイショウウタゲ牡8酒井学56安達(栗東)
「枠順次第」
コノ馬は気を抜く面とピッチ走法での俊敏な一瞬脚の持ち主で、本領発揮はインで上手く一瞬脚と集中力を引き出す形。
直近での2激走(前々走&3走前)も極端内枠からの競馬だった。
前走武蔵野S外枠凡走後の極端内枠替わりでもなれば魅力はゼロではありませんが…でも嵌まったとしてもやや能力不足ではある。


△モーニン牡7和田竜58石坂正(栗東)
「スンナリ系」
ダートでは揉まれず逃げるか外差しでしか結果を出せなくなっていたという気難しい馬。
前走JBCスプリント好走は理想外枠競馬で、前々走コリアスプリント好走はスタート後に真っ直ぐ走らなければならない独自ルールと相手超弱戦故に揉まれずの競馬で、4走前コーラルS好走も理想外枠競馬でした。
ココも外枠ならば押さえ、内枠ならば消しの呼吸で。


△ユラノト牡5ルメール56松田国(栗東)
「状態〇・適性〇」
前走武蔵野S4着後には福永Jは急仕上げだったと敗因を述べていましたが、実際に武蔵野S出走が決まった(予定を早めた)のは最近で調教過程的にも見るからに急仕上げ過程でした…その分での4着止まりとも見られます。
前走ギャラクシーSは逃げ馬のスピードを捉えられなかっただけの2着止まり。
今回はスケジュール通りの出走で武蔵野S以上は期待できて、また差し脚が生きる条件から前走以上も期待できて…圏内可能性はアリと見ます(ルメールで人気になるので妙味はどうかですが)。


★サンライズノヴァ牡5戸崎57音無(栗東)
「スンナリ系」
コノ馬はスンナリ系馬であるが故に、敵はそれが叶わない場合と、それによって極端脚質を強いられる分での展開不利の2点。

5走前欅Sと6走前オアシスSは後者の展開不利の分での2着止まり。
前走チャンピオンズCもスローペースを後方追い込み競馬ではあれが限界だったという6着。
7走前フェブラリーSは大外枠を引いたのに戸崎Jらしく外に持ち出し切らなかった分だけ砂被りロスを強いられての4着。
その2点さえ回避できれば、そりゃ重賞は勝って当然というレベルの馬です…4走前3走前のOP連勝や前々走武蔵野S重賞勝利はそれの証左です。

前走チャンピオンズカップに於いては先行もできず内差しもできずに不器用に外追い込みしかできない馬となると割を食うのは自明でしたが、逆に今回根岸Sでは外追い込み馬の瞬発力が生きるという条件ですので…あとは馬群内での競馬を好む戸崎Jが血迷わずに外に出す競馬さえすれば好勝負は必至。


★クインズサターン牡6四位56野中(栗東)
「東京コース〇」
コノ馬は条件戦時代には東京コースばかりに出走して実績を積み重ねていた通りの東京巧者で、反応の鈍さがある馬でやはり小回りコースよりも長い直線コースの方が力を出せるはずです。

OP昇級後は不得手だろう中山コースばかりに出走でしたが、それは賞金不足で選択の余地が少なかったからとの話でした。
前々走武蔵野Sは約1年振りの庭ともいえる東京コース出走…そこでパフォーマンスを上げてきたといのは納得の結果と言えるでしょう。
またも番組都合で不向き中山コースの師走Sを経て、再び庭とも言える東京コース戻りに今回は期待して良いと思います。

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