キムラヨウヘイ 金鯱賞の有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽メートルダール 牡5 福永 56 美南 戸田
まずは前走中日新聞杯1着後の回顧文を参照↓
『1着メートルダールは母系にロベルトとサドラーの血が入るパワー体質馬…それだけに今回の様にタフな条件でも早仕掛けや捲りの形にも馬が耐えられる。
結果的にはメートルダールの早めの仕掛けが1人気2着ミッキーロケットのスムーズな進出を削ぐような形にもなっていた。
ミッキーロケットはそれと、左回りでもモタれる面を出したのと、この距離二千もやや不足なのか、差し遅れるような末脚での2着。
メートルダールは左回り特化起用に何か裏があるのかも知れないが本質的には小回り内回りでも生きそうなパワーを秘めた馬…対してミッキーロケットは純粋な直線勝負ならばそれに負けぬナタの末脚の持ち主。
今後は、外回りor中長距離ならばミッキーロケットに、小回りor中距離ならばメートルダールに軍配が上がるのではないか。』
・・・
前回中日新聞杯と今回金鯱賞は共に中京二千コースが舞台条件ですが、メートルダールにとっては前走程に楽な戦いにはならないでしょう…鞍上(Cデムーロ→福永)、馬場バイアス(やや外有利→春開幕週はイーブン~やや内有利になる傾向)、展開、相手関係、斤量(ハンデ戦→別定戦)…どれを取っても前走の方が良かったので。


▽サトノダイヤモンド 牡5 ルメール 57 栗東 池江寿
前回の国内レース天皇賞春こそ超Hレベル決戦となり距離適性の差で3着に甘んじたものの、それまでは2歳時から一線級でほぼパーフェクト戦績を残してきた現役最強級馬。
それが心身ともにまともな状態で復帰戦となれば、当然勝ち負け~悪くとも2着以内が見込まれるが…どうもその前提条件が必ずしもとは言えない模様で。

昨秋は凱旋門賞目標の欧州遠征を敢行したものの重馬場などの悪条件に見舞われたコトもあってものの見事に跳ね返された経緯…その影響なのか今回入厩後の調教過程は精彩さを欠いたモノになっている。

一応時計自体は水準級のモノが出ているのだが、連週で直線に向いてからの最後の伸びが本来のモノではなく簡単に寮馬に遅れてしまう調教…これは単に仕上がっていないというよりも何か精神的な面に背景がある様な動きだ。
仕上がり云々ならば圧倒的な地力で克服もできそうだが、そうではないとすると…最終追い切りまで踏まえて結論を出したいが現状では“まとも”に走ってくれない可能性も全然ありそうで。。


―サトノノブレス 牡8 幸 56 栗東 池江寿
昨秋にはサトノダイヤモンドの帯同馬として欧州遠征に出ており、国内でのレース出走は昨年金鯱賞以来の1年振りに。

その昨年金鯱賞では直線で窮屈なポジションに収まってモタモタ…ああなると先行粘りしかできない馬なので瞬発力を発揮して巻き返しは無理問という負け方だった
その前の有馬記念もあれがサトノダイヤモンドアシストになったかはともかくとして、自身好走以外にエネルギーを費やしての負けて止む無しの競馬でした。

ただ、その前の金鯱賞は凡戦での3着滑り込みで、まともに重賞級のパフォーマンスをしたのは一昨年秋始動戦オールカマーまで遡る必要がある。

ワケ有り4連続凡走後なので妙味存在とは見たいですが、その1年半近くのブランク明けで未知な面は否めないですし、予ねてから太目残りなりがち馬だけに長欠明け初戦というのも食指は動きません。


△ダッシングブレイズ 牡6 北村宏 56 栗東 吉村
4走前マイラーズCや3走前京王杯SCでは不器用な脚の使い方と瞬発力の無さの分でラストだけ良い脚という足りない競馬をしていた。
それを補えたのが前々走エプソムCでの距離1800起用であり、そして外有利馬場での内ガラ空きスムーズ競馬が叶うシチュエーションであり、そして前週から前日にかけてそれまでの大不振成績から一変を見せて復活を思わせていた浜中Jの好騎乗もありこれまでの鬱憤を晴らすかの様な完勝劇を果たしたという経緯。

前走小倉大賞典は長欠明け初戦で不向き小回りコースでの4着ならば上々の滑り出しと見るべきで、上記の経緯からは少なくとも距離マイル路線戻りよりは今回の距離二千路線(特にスロー必至なので)の方がベターという印象も。

そもそも他馬は差し追い込み脚質という馬ばかりで…そして強豪馬こそ大阪杯を見据えた前哨戦という位置付けのレースでもあるだけに…エプソムCの再現を期待したい一頭です。


★タイセイサミット 牡5 中谷 56 栗東 矢作
矢作厩舎は一戦必勝姿勢ではなく、レースの数を使ってトータルで損益計算をするという厩舎です。
なので、例えば先週総武Sでは2頭出しリーゼントロック10人2着・ドリームキラリ6人4着が共に活躍を見せましたが、共に悪い時でも使いつめて馬柱ボロボロの期間ありながらも持ち直されたという経緯の持ち主でした。

タイセイサミットにしても復帰後の3走は連続二桁着順と株急降下ですが、それは他厩舎ならばレースに使わない悪状態でもレースに使うから馬柱が汚れてしまっているという側面もあるはずです…もし他厩舎ならば[メイS1着→エプソムC6着→重賞二桁着順→今回金鯱賞]くらいでしょう。

ドリームキラリにしてもリーゼントロックにしても積極的な競馬を打てたタイミングから戦績が暗から明へとガラリと変わりました…コノ馬の前走小倉大賞典は結果こそ10着止まりでしたがそういう本来の競馬ができる状態だったという点に光明が見出せます。

先行馬不在で見え見えの展開利見込める一戦…コレの復調劇は一枚押さえたいトコロです。

━━━(後編)へ続く。