キムラヨウヘイ 金鯱賞の有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

△スワーヴリチャード 牡4 Mデムー 57 栗東 庄野
まずは前走有馬記念後の回顧文を参照↓
『誰が見ても強い競馬をしての4着だったのがスワーヴリチャード…2歳時から共同通信杯までは出遅れ傾向でしたが、実はその後のレースではどれも水準超のスタートを決めていた…それだけに今回のスタート後手は痛恨。
それも不利とされる外枠での出遅れで後方外目の落ち着かないポジショニングで掛かり気味で、先行勢が仕事をしてくれなかった分で自ら動くしかなく、その上で直線では例のごとくの右手前一本の走りでデムーロJもモタれるのを制御するのがやっとという…それで僅差4着なのだから素材は本物なのだが…。
月並みなコトを言えば左回りならば現役最強級でしょうし、としても能力がバレバレになった以上はそれよりも悪癖や乗り難しさをクローズアップして取捨を考えるべきか。
右回り下手云々は天性のモノも大きいと思いますので、特にコノ馬の場合には脚部の左右アンバランスも要因ですので、それは成長を待てば解決する類ではないと思います。』
・・・
私はコノ馬を3歳最高峰レースであるダービーでも、3歳古馬混合最高峰レースの一つである有馬記念でもトップ格評価(◎)してきましたので…それが力を出せる条件である[間隔空きローテ]・[左回り]に出走するというならば人気でも重い印を打ちたいです。

ただし、昨シーズンよりも悪化している蹄状態などを見る限りでは、やはり今期も間隔を詰めたローテで大丈夫なのかという懸念はありますので…ココで激走して次走は信頼しない呼吸で良いのではと思っています(前哨戦の位置付けですが、それなりにココへの本気度もある参戦にも見えるので)。


▽デニムアンドルビー 牝8 バルジュ 54 栗東 角居
脚元の不安から15年宝塚記念2着を最後にCW中心の追い切りは手控えられていた経緯だったが、3走前アルゼンチン共和国杯にて久しくそれを解禁で、そこから2週続けて長めの追い切りの更に強化されていたのが前々チャレンジCで…脚元不安小康状態で満足な攻めが課される様になってから復調歴然という近況。

それが継続ならば更なる結果もという話の流れになると思うのだが、今回は繁殖期間近の引退レースであるコトも考慮されているのか不振期同様の坂路調教パターンに逆戻りとなっています…これは本気度の面も含めて大いにマイナス評価と見るしかないでしょう。


―アクションスター 牡8 太宰 56 栗東 音無
OP特別よりも分不相応にG2に使われるコトが多いが、それはOP特別でも勝負にならないからという逆説的な話だろう…15年から新設された特別出走奨励金がほぼ無条件で交付されるG2に出た方が、OP特別で頑張って上の着順を目指すよりも結果稼げる期待値が高いと陣営内で位置付けられる程度の馬だというコト。
適条件のOP特別をスルーし続けて、この期に及んでも分不相応なG2に出走させる時点で、奨励金目当ての意向強い=好結果は目指していないという本気度の低さが窺い知れる…毎度のコトですがこうとしか書けません。。。


―デルマサリーチャン 牝7 ○○ 54 美南 堀井
準OPでも勝負にならない馬でも、上記アクションスター同様の“G2出走稼業”は成立する。

ちなみに…1000万下でも勝負にならない馬の場合にはそのG2特別出走奨励金の対象外なので不成立である(1600万下の場合には半額支給)。

ちなみに…先週弥生賞ヘヴィータンク(G2特別出走奨励金ではなく出走奨励金(いわゆる着賞金)目当て)の大差負けは物議を醸しましたが、ああいう平地重賞OPレースでのタイムオーバー大負けビリの場合でも出走奨励金(着賞金)は支給されますが、このG2特別出走奨励金は不支給となります。


★ブレスジャーニー 牡4 三浦 56 栗東 佐々晶
まずは前走有馬記念時の有力馬診断見解を参照↓
『コノ馬は3歳春に骨折発覚してシーズンを棒に振ったワケだが、そもそも骨折発覚前段階から馬体面の弱さから順調な調整過程を踏めていなかった経緯もあった…その弱さというのは馬体の右半身の方にあって、故に左回りオンリー起用=右回り難は予ねてから懸念される点であった。

前々走菊花賞は極悪馬場でまともに競馬をしていないので、実質的に前走チャレンジCが初めての右回りレースでした…そこでは終始右手前の走りで、やはり右回り(小回り)には大いに難があったという内容に。
それにも関わらずの僅差3着というのは想像以上の結果で能力評価はしたいですが、引き続き右回り小回り条件でテン乗りとなれば難しい競馬になりそうでこの条件では狙えません。』
・・・
佐々木晶調教師は有馬記念前に「左回りの方が良いに決まってる、マイルの方が良いに決まってる」と、有馬記念はあたかも記念出走かの様なコメントを発していました。
結局その昨秋3戦は菊花賞と有馬記念という勝負にならぬ2戦を使って、残り1戦は不向き右回りのチャレンジCで3着健闘。
前走有馬記念はそれに加えて直線不利もあっての凡走結果でした。

いよいよ距離二千・左回りという実利重視の適鞍路線参戦となる今回は化けても驚けない一頭です。


━━━(前編)はこちらに掲載しています。