キムラヨウヘイ 高松宮記念の有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽ダンスディレクター 牡8 武豊 57 栗東 笹田
前々走スプリンターズSでは危険穴人気(9人8着)として、前走阪神カップでは本命(7人2着)とした馬です…その最大の根拠は状態面でした。
前々走スプリンターズSが前哨戦セントウルSで走り過ぎた分の反動を懸念される状態だったのに対して、前走阪神カップでは最近の中では最も順調な調教過程が読み取れてましたので…十分な間隔を糧に十分な攻めを積みながらも馬体回復で出走できた時点で勝負アリでした。
果たして今回はどうなのかですが、阪急杯回避の要因の脚部不安が尾を引いているのかは定かではないですが、この2週前に一旦緩められている調教過程には疑問アリです。最終追い切りが負荷掛けた調教内容でない場合にはちょっと不安です。


▽ダイアナヘイロー 牝5 松山 55 栗東 大根田
前々走シルクロードSは非逃げ競馬で折り合い難しくて自滅した形で、前走阪急杯では一転して距離延長の楽逃げとなれば…これは理想的な一変パターンだと言える。その武豊Jもアポロノシンザンが逃げるからと当初は逃げの手は考えていなかったとの話で、スタートを出てからの瞬時の判断での逃げ主張…そこの部分の幸運は大きいモノであったし鞍上武豊だったからこそできた芸当とも言える。

上位8頭までが0.2秒差内にひしめく決着で、その2着以下馬は直線団子状態が災いしてロスや詰まり事象が少なからず起こっていた中でのただ一頭だけ悠長な競馬をできての粘り込み…それがG1でも通用するパフォーマンスだったのかと言えば否としか・・・。


△レッドファルクス 牡7 Mデムー 57 美南 尾関
調教師引退週の絡みもあって阪急杯獲りに相当熱が入っていたダイアナヘイローに対して、コチラは阪急杯は高松宮記念に向けての調整レースの側面が強かった立場です。
鞍上川田Jのレース後の一言目が「陣営の指示で末脚を生かす競馬をした」というのもその表れですし、調教も仕上げ過ぎない様に最終追い切りをダート単走に切り替えてきましたし、それで走り過ぎず走らな過ぎずの結果は陣営としては満足できる結果なのではないでしょうか(昨年高松宮記念は休み明け初戦だった分で、前走マイルCSはG1激走後だった分で状態面で完全ではなかったのも敗因の一つだっただけに…。)

ただし、高松宮記念に向けて余裕を持たすという意味では◎としても、次走がスプリントG1戦の前に距離千四で後方競馬をしたという目線では果たしてどうなのか…高松宮記念と阪急杯は好相性ですが、主に阪急杯で先行競馬をした馬が距離短縮高松宮記念での活躍傾向に反するというのは忘れてはならない点だと思います(本質的にスプリンターかと言えば少々疑問で、余計忙しさ求められてくるローテはとても良いだとは…)。


★ファインニードル 牡5 川田 57 栗東 高橋忠
前々走スプリンターズSは北九州記念時点で相当仕上げていた分でお釣りも無かっただろう点と、不調内田博Jの無茶苦茶な騎乗で力出していない敗戦でした。
その前のセントウルS1着は後続がラインミーティア以下の低調メンバー戦でしたので、その価値はそこまでは認められませんでした。

それが前走シルクロードSでは一冬を超えて成長分もあっての大幅馬体増で出てきて、それでスプリント戦では大差ともいえる0.3秒差完勝を果たしたとなれば…昨秋とは別馬へと化したという解釈をすべきでしょう。

昨年もシルクロードS2着で頭角を現した上がり馬セイウンコウセイが高松宮記念を持って行きました…そういう上位層の薄い現スプリント界ですので、今最も伸びている可能性ある馬と言えるファインニードルの一気の頂点獲り可能性は大いに有り得る話だと考えるべきでしょう。
(ただし、今回が2度目となる左回りについては一抹の不安アリです。)


?セイウンコウセイ 牡5 松田 57 美北 上原
まずは3走前スプリンターズS時の有力馬診断見解(抜粋)を参照↓
『高松宮記念激走については、ダートレースでの良績や芝道悪での良績からも当時の渋化急坂のタフな条件への適性面での勝利という側面もありそう。
その上で、同じく4歳馬で当路線頂点を窺おうとしていたシュウジ・ソルヴェイグが自滅且つ他には非スプリンターや古い馬ばかりが上位入線という、言わば地盤沈下路線での消去法的な勝利であるとも。』
・・・
4走前スプリンターズSについては内枠から前に行けずに揉まれたのも堪えたというのと、そもそも状態面で水準まで達していなかったという話(高松宮記念はTMS◎・スプリンターズSはTMS▲)もありました。

3走前スワンSも今となっては距離千四適性がどうだったのかはモチロン関係あるとしても、それ以上にTMS×というのが目に付きました。それは前々走京阪杯も同様で、5番人気でTMS×ってのはやはり何かあるというコトですので。

そして前走シルクロードSではTMS△で2着好走…本調子ならば高松宮記念G1完勝歴ある馬ですので勝って当然の馬だと思いますので、その意味では近2走よりは復調も本調子手前で恵まれた競馬での2着止まりというのは…ものすごい都合良い解釈をすればTMS情報の通りの結果とも言えなくは無いです。

「高松宮TMS◎5人1着→スプリンターズTMS▲3人11着→スワンTMS×3人14着→京阪杯TMS×5人7着→シルクロードSTMS△5人2着」というTMS連動馬ですので、今回もソレを最重要ファクターとして活用させたい場面と見ます。
引き続きTMS△以下ならば軽視⇔TMS〇以上ならば一変可能性有と見て重視。

(※TMS(トラックマン・インサイダー)予想術とは=競馬専門紙の厩舎担当記者や騎手エージェントなど、内部と密な関係を持つ真の情報通が打つ予想印から[表に出ることのない好不調などのインサイドな情報]を、独自の手法を使って読み解く当予想のテクの一つ。TMS◎とは、その情報が◎(買い)というコト。)



━━━(前編)はこちらに掲載しています。