キムラヨウヘイ AJCCの有力馬診断

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―アクションスター牡9大野56和田勇(美浦)
OP特別よりも分不相応にG2G1に使われるコトが多いが、それはOP特別でも勝負にならないからという逆説的な話だろう…15年から新設された特別出走奨励金がほぼ無条件で交付されるG2G1に出た方が、OP特別で頑張って上の着順を目指すよりも結果稼げる期待値が高いと陣営内で位置付けられる程度の馬だというコト。
ココも奨励金対象G2競走で、尚且つ11頭立て(1頭抜かせば着賞金ゲット)という賞金が得られ易いレース選択という意図のみの参戦だろう。


△サクラアンプルール牡8蛯名56金成(美浦)
https://twitter.com/jou_syou/status/1072382139767902208
コノ馬については毎度書いています様に、主に短い直線コース・小回りコースでこそ生きる一瞬の脚が身上という馬…ぬるま湯レースで一瞬の脚を使ってこそ本領発揮という馬です。
OP昇級後では実際に小回りコース且つ後傾度強ラップ戦[1-2-1-1]で、それ以外[0-1-0-7]となっています。
前走有馬記念は近年よりも大幅に持続力が問われるレースとなり、それはつまりサクラアンプルールの適性とは大きくズレるレースに…それで得意小回りコースでも前傾ラップ戦となった分で脚が続かずの掲示板外止まりとなった形でした。

昨秋の果敢G1連続挑戦は共に実らずの結果とはなりましたが、それでも秋天でも有馬でも運悪く向かない方のレースとなった中でもキチンと一瞬脚は見せられていますので…あとはレースの流れが自身適性にさえ噛み合いさえすれば、いつでも巻き返し可能性の期待は当然懸けられてきます。

今回の少頭数立て中山2200コース条件というのは一見チャンスなのですが、Hペース番手競馬をしたいジェネラーレウーノの存在は大いに厄介で…そのペース次第での一発の魅力は有。


★ジェネラーレウーノ牡4田辺56矢野英(美浦)
まずは皐月賞回顧文を参照↓
『…何が何でも逃げたい内アイトーンと鉄砲玉の外ジュンヴァルロに挟まれるポジショニングで相当厳しい競馬を強いられました…それはペースを見れば明らかですが、ただしそこで引かないで馬のリズムを重視した騎乗をした田辺Jの判断は寧ろ良かったのかも知れません。
内も外も無理をした積極競馬だったのに対して、コノ馬だけはHペースだとしても気分良く走れていたのがとても印象的でした…気難しい面ある馬でレース振りに相当注文が付くタイプなので、常識的にはもっと下げた位置取りが理に適うワケですがそこでまともに走り切れていたのかは全くの未知ですので。』
・・・
皐月賞はHペース先行で激走、ダービーはSペース先行で失速、セントライト記念は平均ペース先行で激走、菊花賞はSペース逃げで大失速。
つまりは、如何に気分良く行けるのか、折り合いを付けた先行競馬ができるのかが全てと言って良いと思います。

皐月賞のあの地獄ペースの後に真逆ペース替わりだったダービーというのはジェネラーレウーノにとっては酷な条件替わりだったでしょうし、セントライト記念は休み明け初戦も功を奏しての一変劇でした。

今回はセントライト記念同様の休み明け初戦ローテですし、セントライト記念同様に前走スローペース競馬からのペース変更ローテが見込めますし、セントライト記念同様に他に逃げ馬を置いての番手競馬が見込めますし…そんなココは一発を期待したいです。


▽シャケトラ牡6戸崎56角居(栗東)
4歳初に日経新春杯2着・日経賞1着した時には大いに将来を嘱望されましたが、こういう大器こそ気性面だったり体質面だったりで難しさも抱えているというのはよくある話で。
その後の4歳春G1戦線では気難しさを出して好勝負できず、4歳秋G1三連戦では結局太目残り解消できずに重たいレース振り続きでの連敗。
今回は昨年春に発症した左第3中手骨々折からの長期休み明け初戦。
4歳秋の一連のレース振りを見る限りでは、故障明け且つ冬場長欠明けでそこまで仕上げてくるはずがない局面では手が出し辛くて…鞍上戸崎J起用というのもその表れだろう。


▽ショウナンバッハ牡8三浦56上原(美浦)
前々走アンドロメダSは直線ドン詰まりで参考外敗戦。
前走中日新聞杯2着と4走前新潟記念3着は共に追い込みド嵌まり…具体的には極端な先行勢壊滅展開=後方有利展開で軽ハンデ追い込み馬の利を最大限生かしての激走でした。
若い頃は一瞬の脚の良さがストロングポイントでしたが、昨年以降はズブさが出ている分で小回り大回りでも差異なく走れています。
ここまで走っても走っても人気にならない馬となると妙味っぽくは見えるのですが、上記2激走は最大限恵まれた競馬なのは確かですし、色気をもって非後方競馬ができる馬ではありませんので…ココも嵌まり待ちの身であるコトには変わりありませんので、あくまでも紐で押さえるかどうか程度の評価。


▽メートルダール牡6マーフィ56戸田(美浦)
ショウナンバッハと同様に、その極端外追い込み有利傾向結果だった新潟記念で嵌まる競馬をして2着に食い込んだのがメートルダールでした…やはりそれは評価し辛いです。

メートルダール自身もここまでの重賞2好走歴(18新潟記念・17中日新聞杯)は新潟中京での外差し競馬…案外不器用な取り口の馬でそれが嵌まったというレースでのモノです。

前走中日新聞杯にしても、直線窮屈な所はあってとはいえども、どちらかと言えば展開に恵まれる方の競馬での1.0秒差完敗でした。

今回も割かし差し易いレースになる可能性は寧ろ高いですが、それでもそこまで能力上位と威張れる馬ではないだろうという結論です。


★ステイインシアトル牡8内田博56池江寿(栗東)
前走新潟大賞典時の有力馬診断では『これまで逃げた5戦では全勝で、非逃げだった6戦では全敗という非常に分かり易い戦績』と書きましたが、結果は1着ではなく2着でしたが、その明確傾向が引き継がれたという言って良いと思います。

その前の2走前函館記念では雨馬場も向かなかったとの話で全く逃げに持ち込む勢いなくそのまま沈む大敗。
3走前鳴尾記念は内有利馬場の前残りペースと、そして武豊という強力な逃げアシストも…となれば勝てて当然と言うレースになっていました。

今回は元逃げ馬マイネルミラノが非積極策宣言をしており、唯一同型と呼べるジェネラーレウーノも番手競馬が理想という馬です。
つまりは過去6戦6連対の逃げの形が濃厚で…となれば要警戒せねばならぬ一頭と見ます。

前走も長欠明け初戦での激走…そういう気の強いタイプなので休み明けから問題なく走れる気質の馬です(逆に連戦ローテの方に難がある馬です)。


△ダンビュライト牡5北村友57音無(栗東)
まずは前々走オールカマー時の有力馬診断を参照↓
『3走前大阪杯はコーナーでスムーズさを欠いたのが地味に大きな不利で、2走前香港は馬体減で走れる態勢でなかったのが全て。
前走宝塚記念は距離延長と武豊起用でまともならばと思いましたが、その大阪杯のデジャブの様なコーナーで包まれる形から直線追い切れずという不完全燃焼凡走に…それが無ければ或いはという脚は見せていませんが、こういう小不利が大きく響くタイプだけに結果は結構違ったかも知れません。』
・・・
そういうタイプであるコトは鞍上も百も承知なのですが、逆に言えば他馬鞍上も百も承知というコトです…それでか国内では4戦連続(大阪杯・宝塚記念・オールカマー・チャレンジC)で不本意な窮屈に脚余す騎乗での敗戦続きになっています。

同舞台条件の前々走オールカマーでもスムーズに脚を伸ばせる形だったならばここまでの着差は開かなかったはずですが、それに陥ってしまう辺りは馬の問題も多分にあります。

そうは言っても…昨年勝利したAJCC舞台条件で、前と後でバラけそうなメンバー構成戦で、この少頭数立てならば…本当にソロソロ満足な競馬ができなきゃおかしい位の条件です。
あとは外目の枠順を引いてくれれば久々の本領発揮…馬券内好走くらいはできそうですが(去年は鞍上デムーロで相当恵まれる競馬での1着なので、これが本領発揮でも勝ち負けとまでの個体高評価はしていません)。


△フィエールマン牡4ルメール57手塚(美浦)
Hレベル現4歳世代牡馬で、キチンと一線級路線で結果を残していたフィエールマン。
先週日経新春杯では該当2頭(グローリーヴェイズ・メイショウテッコン)で明暗分かれましたが、メイショウテッコンみたいな自分との戦い馬は世代レベル云々・能力云々で推し量れませんので…そういう意味ではグローリーヴェイズタイプのフィエールマンはそりゃ無難な好走結果が濃厚でしょう。


―ミライヘノツバサ牡6北村宏56伊藤大(美浦)
長期休養前にはHレベル重賞で連続好走していた馬。地力上位であるのはそうとして、今となっても走れる態勢にあるか否かが重要でしょうが…復帰後2戦と今回でも相変わらず坂路&プールの非コース追いオンリーのワケ有り感が窺える調教過程ではポジティブなジャッジは下せません。




※今週は月曜日が開催日につき「第二重賞の有力馬診断」はお休みとさせていただきます。
何卒ご了承くださいませ。