キング「重賞展望&先週の回顧」
日本ダービーの回顧
ラップタイム:12.7 - 11.0 - 12.3 - 12.4 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.0 - 11.7 - 11.2 - 11.2 - 12.2
馬場:内伸び。高速。
展開:エポカドーロのハナ。ややスローからのロングスパート戦。
◇福永祐一は本当にかっこよかった◇
外差しが届きにくい高速馬場で施行された今年のダービー。
位置取りが重要であったのは、言うまでもない。
だからこそ、福永祐一のファインプレーが輝いたダービーだった。
気性に不安のある馬で外枠を引き、おまけに外差しが届きにくい馬場。
メイチの素晴らしい仕上げではあったにせよ、厳しい条件が積み重なっていたのは明らかだった。
が、彼は、自らの腕と覚悟で、苦しい状況を乗り越えて見せた。
かかるのを恐れず、外枠から先行させた。あの判断がなければ、この結果はまずなかっただろう。
序盤、コズミックやブラストに突っ張られ、内へ入れてもらえずにいたが、冷静だった。
内に入れて壁を作ってからは、完璧に折り合わせてみせた。
最終コーナーから最後の直線へ向かう際には、手応え抜群の人気馬ブラストワンピースに蓋をし、内へ閉じ込めて見せた。
あのプレーによって、ブラストは進路を探した上で、仕方なく外へ切り返すロスが生じたのだから、勝敗を大きく分けたシーンの一つでもあった。
・・・6年前、1番人気に支持されながらも4着に甘んじたダービー後に、彼は次のようなことを語っていた。
「自分には足りない部分がある。」
「リーディングジョッキーの称号を得ようと、価値のないものだと言われても仕方ない」
と。
けれども6年越しに、
数え切れないほどの酸いも甘いもあったであろうこの6年越しに、
自分の腕と覚悟でダービージョッキーの称号をつかみ取り、満点回答して見せた。
その姿を見せられて思い浮かぶ言葉は、この一言に尽きる。
「福永祐一は本当にかっこよかった!」
◇その他各評◇
・エポカドーロ:展開が向いたとは言え、超マイルド仕上げであの競馬。世代トップの能力だと認めざるおえない。
・エタリオウ:前が残る中、後方から追い込んでの4着。能力高い。
・アドマイヤアルバ:今回は最後方からの競馬で参考外。4角好位の競馬をすれば、コースや距離を問わず相手なりに走れている馬。過小評価の際は注目。
・ブラストワンピース:切り返すロスあり。能力は間違いない。
・ステイフーリッシュ:心身フレッシュな休み明けが狙い目のように感じた。次走、注目。
今週の重賞展望
【鳴尾記念】
何が何でも逃げたいヤマカツライデンとマルターズアポジーが揃った。
開幕週の馬場で、少頭数ながらも縦長になるのかなと。
となれば、今冬の中山記念を再現したようなレースになる可能性大。
当時勝利したウインブライトのように、好位から長く脚を使える馬が狙い目か。
サトノノブレスに注目。
キレる脚はないものの、心肺能力は高い馬。
G3の二千では3戦3勝。休み明けも暖かい時期も得意なタイプ。
今年の金鯱賞では展開利があったにせよ2着に好走。まだまだ健在。
中穴評価であれば、面白い存在に。
【安田記念】
頭数が揃えば、速い流れからの持続力勝負になりやすいのが、安田記念。
となれば、前走に不向きの瞬発力勝負で負けたアエロリットの巻き返しに期待したいところ。
鞍上が主戦の典騎手でないのは割引材料ですが、ペースメーキングせずとも勝手に流れる重賞なので、そこまで気にしなくて良いのかなと。
渋馬場には実績がないので、天気は晴れて欲しい。