キムラヨウヘイ キーンランドCの有力馬診断

※印は[★激走候補~△有力~▽軽視~―無印」を表します

▲アスタールビー 牝4 吉田隼 54 南井(栗東)
今年の芝古馬重賞レースの注目すべき傾向として、上がり馬(前走条件クラス戦出走馬)の強さが指摘できます。
古馬G2・G3・オープン特別レースの前走出走クラス別成績データでは、前走条件クラス戦出走馬が単勝回収率100%超・複勝回収率150%超というベタ買いプラス回収率を叩き出しており、好走率でも他よりも頭一つ抜きん出ているという逆転現象が起こっています。
この夏競馬期間内の芝重賞OP競走でも、上がり馬が複数頭数いたレースではほぼ全てで同該当馬が馬券内に入っている程で、先週札幌記念&北九州記念ではそれぞれ1頭出しで及ばずでしたが、それまでは大抵は上がり馬が配当面の主役を担うレースが続いていました。
それだけ準オープンクラスとオープンクラスの壁が小さくなっている状況があり、馬券的な狙い目としては過小評価されがちな上がり馬にあるというのが今のトレンドです。

今回のそれの唯一該当馬(前走3勝クラス勝利馬)がアスタールビー。
常識的にはココに入れば一枚落ちの感はありますが、先の函館SSでも当地の3勝クラス戦突破したばかりのジョーマンデリンが3着に食い込んだ様に、洋芝競馬では切っても切れない適性と上記の勢いを背景に可能性はある一頭になると見ます。


▽カッパツハッチ 牝5 大野 54 矢野英(美浦)
揉まれ弱いスンナリ系で、そういう馬が結果を出し易い直千コースですら外枠だと中々力を発揮できないというほどの馬(プレッシャーの掛からない内枠の方が強い競馬を見せる)。
2走前アイビスSDは内枠スンナリ競馬で8着健闘して、前走UHB賞も4角先頭競馬で2着健闘しましたが、もしもう少し後続のプレッシャーを受けていれば一転撃沈もあり得たはずで…この相手強化&頭数増戦でも同様に走り切れる可能性は低いはずで。


〇ダイアトニック 牡5 武豊 58 安田隆(栗東)
前走函館SS後に『3走前阪急杯でのHラップ先行競馬を経て完全にスプリント仕様に馬が化けた感が。この後はサマースプリントシリーズ王者を目指して夏スプリント路線を転戦予定の様ですが、そこでは確固たる軸馬として君臨するでしょう。』と記した通り…今までは距離克服させる教育を施してきましたが、本質的に適性あるコチラの距離で素質開花という一連の流れで…ココも安パイに近い存在と見られます。


▽ダイメイフジ 牡6 菱田 56 森田(栗東)
前走函館SS時に内枠なら★とした馬。
それは、昨春の高松宮記念回顧『折合が鍵・集中して走れるか否かが何よりも重要という馬で、それは連闘内枠替わりで激走の前走オーシャンSの通り。今回は大外枠替わりで外に振られる競馬にもなって参考外の敗戦。内枠替わりで買い』の通りで、これまでは距離短縮や内枠替わりでの一変例が多かったですが、つまりは折り合いを付けて行ける場面だと走れるというキャラ。
外枠からの外目先行競馬だと我慢が利かずに撃沈ばかりのこれまでで、ただし枠順が内でも外でも何だとしても“単騎逃げ戦法”というのは非常に大きな効能を持つ一手で…折り合い難馬にとって一番楽な競馬はその形ですので・・・結果的には大外枠でもトップスタートを切れた結果としての逃げ粘りというのは正直読めない所ではありました。
そういう逃げた後というのは基本的に期待値低いワケで、特に折り合い鍵馬にとって余計に馬が行きたがる逃げた後の一戦はリスク高め。その前走はトップスタートを切れたから逃げられたモノで、同型がいて再度その形に持ち込めるかは疑問大きめ。
あとは前走は冬馬でもこなせる函館滞在競馬でしたが、今週の真夏気候の札幌競馬というのは季節適性の面で大きなハードルが。


▽フィアーノロマーノ 牡6 藤岡康 56 高野(栗東)
過去の『この馬はとにかく夏に弱いんですよ。重賞を勝ってくれたダービー卿CT(3月末)のころを過ぎたら、もうヤバいですね。地球温暖化はこの馬にとって死活問題です』との陣営コメント通り、冬場に良績が集中する冬馬。
前走函館SSは季節的には夏場の6月の好走でしたが、平均最高気温20度という函館に早期入厩して挑む形が功を奏した感でした。
それに対して今週の札幌は連日最高気温30度超というまともな夏気候だけに…これはコノ馬にとっては鬼門となり得る状況です。


★ヤマカツマーメイド 牝3 池添 51 池添兼(栗東)
母ヤマカツマリリンの仔はヤマカツエースやヤマカツグレースなど内枠巧者・内回り巧者を輩出する傾向…それはその母の父がグラスワンダーという所以でしょう。
ヤマカツマーメイドも内枠巧者のレース振りで、阪神フィリーズレビューを内回り中枠条件で好走した後は、2走前桜花賞は[外回り]+[外枠]の二重苦条件でビリ、前走橘ステークスも[外回り]+[大外枠]の二重苦条件で1人気裏切りという近況。
そこから札幌コース替わりはプラスで、その上で得意内枠を引ければ一変も!


▽ビリーバー 牝5 杉原 54 石毛(美浦)
まずは2走前TVh杯時の見解を参照↓
『近2年で全戦績は[1-3-5-8]ですが、ご覧の通り8凡走の内4凡走が詰まり僅差の紙一重の敗戦で、それも含めて極めて安定して脚は使ってくれるという馬です。
2走前は距離千四で掛かったノーカウント凡走で、前走は不向きな高速決着での凡走。
ベスト条件は距離千二の低速決着戦で、実際に1分9秒台決着では5連続好走中…明日の函館は午後から雨予報ですが、それが直撃して渋化馬場でやれれば前走以上に走れるはずでチャンスある一頭と見ます』
・・・
結果的には良馬場発表馬場で推奨に至らずでしたが、勝ち時計は1分9秒台に限りなく近い1分8秒9という…やはりそれ位に時計の掛かる競馬になるか否かが最大のポイントだと言って良いでしょう。

先々週までならそのゾーンも見込めましたが、Cコース替わりの先週から高速化して週中好天続きとなればそのゾーンよりも大分速い高速決着が見込まれる今回については懐疑的な目線で。


▽イベリス 牝4 横山武 54 角田(栗東)
まずはCBC賞(除外)時の有力馬診断を参照↓
『3走前スプリンターズS時の今秋中山芝千二コースは総じて内枠有利傾向。そこで大外枠から先行競馬も行き切れずに、外を回されて失速の内容は情状酌量できる敗戦でした。
その後の2戦は良い所無しの敗戦でしたが、共にハナを切れないで他馬を気にして全く走り切れずの負け方でした。重賞勝ち含む3戦2勝の逃げの手こそが気性的にベストに違いなく、それが久しく叶えられれば変わり身も見込めますが…徹底逃げグランドロワが連闘でも出走してくるとなるとそれも厳しくなりますが。。』
・・・
CBC賞除外で挑んだ2走前アイビスSDは、中枠から外へ進路を取れない中でHペース先行という厳しい競馬ながら、小差の7着まで踏ん張ったのは評価できる範疇のパフォーマンス。
やはり揉まれずスンナリの競馬ならばそれなりに強い馬と見られますが、外枠&同型不在だった前走UHB賞でも主導権を握れずに気難しさを出してギリギリ3着を確保した程度で…それ以上に同型が厚くなりスンナリの手に持ち込むのが難しそうなココでは強気にはなれず。


―エイティーンガール 牝4 坂井瑠 54 飯田祐(栗東)
シルクロードS後に『これまで強い負荷を掛ける調教を施された際には1着2着1着1着でオール好走でしたが、今回も2週連続強め調教で好走。逆に言えば馬ナリ調教時にはほぼ走れていないというのがポイント(マイルド調教派の飯田厩舎は最終追い切りでは強めor一杯調教の方が好成績を挙げる傾向)で…次走も調教過程に注目』と記しましたが、どうしても調教負荷を掛けづらい北海道滞在競馬は宜しくないのか、本年は札幌函館で全く好走馬を出せていません。
キーンランドCと相関関係ある函館SS・UHB賞で見所見せられずの中では手を出し辛い。


△メイショウカズヒメ 牝6 柴山 54 南井(栗東)
まずは前走アイビスSD15人4着の予想見解を参照↓
『メイショウカズヒメは夏馬。
一昨年も昨年も夏場にガラリ一変人気薄激走を見せた馬です。
近走は不得手季節もあり不振ですが、この季節替わりに魅力を見出せます。
また、3走前ルミエールADでは外枠決着を不利な内枠から0.2秒差入線で、もし枠順に恵まれていれば好走できていてもおかしくなかったという走りでした。得意季節で有利大外枠を引き当てたココはガラリがあっても全然驚けません(ただし、揉まれ弱さも秘めているので、この枠順を上手く生かすのに注目が付く分でこの中では下の評価に)。』
・・・
結果的にも夏馬らしい夏初戦での一変振り…懸念の揉まれ弱さについても、早々に包まれぬポジショニングに行けた分だけ最後まで走れた印象です。
新潟直千レースでの外枠で恵まれた面も否めませんが、この時季に上昇する夏馬としてその上昇幅を残していた際には今回も侮れぬ一頭には(※今週の札幌は週を通して最高気温30度超というまともな夏気候)。


★ライトオンキュー 牡5 古川吉 57 昆(栗東)
まずは2走前函館SS6着後の次走チェック見解を参照↓
『昨年夏シーズンは、初戦UHB賞は仕上がり途上のデキでの2着、2戦目キーンランドCはダノンスマッシュやタワーオブロンドンと言った昨年スプリンターズS上位馬に次ぐ4着(UHB杯は半数が格上挑戦馬という超低レベル戦なので、パフォーマンスとしては断然後者が上です)。
戦略性を持って馬を仕上げる昆貢厩舎馬。今回はドバイ空振りを経ての長欠明け初戦でしたが、結果的にこれだけ走れないとなると…攻め本数の少なさからも昨年同様の肩慣らし程度のデキでの復帰戦だったと解釈するのが妥当でしょう。
この後は北海道スプリントシリーズを連戦するはずですが、その期間内には変わり身を見せてくれる可能性の方が高いはずです。』
・・・
前走UHB賞ではまだ途上のデキとの話でしたが、それでも函館SSよりは仕上がっていた分と相手が弱かった分での完勝。
理想的な上昇曲線を描いて大本番レースのキーンランドCに挑める過程は〇で、昨年4着時よりも相手関係が揃っていないならば当然馬券内以上の結果に。


今週は日曜新潟10Rの朱鷺S!ドドーンと14頭をプロファイリング!
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