キムラヨウヘイ ヴィクトリアマイルの有力馬診断の総まとめ(後編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

―ソウルスターリング 牝4 ルメール 55 美北 藤沢和
前走阪神牝馬Sの有力馬診断では以下の通り書きました↓
『…それが必ずしも秋以降の成績に繋がらないというのは、特に3歳牝馬に於いてはよくある話ですので…ソウルスターリングの昨秋3戦については決して力負けではない3戦だったのも確かですが、それと共に3歳春とは別の精神状況悪化に伴う戦績低下だったとも言える様なモノでした。

毎日王冠では逃げて淡白な走りでの敗戦で、ジャパンCでは道中掛かりが第一敗因とされる敗戦…だからこそ巻き返し可能とも言えますが、それよりも根深い問題が出てきたという見方もしなければならないでしょう。
今回の陣営コメントでも精神面が良い方向に向いていないというのが読み取れます。

掛かるなら距離を短縮すればOKという単純な話でもないはずで…そういう怖さ出てきているだけに強さは認めても信頼は難しいです。』

昨秋毎日王冠・前走阪神牝馬Sはキレ負けでの大敗…なんてバカな話はありません。
その阪神牝馬Sでは他の全馬が33.9以下で上がる中で、もっと言えば同日同コースで施行された1000万下戦でも(全体時計が全然早い中でも)中上位馬は34秒ソコソコで上がっている中で、そこでソウルスターリングが34.3でしか上がれないというを瞬発力性能の低さの一点で解決させるのはテレビゲームのやり過ぎだと思います。

ソウルスターリングと1000万クラス中位馬をヨーイドンさせて、ソウルスターリングが明らかに劣るというのはやっぱりおかしな話だと考えるべきと思います。

つまり、ソウルスターリングはそれだけ本来の力を出せない状況にあるとの一点だと見ます…それは上記の通り結構深い闇の中にあるだろうと…つまりは復活が有り得るのかも怪しいです。


―カワキタエンカ 牝4 ○○ 55 栗東 浜田
3走前洛陽Sは鞍上横山典J曰く『気持ちの問題』という大敗…其の後の2走中山牝馬S&福島牝馬Sは共に“メンタル重視”というコトで中間にまともに調教負荷を掛けない調教パターンが功を奏しての連続好走という経緯。
今回も恐らくは前2走を踏襲した調教パターンで挑むのでしょうが、そもそも今回VM参戦にあたって賞金上積みの為に過密ローテを強いられての[中2週][福島帰りで再度関東輸送]という時点で、幾ら調教を軽くしようとも酷な場面に思えますが…。


▽アドマイヤリード 牝5 Mデムー 55 栗東 須貝尚
まずは昨年阪神牝馬S回顧文を参照↓
『小柄ステゴ牝駒で強烈なピッチ走法が特徴的。
それだけに前走阪神牝馬Sでは外回りコースで大外枠を引いて外々をグルっと回ってくる競馬になるとどうかと思ったが、ルメールJは外差し馬場でガラッと空いたインを立ち回る頭脳プレー(?)。
基本的には外が伸びる馬場でしたが、かと言って内を通った馬が全滅する様な馬場ではなかったので、つまりはその馬の荒れ馬場適性次第の面もあった。それにピッタリだったのがコノ馬で、前走も重馬場での圧勝劇だった通りステゴ産駒ピッチ走法馬でこの手の馬場の巧者だった側面は確実にある。』
・・・
昨年阪神牝馬SにしてもヴィクトリアMにしても外の方が伸びる馬場でしたが、だからこそ得意とする一瞬の脚を生かしたインを突く競馬を高確率でできてしまう条件であり、尚且つこういう内不利馬場でも他の馬と比べて影響を受ける所が小さいという適性の持ち主であった分での激走でした。

その逆で、非外伸び馬場=非内空き馬場だったその後の3走は、その全てで直線詰まって人気を裏切ってしまっています。

ルメールJも『彼女の瞬発力は、強いけど短い。ラスト100メートルまで我慢して、最後だけ追った』と言っています通り、じゃあ詰まらない様に大味な競馬をして持ち味を出し切れるという馬ではありませんので。

これが穴人気馬ならば一発魅力という見方になるのですが、これが人気馬ならば現に3走連続で詰まっているリスク馬との見方をする必要アリです。


★レッドアヴァンセ 牝5 北村友 55 栗東 音無
コノ馬の前走以前の勝利歴は平坦コースに集中で、3歳クラシックシーズンも京都で走り阪神で走れずというモノになっていました…急坂不得手は周知の事実となり、実際に陣営は4歳以降からはほぼ京都にしか出走させていない程です。
それを踏まえれば、脚部不安あって復帰が延びての本意ではない阪神コース出走だった前走阪神牝馬Sでの好走には大きな価値が認められます。
前々走での東京マイル勝利もとても条件戦としては最上級に相手関係揃っていた一戦でした。
近半年で2走しか出走していないのでベールに覆われている面もありますが、知れぬ内に相当力を付けている可能性も結構あります…前哨戦好走にも拘わらず舐められた人気ならば手を出したい一頭。

懸念点としては[休み明け初戦〇→2戦目×]が繰り返されている点…音無厩舎自体が外厩帰り初戦で結果を残す厩舎だけに、続戦・在厩調整は少々気掛かりではあります。


★レーヌミノル 牝4 和田竜 55 栗東 本田
ヴィクトリアマイルというレースは基本はHラップ戦で、それは牝馬限定戦では稀有であるが故に従来の力関係よりも適性が優先される決着もままあります。
そのレース質で底を見せていないレーヌミノルは一発候補…近走は突貫工事での距離1200挑戦では流石にスピード不足だったという話で悲観すべき敗戦では無いでしょう。
それ以前に遡れば距離マイルでは底を見せていないどころか、このHラップマイル戦に於いては最も評価すべき戦績の持ち主なのですから…この得意条件戻りで普通に激走あっても驚けません。


━━━(前編)はこちらに掲載しています。

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