今井雅宏「重賞ステップ解析」エリザベス女王杯

今井雅宏の重賞ステップ解析がリニューアル!
今週はエリザベス女王杯!
人気薄が来て、人気馬が消えている例のやつとは?

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏が編集部と過去のレースを振り返る対談形式のコラム。
ときどき話が脱線してしまうことも?
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんの今井氏のレース解析の一部を毎週木曜日になんと無料公開!

さらに2年前の「レース解析」が土曜日、3年前の「レース解析+ワンポイントアドバイス」が日曜日に配信される「厳選!勝負レース」内にそれぞれ掲載されています。

さらなる解析はこちらから!


編;今週は昨年5番人気のモズカッチャン本命で、馬単15890円の万馬券を3点目で当てたエリザベス女王杯ですよ。

今;あれも良かったけど、15年の方が盛り上がったよね~。

編;6番人気のマリアライトを僕が本命に予想してきたら、今井さんも本命で、揃って当てたやつですよね。あれは確かに嬉しかったです。

今;そう考えると一年おきに高配当を当ててるから、休む番だったりしてね(笑)。

編;2年前は3番人気が勝っちゃいましたからね。とにかく人気薄で面白い馬がいるかですよね~。昨年はここから怒濤のGⅠ高配当連続的中でしたし、期待していますよ!そのデータ分析の前に先週ですが、JBCクラシックは3点目で馬連的中でした。

今;これは1番人気が怪しいから、人気馬が切れない馬ばっかりだった先週の重賞の中では、唯一馬券的に勝負したいレースだった。

編;1番人気はサンライズソニアですね。同条件の平安Sでは7番人気の人気薄で勝った馬で、このときは本命でしたが。

今;それで今回人気になったけど、あのときは逃げ馬不在で、前に行く位置取りショックで揉まれないのは誰の目にも明らかだったから狙ったんだよ。シンボリクリスエス産駒で揉まれ弱いから、先行馬が揃っている中で内をひいたら、さすがに危ない。ところがレースは、GⅠの1900mにしたら緩ペースになっちゃって、楽に先行出来たからね。オメガパフュームはずっと外々回ってるし、外差しが利かないあの日の馬場の緩ペースでずっと外々回ったらまず普通はアウトだから。頭抱えて見てたら、四角でも案外手応えが良かった。あの流れでずっと外々回って直線大外なら、前の馬と、矯めるだけ矯めた追い込み馬の両方にやられて4着のパターンだけど、パドックでも状態が抜群で、鮮度もあったからなんとか来てホッとしたよ。ノンコノユメには1900mが長かったのにも助けられたわけだけどね。かなり強い内容ではあった。

編;4枠以内くらいなら、楽勝でしたかね。スウェプトオーヴァーボードの1900mで、あんな横綱相撲でも来るんですね~。

今;S要素もそうだけど、C的な部分もあるっていう内容だった。L質な感じはしないよね。ただ若いから長い距離でも集中力が持続出来ている感じもしないでもないけど。

編;もう一つ、勝負レースに選んだJBCLクラシックの方は縦目決着ですから、6点目での馬連的中でした。

今;これは断然人気のラビットランが鮮度高くて切れないから、苦しかったよ。対抗は断然人気のラビットと決めてたから、あとはアンジュデジールかフォンターナリーリのどっちを本命にするかをぎりぎりまで悩んだけど、大外の追い込みは京都のGⅠクラスだと間に合わないかなというのと、それなのに他に良い馬がいないんで前の2レースは外の追い込み馬を本命にしちゃってたからね。もし、大外が伸びない馬場だったらGⅠを3つとも外すことになるから、さすがに怖くて内にしたというのもあったんだけど、裏目だった。クイーンマンボが内枠向きではないから、内枠の競馬なら本命対抗の1点目で決まるという読みもあったんだけど、この馬自体が内枠で嫌気が差しちゃったよ。

編;人気薄だったアンジュデジールは何が良かったんですか?

今;2走前に超高速ダートを走って、前走が深い馬場で、バウンド式として非常に良い形だったのと、位置取りにも動きがあったからね。問題は大外の横山典だけだよね。それが物理的な致命傷になる可能性がかなり高かったから、本命は怖かった。

編;確かに大外での横山典は、嵌まるか嵌まらないかのギャンブル要素、強いですよね~。

今;結果的に、外が間に合わないのはスプリントの方だったけど。ハイペース外差し競馬で予想したら、牡馬混合の1200mGⅠを京都ダートでやると、S質の強い前目と内しか間に合わない感じなのかな。完全なパワーレースだった。4枠より外で8着以内に来たのはモーニン、レッツゴードンキ、テーオーヘリオスだけだろう。

編;確かに予想で取りあげた馬だけですね。

今;それでも結局、外差しなんて全然間に合わないもんね。これが普通のレースならこの予想で良いんだけど、牡馬混合の1200mダートGⅠという、S質なチャンピオンレースで、かつ軽い京都という認識だと、そこが決定的なミスだったと認めるしかないよ。ハイペースだと振り切られちゃうね。


編;では、連続的中に向けて、エリザベス女王杯の分析にいきましょう!昨年は秋華賞3着後の5番人気モズカッチャンが勝ちました。今井さんはこの馬が本命だったわけですが、秋華賞3~5着は良いのですが?

今;24頭中3頭が3着以内だから、あんまり率は高くないよ。しかも2走前が1800mになってからのローズSだった馬で来たのは、このモズカッチャンが初になる。

編;データと違う馬を選びたがる今井さんらいし話ですが(笑)、どこが良かったんですか?

今;相手強化向きのC要素があるタイプだから、初の古馬戦は魅力だったよ。ただ、このコーナーはデータ分析コーナーだから、データで見ていこう。このステップで来た3頭は全て5番人気以下の人気薄だから、怖さはある。だけど、当日3番人気以内に支持された4頭は全て消えているんだよ。

編;あ、Mの得意なパターンですね。人気薄が来て、人気馬が消えているということは、例のやつですか?

今;そうだね。2走前にオープンで勝っている馬は8頭全て消えたのがポイントかな。前走もGⅠでそこそこ好走しているわけだから、2走連続激走だと蓄積の心身疲労の心配が出てくる。まぁ、そういう馬でも4着に来たのは2頭いて、うち1頭は6番人気の人気薄だったから、一概には切れないけどね。ちなみにその馬は2走前が1番人気1着で、前走は1番人気3着。つまり2走前の勝利は格下の相手で激走でもなく、前走は力を出し切れなかったというタイプだ。とにかく蓄積の心身疲労がポイントになるから、2走前にオープンを勝っていても、疲れさえなければ致命的な問題ではないだろう。
 次に位置取りだけど、来た3頭は全馬前走4角6番手以内。このタイプなら13頭中3頭が来ていて、4着も1頭。この4着以内の4頭は全て当日5番人気以下の人気薄だったから、人気以上に激走したことになる。だけど、4頭の前走1角は全馬5番手以降でもあった。この1角と3角の位置取り両方を満たすタイプなら、8頭中4頭が来ているよ。流れに左右されやすい位置取り系のデータだから、もちろん同じ必要は全くないんだけど、簡単にまとめると、「ある程度勝ちに動いていて活性化しているタイプが面白いけど、徹底先行型の場合は相手強化の延長で体力的に力尽きるリスクが高くなる」ということだね。ある程度活性化された、だけど馬群で我慢出来るタイプが面白いってことだよ。

編;2着のクロコスミアは府中牝馬S1着後の9番人気でした。この人気薄も上位評価で当てたわけですが、人気薄の府中牝馬Sで本命にして激走した直後だったので、上位評価にはびっくりしました。激走後に連続でまた上位評価は珍しいですよね?府中牝馬S連対馬は、良いのですか?

今;東京で行われたときの府中牝馬S連対馬は、32頭中9頭が3着以内だから、まずまずかな。来た9頭中7頭が前走3角5番手以内。このタイプなら15頭中7頭が来ている。Mの基本、「先行馬の距離延長」だ。ただ、この中で今回3角3番手以内だと、8頭中2頭が3着以内と率が落ちて、2番人気の馬も消えている。人気以上に走った馬は8頭中2頭しかいなくて、人気以上に走ってかつ馬券圏内に来た馬はこのクロコスミアだけだよ(笑)。まぁ同馬は相手強化でペース激化に向くC要素があるというのもあったけどね。基本はストレス時に勝ちに動き過ぎると、心身負荷が掛かって危ないんで、「前走勝ちに動いたんだけど、本来は好位で我慢出来る」みたいなタイプが理想にはなるよ。極端な脚質だけに、流れに嵌まっちゃうときは先行馬でも来るけど、かなりのリスク要因にはなるということだね。この馬みたいに、タイプとかも上手く嵌まらないとだよ。
 前走が4角6番手以降だと、17頭中2頭が3着以内と率が落ちて、当日3番人気以内の5頭中4頭も消えている。差し馬の距離延長という、Mの逆ショックだから仕方ないけどね。来た2頭は今回、4角でもまだ10番手と12番手だから、かなりの後方。仕掛けを遅らせて負荷を減らしたタイプだ。ただそういう馬でも消えた方が多いんで、流れに嵌まらないとだよね。またその2頭の2走前は小回り北海道の1800mだった。つまり前走後方でも、S質の刺激はある程度あったタイプになる。このタイプで消えた馬も多いから、強いて言えばということだけど。4着には2500mの馬も来ているけど、GⅡ目黒記念だから、S質の活性化としては十分だろう。まとめると、「単調でL質な条件ばかりを使われている差し馬は、より怪しくなるステップ」という感じだね。

編;3着のミッキークイーンは宝塚記念3着後の3番人気でした。ただ宝塚記念からの登録馬はいないので、16年にいきましょうか。




続きは週末のメニューで!

土曜の「厳選!勝負レース」に16年、日曜の「厳選!勝負レース」内に17年分が掲載されています。
ぜひ予想と合わせてご覧ください!