今井雅宏「重賞ステップ解析」キーンランドC

先週は札幌記念で◎マイネルウィルトスが11番人気4着となんとも惜しい結果に!
北海道開催も残りわずか。今週はぜひリベンジといきたいところだ。
早速キーンランドCの好走パターンを解析していこう。

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
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;重賞は衝撃的な結末でしたね~。札幌記念、北九州記念とも11番人気、6番人気の人気薄が本命でしたが、4着でした。

;衝撃とかではないよ。レース前から呆然としていた。天気予報の通りだったら、レースを見ても分かるとおり、2頭とも間違いなく来ていたレースだからね。阿呆らしいとしか言葉もない。前日に与えられた予報の情報では、あの2頭以外、期待値的に本命の選択肢は99%存在しなかった。レースを見てもう一度予想しろと言われたら、天気予報通りになるという前提なら、より確信を持ってマイネルウィルトス、シゲルピンクレディを本命にして、そして実際、馬券も当たったろう。ただ、それだけの話だよ。

;他のレースのポイントでも触れてましたが、予想の段階では15時から北海道が雨で、小倉は降っても小雨程度という予報だったんですよね?確かに雨が予報と違って降らなかった札幌記念は取り上げた馬の中で「雨が降りすぎるとどうか?」というニュアンスの2頭で決まって、豪雨になった北九州記念は取りあげた馬の中で、「雨降れば有利」という馬が1,3着で、降りすぎると?という本命は4着と、馬場の解説通りの結末でした。

;レースのポイントで、いつもより多くの馬を取りあげて解説したでしょう?

;そうですね。いつもは4頭ですが。

;実際、予報が当たるかわからなかったから、予報が外れた時の為に、各馬の天気の対応力に対するコメントを余計に入れておいたんだよ。そうするしか、これだけ熱帯化して不安定な気象状況では、対処策もないしね。

;なるべくああいうときは、僕もレースのポイントの道悪解説も読んで、買い目の参考にするようにしてますよ。

;なるたけ正確な情報を得ようとウェザーニューズで有料のメニューにも入ったんだけどね~。それだと午後の小倉は周辺で雨雲がぼちぼち発生しているだけだった。それなら今の超高速馬場状態なら、軽いクッション程度の馬場になるだろう。北海道は3時前後からしっかり降る予報だったんで、一時間くらいなら良馬場発表はまず変わらないけど今の重い馬場に一時間も雨だと湿ってかなりの重い良馬場になるという読みだよね。そうなれば、マイネルウィルトスでほぼいける。ストレスはないし、重巧者だしね。唯一の不安点はキレ勝負だけど、今の馬場で雨が少しでも降れば、それは心配ない。ハイペースにもなりそうだし。1,2番人気は酷い雨だと人気を考えると期待値ないけど、軽い降雨ならなんとかなるという感じで、雨量次第。ブラストワンピース、ウインキートス、ユーキャンスマイルの外目の追い込み馬は、活性化が弱いから予報通り雨が降らないと、ほぼ間に合わない。あるいは予報が外れて降り出しが1時間早まって2時なら、逆にかなり確率は上がる。

;それで細かく、それらの馬に「雨降れば間に合う」ような解説をレースのポイントで付けたんですね。

;あとサトノは、逃げない場合は、雨が降らないと揉まれて厳しい。

;それも解説通りの結末でした。

;ペルシアンナイトは、2000m以上で雨が降ると今までの成績からも体力的にアウトなんで66点にしたけど、雨が降り始めたのは非情にも4時過ぎだったね。ただ雨が降らないでもマイネルウィルトスは60%近くは馬券対象になるとは思ってたんだよ。切れ味勝負の流れでなければね。前残りの単調な流れを控え過ぎたのと、後ろからいくはずのペルシアンナイトが前に行ったのが誤算だった。あの位置から雨のない馬場の決め手勝負でどちらかというと先行馬が有力馬より後ろだと、GⅠクラスの3頭には間に合わなかった。降らないのなら、もっと道中で踏んで、5着の岩田みたいに乗ってくれれば良かったんだけど。上がり勝負向きではない先行馬が、雨が降らない馬場で綺麗に乗りすぎたよね。まぁ団野も特に勝ち負けの勝負を出来る馬だとは思って乗らなかったんだろうから、勝負をかけなかったのは仕方ないかな。予報と違って雨が降らなかった時点で、4着の可能性は濃かったのかもしれない。そこは予想の詰めが甘かったのもあるかな。でも、超人気薄の場合はピンポイントで天候も読めないとなかなか獲れないからね。どこかで馬場を決めつけて勝負をかけないとだよ。

;小倉は、逆に直前にスコールでしたね。本命は酷い雨にならなければということでしたが、あれでは厳しかったですね。

;この馬自体、ある程度は重もこなすけどね。むしろちょっとクッションの利いた馬場の方が、このステップなら対応はしやすいかな。パドックの時点では予報より少し強い程度の小雨だったから、これならなんとか堪える範疇なんで、「ふー、これで馬券圏内には、だいたい行けたかな」と安堵して買ったんだけどね。発走地点に画面が切り替わって、愕然としたよ。

;レース前に、狙い澄ましたようなスコールが来ましたね~。

;ぎょっとしたよ。あれだけの雨だと、上位3頭は道悪の鬼だから、どうしても、3,4馬身は結果も変わってくる。

;2,3着馬は実績からも雨が降れば有利と分かりますが、ヨカヨカは何故、「雨降ればベター」という解説だったんですか?

;天気予報が流動的だったんで、雨が一杯降ったとき用に、新馬戦での走りを何度もVTRでチェックしたんだよ。あのレースは稍重だったからね。そうしたら、かなり道悪が上手いことが分かった。あまり降らないで高速馬場だと疲れから一押しを欠くリスクはあったから、予報を見て押さえにしちゃったけどね。それでも一応、天気予報が外れたとき用に、重巧者ということをみんなに伝えておこうと、レースのポイントでこの馬も取りあげて解説しておいたんだ。

;それで5頭目でも、わざわざ「雨降ればベター」でピックアップしてたんですね。

;シゲルは1200mでS質な競馬で、あれだけのきつい雨だとよくない。1400mとかで、軽い降雨で力の要る馬場なら向くけど、スコールで滑るような馬場だと対応力がちょっと弱い。それでも外枠なら馬場の良いところを選べるから対応できるけど、インに押し込められての差しと、鬼レベルの相当の道悪巧者以外にはかなり厳しい競馬を強いられた割に、よく頑張ったけどね。あのスコールがなければ、レース内容を見れば誰でも分かることだけど、最低でも100%馬券圏内には来てた。本当に、ただそれだけのレースだったよ。天気が2競馬場とも予報と違ったのは、あまりにも悔しくて、そして残念だけどね。

;札幌記念は11番人気、単勝60倍台ですもんね。本当にあれくらいの超人気薄を本命にするときは好走率が高いんで怖いですし、期待しましたが・・・。雨が降らなかったので、今井さんのレースのポイント読んで、僕の本命もきつくなったのかな?と少し諦めちゃいました。では気を取り直してキーンランドCですね。昨年はUHB賞7着後の5番人気エイティーンガールが勝ちました。

;函館で行われたときも含めてUHB賞6着以下は、22頭中3頭が3着以内だよ。率は低いけど4番人気以内の人気馬が1頭もいなかったことを思えば、ストレスがないぶん悪くもない。来た3頭は前走3番人気以内で7~9着だった。前走3番人気以内で9着以内だった馬は来た3頭しかいなかったから、やっぱり力を出し切れなかった馬は怖いよね。2走前は3頭とも函館スプリントSで、2,3,7着。7着の馬は5番人気7着で、3走前はOP特別で1番人気3着だから、3走続けて力を出し切れないで疲れがなかった。他の2頭も、2走前はOP特別で1着と4着と好走している。それなりに調子が悪くなく、前走で崩れたという感じだね。前走は、3角3~6番手と正攻法で勝ちに動いて、今回は8~15番手。相手強化で巻き返す基本の、後ろに回る位置取りショックを仕掛けてきた馬だった。いずれにしても、巻返しステップだけに位置取りショックなり、極端な脚質なりがある馬の方がベターだろうね。

;2着のライトオンキューは、UHB賞2着後の1番人気でした。

;函館開催時も入れると、UHB賞連対馬は、14頭中3頭が3着以内だよ。来た3頭は前走2番人気以内で、このタイプだと6頭中3頭が来ている。やっぱり同距離の前哨戦連対馬だけにストレスはきついんで、前走激走でなく疲れの少ない馬がベターではある。来た3頭は、前走3角5~9番手で、今回は8~10番手。4着に来た馬も2頭いて、今回は5番手と12番手。相手強化で心身疲労があるだけに、あまり強引に動かず、疲労軽減のために矯めて乗る方がベターな感じだね。あと道悪の年は、7頭中3頭が来ている。特殊バイアスになって馬場に嵌まる形でストレスをカバーするパターンにも注意だ。2走前は、格下の準OP1着とGⅢを2番人気6着と、函館スプリントS取消でその前が5月の京王杯SCで2着。つまりトップクラスの蓄積疲労は少ないけど、それまでの調子自体はそれほど悪くないみたいなタイプには要注意だ。まぁどんなレースであろうと、そういう馬はM的に有利ではあるけどね。

;3着のディメンシオンは、中京記念9着後の9番人気でしたが、中京記念からの登録はいませんね。





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