今井雅宏「重賞ステップ解析」秋華賞

いずれも王道のステップレース、昨年の1~3着馬のステップレースであるオークス、紫苑S、ローズSを着順ごとに細かく分析。
また今週からは逆ショッカーに追加された種牡馬をピックアップして解説。第1回の今週はダンカーク。種牡馬の特徴を掴んで激走のタイミングを狙え!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
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;今週からクラシック三冠の最終戦が始まりますよ。菊花賞に向けて幸先の良いスタートを期待してます!その前に先週ですが、重賞は今年もサウジアラビアRCの方でしたね。本命のステラヴェローチェが出遅れましたが、終わって見れば圧勝でした。

;休み明けで2歳の先行馬だから、馬体増も悪くないし、想定通りの不良だったからね。精神コントロールの難しい馬で、好位の外々回って気分を害すのが最大の不安材料だったんで、スタート決めて1,2番手に行って精神コントロールして欲しかったけど、出遅れたから。「やばい。もう無理に出していくなよ」って念じたら、ほぼ最後方に控えてくれたからホッとしたよ。あれで外から無理に出していって好位の外を回ったら、たぶん掛かって終わりだった。最後方に回る位置取りショックと前に行く位置取りショックは、Mの精神コントロール上は、ほぼ同じだからね。あとは外が伸びる馬場になっているかどうかだったけど、普通に伸びる馬場だったんで圧勝だった。あれを見て、日曜は予報が雨のままだったから、同じ外差しの不良想定で予想したら、ほとんど降らなかった。結局、東京の方が内から乾いて行く馬場になっちゃったよ。お陰で外差し狙いだった日曜の東京は散々だった。最近の台風一過は、昔みたいにカラっと晴れるわけでもなく、それでいてどこまで雨が残るかも分からない、難しい天気になるから困るよね。今週末は台風が来ないことを祈って、しっかりリベンジしないとだよ。京都の方が、内から乾いて差しの決まらない馬場を想定したけど、普通の稍重で京都大賞典は厳しいペースになったぶん、そのまま量の豊富な人気の差し馬に独占されちゃったし。

;カセドラルは、大幅延長だからあまり追いかけない方が良いという解説でしたが、行っちゃいましたね。

;重い馬場の速い流れの差し競馬を、延長で昇級戦の馬が2番手で追いかけたら、きついよ。それ以前に、2キロくらいなら良いけど、あのステップで6キロ増だと厳しいんで諦めも付くけど。勝って楽をさせちゃってた。

;あと先週話していた逆ショッカーの種牡馬解説を、今週からして貰えるということですが。

;昔、回顧でやってたみたいに、新しい種牡馬を中心に、1ヶ月に1,2回くらいのペースで、少しづつ解説していこうと思うよ。今回は、先週出て来たダンカークを解説しておこう。

;今まで触れてなかった種牡馬ですよね。

;そうだね。逆ショッカーだと芝の中長距離の数値が良くて、ダートも平均的に決まりやすい。ただ短縮全体でいうと、ダートの短縮はあんまり勝ちきれないけどね。芝は短縮が一番だよ。体力とパワーと、若干の量で走るタイプで、M3タイプで言うと、S(LC)ないしL(SC)、LS(LC)くらいだ。S質が強いよね。気が良いタイプで、気分が乗ると凡走からでも巻き返せて、気分が乗らないとあっさりと負ける交互系になりやすい。生涯に一度の充実期はS系らしく、好走を続けるけど。ただそんなにL的ではないんで、短縮とかストレスがないとか、その馬にとって気分良いときなら馬群も割れて、それほど揉まれ弱さはない。戦う意欲の方が勝ってるS系だから。ただあんまり器用ではなく、ブレーキを掛ける展開だと少し嫌がるんで、あんまりごちゃつきすぎると良くない。位置取りショック、特に前に行く位置取りショックは、S質とパワーを伝えやすくて嵌まりやすい。芝の距離は、長距離とか短距離の方がパフォーマンスの高いステイヤータイプになる。中距離はキレ負けしやすいんで、少し湿った特殊馬場とか、リフレッシュ後とか、ハイペースでばらけてとか、そういうのがないと切れ味勝負だと勝ちきれないシーンが目立つよ。ダートも似た感じで、1600m~1800mの中距離はそんなでもない。期待値が高いのは1400m以下、長距離もまずまずだ。出世頭のメイショウテンスイが1400mで走っているように、スピードの持続力で走るパワー型で、Sの陰にLがあるタイプだから、1400mがちょうどベスト距離になってるね。

;なるほど。また今度、新しい種牡馬をやってくださいね。
 それでは、いよいよクラシック最終戦、秋華賞ですので、早速データ分析にいきましょうか。まず昨年ですが、オークス3着後の4番人気クロノジェネスが勝ちました。オークスは1,2着馬の登録があります。

;それなら、1着と分けて、まずここでは2~4着を見てみよう。オークス2~4着だと、6頭中3頭が3着以内だ。来た3頭は、2走前も4着以内。ただ該当6頭中5頭が4着以内だったから、これをして重要な要素と判断するのはやや性急になる。来た馬の前走は、3~12番手と様々。今回は前走3番手の馬が3番手、4番手の馬が5番手、12番手の馬が11番手。逆に来なかった馬のうち2頭は、前走6番手から2番手、7番手から4番手と前走より早めに動いた。まぁサンプルが少ない位置取り系のデータだから流れに依存しやすいけど、内回りを意識して前走より強気に動くと、内回りで前走より流れが厳しいぶんだけ、Mの基本として心身負担は増えやすい。あと来た3頭は、4走前に阪神JFを走っていた。ある程度タフな経験の多い方が、休み明けの大幅短縮に対応しやすいのと、それでいて4走前ということは年明けのレース間隔が詰まり過ぎてなく、蓄積疲労の少ない馬だったということでもあるね。

;2着のカレンブーケドールは、紫苑S3着後の2番人気でした。

;紫苑Sが重賞になってからの3~5着馬は、9頭中2頭が3着以内だよ。来た2頭は、1,2番人気で人気を裏切ったタイプ。前走2番人気以内は来た2頭だけだったから、やっぱり力を出し切れずに心身疲労の少ないタイプは怖いよね。あと来た2頭は前走3角6番手と2番手で、勝ちに動いていて、今回は8番手と7番手。トライアルで人気を背負って勝ちに動いて負けて、今回は相手強化の流れ激化で矯めて乗るというMの基本パターンだった。2頭とも、2走前は重賞で2着。春に激走したストレスを前走の凡走で取り切ったという形だったよ。

;3着のシゲルピンクダイヤは、ローズS4着後の10番人気でした。

;ローズSは、今年は変則だったんで、2000m時代も含めて細かく分けてみよう。1着と2,3着、4~7着、8着以下で分ける感じかな。そうすると、4~7着は、56頭中7頭が3着以内になる。そのうち2頭が道悪の年で、巻返しステップだけに特殊バイアスが発生したときは注意だよね。前走3角5番手以内だと、26頭中5頭が3着以内と率が上がる。今年は条件が違うから、特に位置取り系は参考値だけど、まぁ内回りの2000mになること自体に変わりはないから、ある程度勝ちに動いて活性化している馬の方が面白いだろう。その5頭の今回は、3角8番手以降。つまり相手強化の内回りで少し矯めるMの基本的な位置取りショックで、心身負荷を軽減させた馬になる。そういうこともあって、2走前は全馬3角5番手以降で、馬群にも入ることが出来るタイプだった。3走前は4頭が1600mの桜花賞で、もう1頭は2勝クラスの2600mだったけど、その馬は2走前が1200mの2勝クラスだった。つまり、タイトなS質がきついレースに出た経験があって、ある程度活性化されている馬の方が面白いということだね。
 前走3角6番手以降だと、29頭中2頭が3着以内と率が落ちる。4着馬も3頭いて、ヒモ穴なら注意だけどね。来た2頭は、2走前にオークスで連対していて、前走は力を出し切っていなかったタイプだった。ただこのタイプでも、当日1番人気の2頭が消えたから、良いってほどではない。その消えた2頭は、2走前も桜花賞で8着以内、3走前も重賞を2着と頑張っていた。一線級相手に頑張りすぎている馬もやや怖い。ちなみに今回4着に好走した馬には、オークスで10着以下に惨敗した馬も2頭いたよ。あと、来た2頭は今回4角8番手以内。今回4角9番手以内だと、13頭中5頭が4着以内には好走している。相手強化の内回りでも、動こうと思えば動ける機動力のある馬が、敢えて前走控えていた形に注意だね。





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