今井雅宏「重賞ステップ解析」菊花賞

今週は神戸新聞杯、セントライト記念の東西トライアルからのステップを解析。さらにダービー、皐月賞と遡ることで好走・凡走パターンが見えてくる!
また先週行われたレースを振り返りつつ、新潟千直レースのM的攻略法もがっつりお話しちゃいます!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日になんと無料公開!


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;今週は秋華賞も痛恨の10キロ増でしたし、準勝負の方でしたね。

;うーん、あれだけ雨が降ると基本的な馬場読みが難しかった。今週は勝負レースでしっかり当てないとだね。まずは天気が落ち着いてくれれば良いけど。

;それにしても相変わらず直線競馬は凄かったですね。土曜メインは12番人気で単勝33倍のマリノスピカ本命でワイド1点目、3連複8920円も当たりました。複勝でも7倍つきましたよ。日曜は一転、2番人気と人気のクルークヴァール本命で、単勝4.3倍、馬単15倍2点目的中で、3連単9110円も当たって、両レースとも的中でした。

;新潟は天候が安定していたのと、直線競馬は雨さえ降らなければ、コーナーがないぶんバイアス変化が少ないからね。ただ、そんなに自信はなかったし、日曜は馬体重も悪かったけど、終わってみると当たっているのはやっぱりMに忠実な直線競馬ということだった。土曜の12番人気の馬は、ちょうどよく増えていたんで、当日になって自信は出て来たけど。

;レースのポイントで、少し増えていればベターというような解説でしたね。

;レースのポイントで書いたように前走のパドックが凄い硬かったんだよね。それが消えるかどうかが全てだったんで、パドックでコズミが消えて馬体が増えていたから、安心したよ。

;出遅れて、直線も進路を探して右往左往と最悪な展開でしたけど、それでも最後は12番人気で突っ込んで来ましたもんね~。

;2着のクラシコがなんとも余計だったね。

;2走前に直線競馬で激走したときは、確か2番手評価で3連複90倍を2点目で当ててますし、よく知ってる馬ですもんね~。

;あのときは単勝23倍で人気も無くて面白かったけど、今回は3番人気だからね。いくらストレスが薄れてダートから芝でも、妙味は無い。これがこの間話した、直線競馬だけを狙ってくる馬のいやらしさだよね。2走前は行き当たりばったりでとりあえず直線競馬でも使ってみるかというレースで状態もまだ良くなかったんだけど、ショックだけを頼って激走して、今回は前回ほど鮮度はないけど、今回は2走前後からここだけを狙い澄ましたステップだったんで、2着には来られた。前走のダートを叩き台に使って凡走させるのも、恐らく計算され尽くしたものだろう。逆にマリノスピカはステップは凄く良いんだけど、初の直線競馬で恐らく試しに使ってみる程度の感覚の可能性が高い。そうすると、状態が全然駄目なケースも多いからね。そこが読めない怖さで、前日の段階では自信を持てなかった。状態さえ普通なら来るステップなんだけど、状態が最悪の可能性が、行き当たりばったりステップの場合はかなり高いから。

;それでレースのポイントでパドックについての解説が、細かくなってたんですね。

;結局、不安材料の状態が当日解消されてちょうどよく増えていたから激走した。例えばほぼ同じステップで10番人気だったクリノビッグサージも、状態が普通だったら恐らく上位に来てたよ。でも叩き2戦目のさらなる8キロ増で、明らかにパドックも太くて終わってた。これが行き当たりばったりステップの怖さになる。陣営が、直線競馬を走る馬ということを認識さえしていれば、それに併せて状態を整えてくれるんだけどね。ただ血統的にも、細かいステップ分析的にも、クリノよりもマリノの方が今回の直線競馬適性は上という判断は出来るから、仕上がっていないで太めで出てくることになるクリノを本命にするという、最悪の事態は避けられたけど。

;あと秋華賞の方は、本命の「大幅増減注意」だったウインが10キロ増で出て来ちゃいましたね。あれだと同点対抗のデアリングで仕方ないですか?

;ちょっと調整が軽かったから。あんまりGⅠに慣れていない厩舎なんで、緊張して調整ミスってる感じがしたのが怖かったんだけど、不安の方が的中しちゃったね。叩き2戦目なのに、連対時最高馬体重より12キロ増でのプラス10キロで、明らかに太かったよ。ただ、このレースは馬場を読み間違えたから、既にどうしようもないけど。内から乾いていく馬場になって、混戦の内を割れるしぶといタイプを狙ったけど、土曜のままの外差しだったから。ペースもそんなには速くなくての外差し馬場だから、量系の競馬で、4着まで全馬、量の豊富な外差し競馬向きの差し馬だからね。狙ってたレース質と真逆だから、太くても諦めはつくかな。断然人気が外差しの量系タイプだから、それを逆転するには逆のタイプしかないんだけど、断然人気のバイアスになってることが多いんで、馬単流しなら確かに同じ外を回ったら良さそうな量系の追い込み馬で近い枠の馬をピックアップするのが馬券的には正しかったのかもしれない。賭けに負けたということだった。雨が降って内が乾いていく過程で、土曜のままの外伸び馬場の前提、そのシナリオが日曜に崩れていって荒れるパターンの方に賭けてC要素のある馬で予想したけど完全に失敗だった。芝が内から乾いていったのは、東京の方だったよ。

;東京メインなんか、内から乾いく典型でしたもんね~。

;S君は今週も当たって連続的中だから、余裕じゃないの?

;まぁ堅いレースなら、きっちりと僕が当てさせて貰いますよ~。

;と言っても2着は10番人気だから、冴えた予想だったよ。

;▲の2着馬は稍重まで回復しましたし、馬体も10キロ増でちょうど2歳の頃まで戻ってきましたから、ワンポイントアドバイスのチェックポイントをクリアしてホッとしましたよ。やっぱりMが体に馴染んできましたかね~。それと、種牡馬解説はどうですか?

;ちょっと今週はダウンしてたんで、来週にでもやろうか。

;それでは早速、データ分析です。今週はお待ちかねの菊花賞ですね。数々の伝説予想を繰り広げたレースですし、今年もよろしくお願いします!
 昨年は神戸新聞杯3着後の3番人気ワールドプレミアが勝ちました。

;今年は前哨戦が2200mになったから、一応2000m時代も含めて見てみようか。神戸新聞杯3~5着は、48頭中17頭が3着以内だよ。数が多いから位置取りで分けてると、前走3角5番手以内だと、22頭中9頭が3着以内。条件が今年は違うから、位置取りはデータ的にブレが出てくるリスクはあるけどね。この中で3走前が1勝クラスの馬は3頭とも来ていて、4走前に1勝クラスで連対していた馬も3頭とも来ている。比較的鮮度の高い馬は有利だね。2走前が重賞の馬は、15頭中5頭が3着以内と率が落ちる。この中で3走前も皐月賞以外の重賞だった馬は4頭とも消えていて、皐月賞だった馬も皐月賞で連対していた馬は2頭とも消えた。つまり蓄積ストレス、疲労のない馬が良いということだね。3走前が皐月賞なら間隔開いているんで蓄積疲労は少ないけど、頑張りすぎてると怪しくなるということだから。
 前走3角6番手以降だと、26頭中8頭が3着以内になる。そのうち、今回4角8番手以内になった馬だと、14頭中8頭が3着以内と率が上がる。行こうと思えば行けるけど、敢えて控えていたような、機動力のある差し馬が理想だね。ただ、今回3角3番手以内の馬は3頭とも消えているけど。3頭とサンプルの少ない位置取り系のデータだから参考値ではあるけど、相手強化で強引に前に行く位置取りショックは、流れに恵まれないとM的に辛く感じるリスクは普通高くなるからね。来た馬の2走前は、GⅠが5頭、若葉Sが1頭、2勝クラスが2頭。2勝クラスの馬は、小倉の2000mと新潟内回りの2200m。若葉Sも内回りだよね。つまり、それまである程度S質で、タイトなレースを経験していた方が、前走後ろよりという活性化の弱さを補えてプラスになる。2走前がGⅠでなかった馬は、13頭中3頭が来ていて、来た3頭はその2走前に連対していて、3走前は1勝クラスで1着。もちろん同じステップである必要はないけど、つまり勢いと鮮度のある馬が有利ということだね。2走前がGⅠだと13頭中5頭が来ていて、来た5頭はその2走前で8着以内だった。そういうタイプで消えた馬も2頭いたけどね。

;2着のサトノルークスは、セントライト記念2着後の8番人気でした。

;セントライト記念は重賞本でもやってるから、ここでは角度を変えて2,3着のゾーンで見てみようか。そうするとセントライト記念2~3着馬は、41頭中8頭が3着以内だよ。来た8頭は、全馬前走2角で6番手以降。そこから捲っていった馬もいるけど、少し抑えて競馬をしたタイプが優勢だ。セントライト記念は中山の2200mで少しS質がきついんで、大幅延長で京都のステップだと、精神コントロール上ある程度我慢したタイプの方がレースはしやすくなる。2走前は8頭とも2200m以上。これも忙しい距離でS質を刺激しすぎていると、中山からの大幅延長で精神コントロールを失うリスクがあるということだね。4着や5着には、2走前が2勝クラスの2000mの馬もいたんで、その辺は少しヒモ穴で注意は必要かもだけど。2走前がダービーの馬は、14頭中5頭が来ている。その5頭のうち、4走前が重賞だった馬は、7頭中1頭が3着以内と率が落ちる。蓄積ストレスがあると怖い。唯一来た馬の4走前は、きさらぎ賞だから、距離が1800mで2月のレースなんで、重賞でも蓄積の芝長距離カテゴリーストレスは薄かった。しかも、5走前は1勝クラスだったしね。
 2走前がダービーでなかった馬は、27頭中3頭が3着以内。前走差している馬だから、2走前が下級条件だと活性化の弱さが少し怖くなるね。来た3頭の2走前は、2勝クラスの新潟2200mで、3走前は小回り小倉と福島の条件戦だったよ。

;3着は神戸新聞杯2着後の1番人気ヴェロックスでした。神戸新聞杯連対馬は、どうなっていますか?

;38頭中17頭が3着以内だよ。数が多いからとりあえず前走の位置取りで分けると、前走3角5番手以内だと、15頭中7頭が3着以内になる。

;あ、今年の登録馬は2頭とも、前走6番手以降の馬です。

;それなら6番手以降で見てみると、23頭中10頭が3着以内だね。ただ4角でも10番手以降だった馬は、7頭中1頭しか来てない。今年は条件が変わってるんで、位置取り系のデータは参考までだけど、活性化が弱いとリスクも高いということだね。唯一来たのは道悪の年だった。馬場が重くなれば先週もそうだけど、活性化が弱い馬でも来やすくなるのは、重賞本でも解説した通りだよね。活性化が弱くても、重い馬場なら苦しがらずについていけるから。まぁ先週の秋華賞3着馬みたいに外差し馬場にならないと、活性化が弱いとやっぱり怪しいわけだけど。

;先週は出遅れて最後方からの追い込み競馬ですから、活性化の弱い馬にピッタリの競馬になりましたもんね。

;うん。で、来た馬の2走前は、10頭中9頭がダービー。つまり使い込んだ疲労がなく、かつタフな経験をしている馬が有利ということになる。唯一ダービーでなかった馬は、2勝クラスからだったけど、3走前には重賞を使っていたからタフな経験はあったし、3走前は3月だったからね。蓄積疲労の心配もなかったよ。それにその年は、さっき出て来た道悪の年だった。下級条件からの差しだと活性化が弱いんで、馬場レベルが重くなって前半の追走が楽になるのはプラスだし、前走が単調なレースだった場合はばらけて揉まれにくいのもプラスに働きやすいから。2走前がダービーだと15頭中9頭が来ていて確率が高い。1,2番人気だけでなく、4番人気の馬も来ているから、優位なステップということだね。ただ来なかった6頭はみんな2番人気以内だから、安心とまでは言えないけど。この中で比較的危ないのは、今回4角8番手以降になった馬で、4頭中3頭が消えている。機動力のないタイプは展開待ちになりやすい。あと2走前のダービーは凡走していても良いんだけど、3走前の皐月賞で4着以下だった馬は2頭とも消えている。菊花賞の方がダービーよりもS質が強いからね。神戸新聞杯がダービーに近いL的な条件だけに、どちらかというとダービーよりは皐月賞の適性が重要なステップということになる。





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