キムラヨウヘイ NHKマイルCの有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽プリモシーン 牝3 戸崎 55 美北 木村
ここ最近の戸崎騎手について…個人的にはヘグリ騎乗で人気馬を飛ばした後に出す敗因コメントにかなり違和感を持っています…そこでは「騎乗ミスを認める」のではなく「馬の状態面・精神面の問題を指摘する」のがあまりに多いので。

その代表例が桜花賞プリモシーンのケースで、それの敗因としては恐らく大多数の意見としては戸崎Jの騎乗ミス(詰まり)は避けて通れない最大要素だったと思いますが、当の戸崎Jはその部分を避けたコメント出しを出しています。

競馬ニュースマニアの私が見てきた限りでは、自身の騎乗が不味かったコメントは一切出されていません。
巷に出回る騎手の敗因コメントというのはレース直後の記者取材で聞きだされるモノなのですが、どうもそこでは自分のミスを隠す傾向は否めません。

また、競馬ラボ(競馬サイト)での自身コラムでも桜花賞プリモシーン回顧を展開しているのですが、そこでも『どんどんテンションが上って嫌な感じ』『集中力も欠いた雰囲気』『精神的な課題が出て』などと馬の問題を指摘するばかりで、自身の騎乗云々については一文字も触れていません。

流石にクラブコメント上では触れざるを得ないはずなので触れていますが、それを除けば自分の騎乗云々がメディア上に乗るのを避けているのではないかと思える様な…そもそもコメントしない横山典Jは除いて戸崎Jが騎乗ミス無視コメント率はトップクラスという印象です。


いや、もちろん私よりも戸崎Jの方がプリモシーンのコトを何倍も何十倍も把握しているワケで、もしかしたら別に戸崎Jの一見騎乗ミスも実はあの着順への影響はゼロに等しくて、どんなに上手く乗っても馬の精神状態が悪くてあれ以上は着順が上がり様がなかったのかも知れません。

ただの戸崎Jへの悪口になってしまいましたが…つまりは元リーディングジョッキー戸崎Jは、公に対しては桜花賞の着順は自分の騎乗ではなく馬の問題と言っているというコトです。
戸崎Jが言うコトが正しければ、桜花賞で少し詰まった様に見えたからと言ってココで再評価は不正解というコトですね。

一応私の見解としても、当時の有力馬診断では『初西下がいきなり本番桜花賞というのはやっぱり嫌な材料です(特にこの難しい血統馬だけに)』と書いた通りで、そして戸崎Jも無いものを有ると指摘するコトはしないはずで…桜花賞は馬と騎手が半々の責任で着順を下げたもので、連戦ローテで馬が良い方に変わる可能性可能性もどうかですから一変期待はしません。


―ロックディスタウン 牝3 池添 55 美北 藤沢和
まずは3走前札幌2歳S後の回顧文を参照↓
『唯一、世間的に本格派として激走した1着ロックディスタウンだが、父オルフェーヴルをどう解釈するのかだろう。
オルフェーヴルの父ステイゴールドの牝駒と言えば、こういう2歳早期に大きな期待を見せてその後に尻すぼむというのがあるあるで、それを孫世代でも受け継いでいて何らおかしくない。
少なくとも晩成オルフェーヴル産駒にも関わらず2歳重賞激走という文脈で高評価するよりも、現に晩成ステゴ産駒でも牝馬ならば早熟傾向あるという点を重視して捉えるべきではなかろうか。
父系だけでなく、コノ馬の場合には姉に早熟ステゴ牝駒の代表例であるキャットコインもいる血筋で、まあ間違いなく2歳早期にこそ活躍できる馬だと見做して良いと思う(略)』
・・・
同じ母ストレイトキャットの仔には「3/4姉ワンブレスアウェイは9連続好走→5連続凡走」「全姉キャットコインは3連勝→10連続大敗」が居ますが、そんな再起不可のプッツン配合と言える血統背景馬と見做せます。
それと被る様な“2連勝→2連続大敗”となったロックディスタウンも、前々走は大外枠とか前走はスタート後不利が敗因とされていますが、仮にそれが無かったとしてももう大敗するしか無い終わった馬になっている可能性が高いです。
ワンブレスアウェイもキャットコインも即見限りが最も利口でした…この手のタイプの馬は復調期待を懸けるよりも、バッサリ斬り捨てるのが高確率高期待値戦術なのは間違いないでしょう。


―ルーカス 牡3 ボウマン 57 美北 堀
前走スプリングS(2人9着)では危険人気馬とした馬で、その前のホープフルS(2人6着)でも結構ディスった馬です。

まずは前々走ホープフルS後の回顧文を参照↓
『ルーカスは堀調教師は予ねてから、鞍上ムーアも調教で乗った感触として散々完成度不足を口にしていたが、やはり実際のレースでもフラフラしたり真っ直ぐと走れなかったりと集中力不足や未熟さが目に付くパフォーマンスであった。
そもそもスクリーンヒーロ牡駒自体にそこ傾向があるのだが、また全兄モーリスだって古馬になってから確変した馬であるし、2歳時に新馬勝ち&重賞2着という時点で将来性を大いに楽しみにできるだけの期待以上の結果を出していると捉えるべきかも知れない。
現時点では並のOP級馬…全ては成長力に懸かっているが、そこの面では大きな期待ができるバックボーンある馬だけに長い目で注目していきたい。』
・・・
コノ馬の唯一の拠り所ある実績である東京スポーツ杯2着も、つまりは3着以下の相手関係が軽すぎた分での好走結果で、それも4着まで0.1秒差という紙一重の重賞好走です。

その後は八百長昇格の低レベルG1ホープフルS6着・スプリングS9着というのは全く以て評価できない戦績になります。

全兄が強くなったのは古馬になってからであり、現に晩成色を醸し出している全弟に対して“血”を根拠に大人気に祭り上げるのは…まだ今(3歳春)ではないでしょう。
相変わらず堀調教師の手腕を以てしても順調な満足な調教過程を踏めない様な現状の完成度です。


―ミュージアムヒル 牝3 ○○ 55 美南 古賀慎
―リョーノテソーロ 牡3 吉田隼 57 美南 武井
ミュージアムヒルのOP実績(スイートピーS1着)・リョーノテソーロのOP実績(クロッカスS1着)は共にレースレベルDEで重賞よりも500万下に近い様なレベルのレースです…ルーカスの東京スポーツ杯2歳S2着も同じくですが、2歳3歳世代限定の乱立している重賞OP戦というのはレースの格に実態が伴わないレースが多々ありあますので…そこの見極めは何よりも出発点にしなければならない点です。


―ミスターメロディ 牡3 福永 57 栗東 藤原英
―フロンティア 牡3 内田博 57 栗東 中内田
ミスターメロディは前走ファルコンSでは◎推奨した馬。
当時の推奨根拠としては『今回の出走メンバーは約7頭が重賞orOP好走歴有り馬という一見粒揃いメンツによる一戦に見えるかも知れないが、それは昨今の2歳夏~3歳2月までの重賞OP競走乱立の新番組編成の功績(功罪)と言うべきで、実際には本来の重賞OP競走好走級の能力を保有していない馬ばかりの一戦である』というのが基幹にありました…それなら初芝でも質的に一段上の戦績を持つコノ馬の方が上でしょうと。

結果的には読み通り…そういう名だけ前走OP好走実績人気馬全滅して、非上位人気の前走朝日杯FS10着馬&8着馬が2着3着に食い込んだという一戦でした…つまりはファルコンSはそういう朝日杯FSに当てはめれば掲示板外で争っている様なレベルの低いレース結果であったという。

そこでの好走結果を引っ提げていざ芝マイルG1挑戦というコノ2頭については…足りないという見方になります。


━━━(後編)へ続く。

気になる休み明けのあの馬もしっかりチェック!
新潟大賞典はこちら!