キムラヨウヘイ 函館SSの有力馬診断の総まとめ(前編)

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します

▽アドマイヤゴッド 牡6 岩田 56 栗東 須貝尚
OP昇級後は重賞OPで掲示板内級の善戦を繰り返しているが、その5走前から2走前は全てソラを使っての着差小さい敗戦だったという点からは、見た目程は案外弱くない馬とも考えられる。
前走京王杯SCは不得手な距離千四での敗戦。
古馬になってからは[距離1400以上→距離1200]での一変劇が一種のパターンにもなっていた通り、この距離短縮は面白いローテ。
上手いこと内枠を引くことができれば、そして進路が開ける幸運もあれば、岩田Jの内に拘る競馬での食い込みも無きにしも非ずか。


―エポワス セン10 蛯名 57 美北 藤沢和
前走オーシャンS15着後には鞍上田辺Jから時計対応に苦言を呈されていた。
高齢10歳を迎えてズブさが隠せなくなっている近況で、得意洋芝とは雖もこの高速馬場必至の開幕週馬場でどうだろうか。
昨年の当レースではそんな馬場で3着好走しているが、超Hペース展開で差し嵌まったモノでしたので…。


▽キングハート 牡5 北村宏 56 美南 星野
前々走シルクロードSでは始動戦馬受難傾向レースでの休み明け初戦凡走という経緯。
その上、コノ馬の場合には帰厩後にも脚元不安残っていた模様で本来の形ではない坂路調教のみで仕上げられていたというワケ有り要素もありました。

それに対して前々走オーシャンSでは通常通りのコース追いを取り入れられており、結果的にはなんてコトは無い攻め強化での休み明け2戦目での一変劇でした。ただ、6着馬までが0.1秒差内にひしめき合う大混戦で、中枠先行からの完璧に流れに乗る騎乗あってこその勝利なので価値は微妙です。

今回函館SSは高松宮記念以来の休み明けローテとなりますが、それでシルクロードSパターンの調教過程ならば軽視・オーシャンSパターンの調教過程ならば重視という説が採れるはずです。

その今回調教過程ですが2週前まではプール多用と坂路オンリーというモノで、1週前になってようやくW調教を課してきました…つまりはそれの中間に位置する調教パターンとなります。
買い消しは言い辛いですが、これで大人気となると食指が動く馬ではないです。


―ヒルノデイバロー 牡7 四位 56 栗東 昆
コノ馬は他馬を気にする面がある馬で、例えば5走前UHB杯は内枠競馬で逆噴射→4走前オパールSは外枠先行で巻き返しという経緯だったり。

3走前スワンSは再び内枠を引いて危うい局面だったが、主戦騎手としてようやく癖を掴んでいた四位J騎乗だったのと、全馬が外に持ち出す形だったが故に極端内枠ながらもノーストレスの競馬が叶うという幸運あっての2着激走だった。

そして近2走は多頭数戦の非内枠の良馬場戦で、スンナリとした形に持ち込めずにプレッシャー掛けられる隊列で戦意喪失という敗戦。

そういう条件噛み合えばガラリの可能性秘める馬ですが、それはこの狭い函館コースでのフルゲート多頭数戦では確率低い話と考えるしかありません。


▽ダイアナヘイロー 牝5 武豊 55 栗東 大根田
3走前シルクロードSは非逃げ競馬で折り合い難しくて自滅した形で、2走前阪急杯では一転して距離延長の楽逃げとなれば…これは理想的な一変パターンだと言える。
その武豊Jもアポロノシンザンが逃げるからと当初は逃げの手は考えていなかったとの話で、スタートを出てからの瞬時の判断での逃げ主張…そこの部分の幸運は大きいモノであったし鞍上武豊だったからこそできた芸当とも言える。
ただし、上位8頭までが0.2秒差内にひしめく決着で、その2着以下馬は直線団子状態が災いしてロスや詰まり事象が少なからず起こっていた中でのただ一頭だけ悠長な競馬をできての粘り込み…パフォーマンスとしてはそこまで秀でたモノではありませんでした。

前走高松宮記念は相当厳しい逃げの手を打たされたモノで度外視できる大敗でした。

ポカも全然有り得る近況からは信用し辛いですし、また重賞実績の北九州記念1着・阪急杯1着ともに恵まれた面が強いのは否めませんので…重視はしません。


★セイウンコウセイ 牡5 池添 57 美北 上原
まずは昨秋スプリンターズS時の有力馬診断見解(抜粋)を参照↓
『高松宮記念激走については、ダートレースでの良績や芝道悪での良績からも当時の渋化急坂のタフな条件への適性面での勝利という側面もありそう。
その上で、同じく4歳馬で当路線頂点を窺おうとしていたシュウジ・ソルヴェイグが自滅且つ他には非スプリンターや古い馬ばかりが上位入線という、言わば地盤沈下路線での消去法的な勝利であるとも。』
・・・
5走前スプリンターズSについては内枠から前に行けずに揉まれたのも堪えたというのと、そもそも状態面で水準まで達していなかったという話(高松宮記念はTMS◎・スプリンターズSはTMS▲)もありました。

4走前スワンSも今となっては距離千四適性がどうだったのかはモチロン関係あるとしても、それ以上にTMS×というのが目に付きました。それは前々走京阪杯も同様で、5番人気でTMS×ってのはやはり何かあるというコトですので。

そして3走前シルクロードSではTMS△で2着好走…本調子ならば高松宮記念G1完勝歴ある馬ですので勝って当然の馬だと思いますので、その意味では近2走よりは復調も本調子手前で恵まれた競馬での2着止まりというのは…ものすごい都合良い解釈をすればTMS情報の通りの結果とも言えなくは無いです。

そして前々走高松宮記念ではTMS×で6着止まり、前走京王杯SCでもTMS△で5人12着人気裏切り凡走。

まとめると 「高松宮TMS◎5人1着→スプリンターズTMS▲3人11着→スワンTMS×3人14着→京阪杯TMS×5人7着→シルクロードSTMS△5人2着→高松宮TMS×5人6着→京王杯×5人12着」というTMS連動馬と見做せるでしょう。

ですので、今回もソレを最重要ファクターとして活用させたい場面と見ます。
引き続きTMS△以下ならば軽視⇔TMS〇以上ならば一変可能性有と見て重視・・・ちなみに1週前時点では◎です!

(※TMS(トラックマン・インサイダー)予想術とは=競馬専門紙の厩舎担当記者や騎手エージェントなど、内部と密な関係を持つ真の情報通が打つ予想印から[表に出ることのない好不調などのインサイドな情報]を、独自の手法を使って読み解く当予想のテクの一つ。TMS◎とは、その情報が◎(買い)というコト。)



━━━ (後編)へ続く。

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