今井雅宏「重賞ステップ解析」京成杯
今週は京成杯を解析!
昨年は2000mの1勝クラスをステップに挑んだ馬が2、3着。それぞれの位置取りから傾向を探っていこう。
かねてよりご要望の多かった重賞ステップ解析が待望のアーカイブ化!
週末コンテンツのレース回顧と合わせたひと月分をG×PeBOOKにて電子書籍として毎月販売!
11月号は秋のGⅠ後半戦と、福島開催での激闘などを収録!
重賞ステップ解析とは
今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日に公開!
さらに週末のメニュー
・土曜日の「厳選!勝負レース!」に2年前のレース解析
・日曜日の「厳選!勝負レース」に3年前のレース解析+ワンポイントアドバイス
が掲載されます!
編;今週も得意の2,3歳重賞の京成杯など、2重賞ありますよ。昨年も的中させてますし、2年連続で的中を期待してます!
今;日経新春杯は本命の馬体重が怪しくて、対抗だった4番人気の方が来たんだったよね。いつものように、今週も馬体重に注意してだね。
編;ではまず回顧ですが、先週は正月の変則開催で大変でしたよね。Mの祭典の1つフェアリーSは、また9番人気と人気薄の本命が激走しましたけど。
今;縦長の展開になって、外を回った差し馬はかなりロスのある競馬になっちゃったね。
編;中枠以降の差し馬はエストゥペンダ以外、人気馬も壊滅でしたもんね。僕は本命対抗から3連複も随分儲かりましたけど(笑)。エストゥペンダは、今井さんが本命にしていたのでしっかり相手にとりましたよ~。
今;相手が人気2頭なのに、3連複で247倍だもんね。ちょっと振り回しすぎたかな。S君はバッチリ馬連1点目的中だったね。しかも3連複もとは、最近、やけに僕の予想も使いこなして上手くいってるじゃん(笑)。僕は複勝の6.2倍だけだったけど。
編;今井さんが挙げた人気薄は、馬体重が合ってれば必ず入れてますから儲かってます。ところで、なんでまたエストゥペンダだったのですか?僕は全く気づかなかったので助かりましたけど。
今;この馬はデビュー2戦でコントロールが利かなかったんだよね。あとスタートも悪かった。
ただ20キロ増えた前走は、スタートも決まって、かつ掛からずに真っ直ぐ走っていたんだ。つまり精神的に落ち着いてきたから、中間なのか輸送かまでは分からないけど、レース前の消耗がなくなって20キロ増えたということになる。それまでは心身が消耗して、馬体を減らしていたわけだね。
減らなかった前走が本来の姿で、かなり強い内容だった。しかも中山みたいなタフな馬場に合う内容だったし、2,3走前から上がり勝負にも対応出来る。つまりハイペース差し競馬でも、緩い流れの上がり勝負でも対応出来るという、二重のセーフティーネットがあったわけだ。
それと本来は馬群に入れて強いタイプなんで、外めの枠でも騎手がその気なら内伸び競馬の場合はぎりぎり馬群に潜り込める6枠だったしね。もともと馬群に入れて良い馬だから。もちろん、外差し競馬ならそのまま外を回れば良い。そういう意味でも馬場に左右されない枠、タイプだったわけだ。
編;それで本命だったわけですね。
今;唯一の不安は、また入れ込んで減ってくることだよね。そうなると前走の落ち着きが一過性のもの、あるいは初めての中山輸送でテンパったということで、2,3走前に戻って凡走する可能性が高まる。
編;なるほど。それで結局、当日は4キロ増で入れ込みもなかったので、一気に勝負馬になるわけですね。
今;そうだったね。パドックを見て、レース前はかなり自信あったよ。スローの上がり勝負でも、ハイペース外差し競馬でも来るからね。
編;単勝27倍の馬を捕まえて自信があるというのも、また相変わらずですね(笑)。結局1頭だけ外から伸びてきましたが、外差しの利かない競馬になっちゃいました。僕はレース中、ハイペースだったので、これでは僕の◎〇だったティラ、エリカエクスプレスは厳しくなったと頭を抱えましたが、残ってビックリしましたよ。
今;エストゥペンダは道中の手応えもあったから連対出来るだろうと思ったけど、レース中、ちょっと気になることがあったんだよね。かなりの縦長になったでしょう?
編;ええ、そうでした。
今;縦長になると前が残る馬場だったんだ。土曜もスローの11Rは外の追い込み競馬だったけど、速い流れになった同じマイルの最終は前残りで、1番人気が間に合わないで3着だったようにね。しかもあれは少頭数だったから。縦長で、かつ今回は多頭数なんで、仮に直線の入り口で馬群が膨れると、外の差しはさらに外を回って余計に間に合わなくなる。有馬のときから、ずっと中山はこのタイプの馬場なんだよね。
編;そういえば有馬の解説でも話してましたよね。団子状態だと外差しになるから、前が残るには縦長に持っていくしかないと。
▽今井雅宏の魅力満載のブログはこちらから!▽
今;有馬は緩ペースだったから外の差しが有利になったわけだよね。このパターンの馬場が一番絞りにくい。ハイペースで縦長だと前が残るけど、スローの団子状態だと外差しが決まるという状態がね。
その逆なら普通にペースにあわせて予想すれば良いだけで楽なんだけど。かといってハイペースの前残りを狙っても、ハイペースで馬群がばらけない場合はほぼ確実に前は潰れちゃうからね。逆にスロー想定で敢えて差しを狙っても、団子状態でなくスローでの縦長なら確実に前残りになる。
編;つまり、ペースというより道中の隊列で決まるわけですね。
今;差し馬が勝負所で前を射程圏に入れられるかだよね。しかも、このバイアスが明日も残っているかというと、その保証はないわけだから余計に絞りにくい。ハイペース想定で敢えて前を狙って、このタイプの馬場でなくなった場合、目も当てられないから。
編;つまり、あの昨年の最終日のパターンと同じ馬場状態が、まだ継続しているわけですね。
今;基本的にはね。ホープフルSは、ばらけて外差しの間に合わない流れになって、やっぱり単勝20倍台の人気薄の外枠で本命だったジュタが4着に負けちゃったやつだよね。あれのリプレイみたいなレースになった。
編;逆にそのあとのファイナルSは、団子状態になったんで、外差し競馬で32万馬券を的中したわけですもんね。確かにあのときの解説と同じ馬場なわけか。
今;だから隊列をピンポイントで当てていかないと、馬場が逆でも力とステップの優位性でなんとか3着くらいには来られても、相手は狂いやすい。エストゥペンダは、差し馬は内枠有利の展開で、内から完璧に乗ったマーカントをよく抑えられたけどね。ただあの馬場で縦長になると、もっと早い段階で踏んでいかないと、まず大外の差しは物理的に間に合わないよ。
編;それでも「馬群に潜り込めば」の解説通りに騎手が乗ってくれれば良かったわけですよね?結局、外を回っちゃいましたが。やっぱりサートゥルナーリアは、C的要素が強いわけですか?
今;精神的に不安定だけど、馬群は割れるよね。だから入れ込みが消えて馬体が増えてきたタイミングは、余計にこういう相手強化の混戦では狙い目の種牡馬になるよ。
編;それとシンザン記念はギョッとするほど振り回しましたよね(笑)。最低人気本命で、13番人気対抗でした。
今;変則開催の月曜だから、各馬状態も読めないし穴を狙ったけど、穴は穴でも違う馬だったよ。前日の内伸び馬場だと、まさか大外枠の差し馬は用なしと思ったら、土曜と違って内以外も伸びる馬場になっちゃったね。
編;人気馬の中では、勝った3番人気のリラエンブレムがトップ評価でしたよね?
今;他の人気馬は買いたくなかったから、人気で買うならこの馬くらいだったよ。ただリラエンブレムは土曜の内伸び馬場だと、伸びるインに殺到した馬群を割らないといけない。そういう競馬は苦手だから本命にしなかった。
結局日曜と違って、ばらけて中目が伸びる馬場と展開になったんで、タイプ的にも揉まれずスムーズに体力を活かせる、キズナにピッタリの設定だったわけだけど。
日曜の最後は、内と前以外は物理的に用なしの馬場に急変したんで、あれだけ極端な強制バイアスを見ると、どうしてもこういう人気馬は本命にしにくくなってインを突ける人気薄狙いになってくる。
編;そういえば日曜の新春Sは、予想上位3頭が4着以内でしたが変な先行馬に残られちゃいましたもんね。
今;だよね~。あとはいつものように馬体重とかに注意してだね。例えばニューイヤーSなんかもそうだったけど。
編;だいたい予想上位馬が来て当てたレースですよね?
今;キープカムカムが12キロ減だったでしょう。あれでほぼアウトだよ。
編;「除外明けがどうか?」という解説でしたね。
今;この大幅減は調整が上手くいかなかったという証拠だからね。あとイフェイオンがパドックでかなり入れ込んでたでしょう?
編;「入れ込み注意」で、入れ込みがきつかったですよね。
今;結局、一回使っても収まらなかったから、前走と同じような結果になるわけだよ。
編;とにかく、馬体重と入れ込みに関するコメントに注意ですよね。それで馬券を絞り込めば、確かに3連単の万馬券も当てられるレースでしたし。
今;厳寒期、特にこの時期は調整が難しいから、馬体重で絞り込むのはより重要になってくるね。
編;ではデータ分析にいきましょうか。分析は競馬場が同じ京成杯が良いですかね。
昨年は京都2歳S4着後の5番人気ダノンデサイルが勝ちましたがこのステップはいません。2着は2000mの1勝クラス勝ちのアーバンシックが来ました。東京からのステップが登録してますよ。
今;2000mの1勝クラス連対馬は、23頭中11頭が3着以内だよ。数が多いからとりあえず位置取りで分けようか。
編;該当馬は差していましたね。
今;なら前走3角6番手以降だと、9頭中5頭が3着以内。来た馬の今回の脚質は3角8~13番手。今回3角8番手以降の馬だと、7頭中5頭が3着以内。一気の相手強化で、活性化の薄い差し馬だからね。基本的には動かないで死んだふりをした馬の方が有利にはなる。2走前は、新馬、未勝利、1勝クラスと様々で全馬連対。ただ人気薄の1頭を除くと全馬連対していたから、特別意味のあるデータでもないかな。
編;3着コスモブッドレアは、その2000mの1勝クラス4着馬でした。
今;2000mの1勝クラスで3~5着だと、12頭中3頭が3着以内だよ。来た馬は前走3角3~6番手。今回の位置取りは、3角2~9番手だった。2走前は、新馬、未勝利、1勝クラス。新馬の馬は3頭中1頭が来ている。1勝クラスの馬は1頭だけの出走で、2走前は4着だった。あと道悪の年は、4頭中2頭が3着以内。活性化の弱いステップだから、馬場レベルが重くなれば走りやすくはなる。
この続きは週末のメニューで!
土曜の「厳選!勝負レース」に2023年の解析、
日曜の「厳選!勝負レース」内に2022年の解析+ワンポイントアドバイスが掲載されます。
ぜひ予想と合わせてご覧ください!