歴代三冠王によるトリプルコラム「3歳牡馬M3タイプ分析」今井雅宏
三冠王、それは競馬予想GPの最難関タイトル。
そんなタイトルをこれまで数多く獲得してきた猛者たちが、春のGⅠレースに鋭く切り込む!
ラストを飾るのは「Mの法則」今井雅宏!
昨年は10月と12月に三冠王を獲得し、年間回収率1位。今年も3月に三冠王を獲得。
生き残るのは賢いものではなく、適応できるものだという言葉があるが、
「Mの法則」に秘められているのは常に新しい時代に適応し続ける適応力か、はたまた普遍の真理か。
今週の特別コラムではそんな「Mの法則」で3歳牡馬を徹底分析!
それぞれのタイプを見極めてダービー攻略に役立てよう!
(各項目の詳細、オプションの使い方については用語集を参照してください。)
またブログではリアルスティール、マインドユアビスケッツの分析、
そしてNHKマイルC26万馬券的中ドキュメントも掲載していますので、
ぜひ合わせてお楽しみください!
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今回は3歳牡馬の血統分析を中心にやっていきたい(少なくとも年に一回は、M3タイプ分析をやろうと考えている。『ウマゲノム辞典』の上梓にあわせて更新しようかとも思ったが、まだその気力が充填されていないのでいつになるか分からず、とりあえずこのタイミングとなった)。加えて、今年3歳が初年度のリアルスティール、マインドユアビスケッツなどの馬券を買う上でのポイントも解説しておく予定だ。
CSLのタイプ表記は馬の性格を表し(敢えて細かく分析過程を紹介する目的で、例えばCLで済むタイプでも、CL(S)など、存在要素を出来るだけ載せている)、「オプション」はその馬が激走しやすいタイミングを表したものになる。
LC(S) サトノグランツ
比較的まじめでまとまった量系で、余程揉まれたり使い込まなければ自分の力は出せるので力の見極めがポイントのタイプ。高速上がりも出せるが相対的にはある程度消耗戦がベター
オプション(延・重・坂) 距離(22・24・25) 状態(平行)
SC(LC) シャザーン
母系から、ロードカナロア産駒にしては比較的量があって上がり勝負でしぶとい。そのぶんの硬さはあるが、使われてタフさを増していくタイプ
オプション(延・特・重・開) 距離(22・20・24) 状態(平行)
LC(S) スキルヴィング
量と体力の比重が大きく、ブレーキを掛けずに外から一気に加速する競馬で強い。高速上がりか、逆に道悪でばらけてのパワー勝負で揉まれない形が理想。詰めて使うと硬くなりやすい
オプション(開・延・広・外) 距離(24・22・20) 状態(平行)
S(LC) ソールオリエンス
量とパワーの排出量が父産駒の中でも相当大きい。そのぶん硬さがあり、詰めて使うと良くなく古馬になれば反動も出やすい。もちろん揉まれない競馬向きで、極端な馬場適性が高い
オプション(延・開・巻・坂) 距離(22・20・24) 状態(平行)
LC タスティエーラ
サトノクラウンはキタサンブラックよりS質が弱く、ほぼ体力と量だけで走る。ただこの馬はテンションが上がりやすいので、ある程度馬群に入れたり、道悪などで掛からないようにしたい。パドックの入れ込みに注意
オプション(開・広・少・重) 距離(18・20・16) 状態(不安定)
S(LC) ドゥラエレーデ
ドゥラメンテ牡馬らしく、体力とパワーが豊富で揉まれ弱い。上がりの掛かる前残り競馬がベストで、縦長の展開か逃げたい
オプション(延・重・巻・詰) 距離(20・22・D18) 状態(不安定)
SL(CL) トップナイフ
デラクレーションオブウォー産駒は硬いパワー型だが、案外叩かれながら上昇する。切れる脚はなく、上がりの掛かる差し競馬向きで、フレッシュ時だと馬群も割れる
オプション(延・短・巻・坂) 距離(20・18・22) 状態(不安定)
SC(LS) ノッキングポイント
この距離のモーリスらしく不器用さはあるが、闘う意欲があってパワーも十分。精神コントロールが難しく入れ込みもきついのでパドックは注意したいタイプ。左回りの方が加速がスムーズ
オプション(開・巻・短・左) 距離(18・16・20) 状態(不安定)
CS(LC) ハーツコンチェルト
ハーツクライの中でも不器用なタイプで、外差し馬場の方が競馬はしやすいが、しぶとい長所を最大限活かすにはやはり馬群に入る形が理想。前走より流れに乗りやすいステップで、やや内寄りの中枠がベスト
オプション(延・開・巻・重) 距離(22・20・18) 状態(平行)
S(LC) パクスオトマニカ
ヴィクトワールピサ産駒らしく闘う意欲は強いが精神コントロールが難しく安定しない。位置取りショックや前走からのペースチェンジで気持ちをコントロールさせたい
オプション(延・巻・交・特) 距離(22・20・18) 状態(不安定)
LC(S) ファントムシーフ
ハービンジャーの中でもパワーの比重がかなり高く、そのぶんより硬くなりやすく鮮度が薄れると脆い。揉まれない競馬向きで捲るのも面白いが、出入りのない流れを先行しての上がり勝負がベスト
オプション(延・開・外・重) 距離(20・22・18) 状態(平行)
SL(SC) ベラジオオペラ
S質でかなりのパワーがある。精神コントロールするには位置取りショックが向く。間隔を詰めて使うと硬くなりやすく危ない
オプション(重・開・短・巻) 距離(18・20・16) 状態(平行)
LS(LC) メタルスピード
シルバーステートはかなり心身の硬い種牡馬でこの馬も硬い。道悪などクッションの利いた馬場でばらければ内枠も向く。フラットな馬場の場合は自分の競馬が出来ないと投げ出す
オプション(重・開・交・延) 距離(18・16・20) 状態(不安定)
こうやって見てみると、今年は例年に増して非C系が多い。キタサンブラック、ドゥラメンテは非C系でも体力を伴った量系だが、シルバーステートなど硬さの強いタイプも増えてきた。揉まれ弱い馬が多いので、特に鮮度を失った夏以降はかなり荒れたレースが増えていくはずで楽しみである。
リアルスティール、マインドユアビスケッツの分析、そしてNHKマイルC26万馬券的中ドキュメントはMのブログで!
プロフィール
今井 雅宏(いまい まさひろ)
学生時代に独学で競馬を研究し、競走馬の心身構造を馬券にする「Mの法則」を発見、それまでの競馬予想を一変させた。
現在は、競馬雑誌で活躍中のほか、馬券研究会「Mの会」を主催して、毎週予想情報の提供を行っている。
著書に「衝撃の馬券革命 Mの法則」「馬券破壊 マグニチュードM」「競馬を科学するMという名の最的中理論」(メタモル出版)、「短縮ショッカー」「ウマゲノム版種牡馬辞典」(白夜書房刊)などがある。
三冠王とは~
その週の成績を「回収率」「単複回収率」「レース回収率」の3部門に分けて集計し、
一カ月で最も多くポイントを獲得した予想家がその月の三冠王となる。
1レースで大きな回収を出すための瞬発力、それを1カ月持続する持続力など、
予想家としての真の実力がないと獲得できないタイトルだ。
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