今井雅宏
Mの法則用語集
「Mの法則」で使われる用語を解説。より理解を深めて馬券に生かしてください!
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◆ Mの法則
サラブレッドの心身状態を分析した理論。サラブレッドはストレスを抱えて走っていて、そのストレスが強いと凡走するというのが基本概念。そのストレスがどのように発生するか、そしてストレスからどのようにしたら解放されるのかのメカニズムを示している。
◆ M3タイプ
競走馬の心身構造をS(闘争心)・C(集中力)・L(淡白さ)の3つに分類したもの。LC(S)などと詳細に表わされるが、その先頭がその馬の主な心身構造(カッコ内の先頭は影の主導)となる。タイプのカッコ内は、その馬の影の性質となり、時に表の性質より前に出てくることもある。ただし、基本的にカッコを持っている馬は中途半端で、決定力に欠ける。
また、馬のタイプがS/Lなどとスラッシュで表記されるとき、その2つは独立して存在する2つの性質になる。
◆ S(闘争心)
闘争心を持つ馬に付く。一本調子に走ろうとする性質。このタイプは気性をコントロールするために、短縮などのショック療法が有効。生涯に一度の絶頂期にはあらゆる条件を飛び越して走ろうとするが、それを過ぎると極めて不安定になる。Sの由来は闘争を表す“Struggle”の頭文字から。
◆ L(淡白さ)
淡白さを持つ馬に付く。自分のペースで淡々と走ろうとするタイプの馬で、延長や少頭数、広いコース、外枠、弱い相手との競馬が有効。Lの由来は軽さを表す“Light”の頭文字から。
◆ C(集中力)
集中力を持つ馬に付く。集中して他馬との相手関係の中で走ろうとする性質を持つ。レース間隔を詰めたり、馬体重を絞ったり、内枠、ハイペース、強い相手との競馬など、摩擦の多い状況を得意とする。Cの由来は集中力を表す“Concentration”の頭文字から。
◆ M(まとまり系)
M3タイプがひとつのタイプに偏らず、すべての要素を持ち全体的にまとまっている馬をいう。そのため、他のタイプに比べ大きな特徴がなく、どんな条件でも適当にこなせてしまう。
◆ 量
その馬の気の良さを決める。つまり量が多いと延長に対応したり、惨敗から平気で巻き返したり、間隔を開けても好走できたりする。主にL系が持つ性質で、量のないL系は本当に弱い馬になるので注意だ。
また体力とは違う。体力は文字通り体力で、量は苦しい状況を走り抜くというような効果は与えない。
◆ 体力
体力があると、強引な競馬が出来るし重などのパワーのいる状況にも強くなる。ただ延長などの適性を上げるわけではなく、例えばハイペースのマイルなど、タフな状況での走りを助ける効果になる。M3のどのタイプにも存在し得る。
◆ リズム
競走馬にはタイプと時期によって、接戦を連続できる「集中状態」(C系)、煮え切らない着順を繰り返す「均衡状態」(まとまり系)、圧勝を続ける「連チャン期」(S系)、好凡走を繰り返す「交互」(L系)、やる気の失せた「停滞」などのリズムを持つ。なお括弧内は嵌まりやすいタイプだが、生涯での時期によって、いろいろなリズムを横断するので注意だ。
◆ 均衡
3~8着あたりを繰り返す状態。この状態に突入すると、3着にはなるものの、2着には来にくい。打破するには内枠や少頭数、特殊馬場などの条件が必要。
◆ 停滞
走る気が萎えている状態。馬に走る気がなければ、どんなに馬体が出来ていても、よほど条件がよくない限り走れない。
◆ ストレス
接戦後や、自分と同路線の馬が多くいるレースに出走するときに溜まりやすい。人間同様、競走馬もストレスが溜まれば体調もよくなく、走れなくなる。どころか、サラブレッドは慢性的に胃潰瘍とまでいわれるほど、ストレスを感じやすい。
◆ 鮮度
馬の状態がフレッシュであること。休み明けや条件替わり、メンバー替わり、格上げ戦、位置取りショックなどで鮮度は上がる。また生涯でその条件、クラスの経験が少ない馬を「生涯鮮度が高い」などと表現する。
◆ 硬直
競走馬の心身構造が硬くなること。冬の寒い時期とくに硬くなりやすい。休み明けの激走や苦手な距離、強引なショックでの激走などの無理の「後」に起こる。ただし、合わない条件を走っても、激走しなければ硬直化しない。むしろ、次走に向けていいショック療法になるケースが多いので注意。
◆ 変わり身指数
前走凡走から巻き返せる能力を表す指数。末尾にLが付くと軽い凡走続きの後に巻き返せる能力、末尾にSが付くと1回の惨敗後に巻き返せる能力を示す。50が平均。
◆ 蓄積疲労耐久指数
使い込まれた際の疲労に対する耐久力を表す指数。使い込まれたときの連闘や使い込まれて好走した後の中1週以内などのデータを元に指数化した。50が平均。
◆ 高速上がり指数
超高速の上がりに対応できるかを表す指数。主に1200m以上で、レース上がりが34・0秒未満の決着時のデータを中心に算出。他の指数が回収率に重点を置いて作られているのに対し、適性と期待値を考慮し、やや好走率に比重が置かれているのが特徴。50が平均。
◆ ショック療法
馬に前走とは違う種類の刺激(距離変更や位置取り、馬場替わり)などを与えて、ストレス状態から解き放ち、激走させるもの。ただ劇薬なので、失敗すると逆効果で惨敗する。その馬のタイプにあったショックが必要になる。ショック成功後の反動も怖い。
◆ 位置取りショック
道中の位置取りを変えることで、馬に刺激を与えるMショック療法のひとつ。前走先行から今回差し、あるいはその逆や、前走逃げられなかった逃げ馬などのこと。
◆ 距離変更ショック
前走より長い距離を走るのが延長、短い距離を走るのが短縮。この1つを総称して距離変更ショックと呼ぶ。
◆ ダートから芝
Mのショック療法のひとつ。前走に砂の飛び散るダートを走らせ、今走走りやすい芝を走らせるというもの。前走の辛い経験から、芝で気持ちよく走らせることによって、激走をもたらすことを目的とする。また、芝→ダート→芝とバウンド式を加えるとなお良い。
◆ バウンド式
Mのショック療法のひとつ。2走前に今回と似たような条件を走らせ、馬に今回のショックに対し、慣れと安心感を与えることを狙いとしている。例えば、1200mに短縮ショックで向かわせたとする。そのときに予め1200mを経験させておくというものだ。つまり1200m→1400m→1200mのようなローテーションをいう。
◆ 短縮ショッカー
前走で今走より長い距離を走っている、前走3角5番手以内の競馬、今走距離以下での連対歴あり、7ヶ月以内に今走が芝なら芝を、ダートならダートを走ったことがある。これらの条件を満たした馬を短縮ショッカーと呼ぶ。簡単でありながら高い回収率を誇る馬券戦術。
◆ グローバルリズム(GR)
競走馬がその生涯に通じて持つ、長期的な好凡走のリズム。血統によって、特徴的なグローバルリズムを持つ馬も多い
◆ 根幹距離
マイル(1600m)を中心とした、400mの倍数で構成される1200m、1800m、2000mなどのこと。日本のチャンピオンシップのほとんどが、この根幹距離で行われる。
◆ 非根幹距離
1000m、1400m、1800m、2200mなど、400mの倍数ではない距離=根幹距離以外の距離のこと。根幹距離とは呼吸の仕方が異なる。精神力の弱い馬は非根幹距離の方が合う。また体力不足を誤魔化せる距離でもある。中でも1400mが一番軽いコース。
◆ オプション
競走馬は、前走の記憶やリズムを肉体に刻んでおり、同じ条件でも走ったり走らなかったりする。そこで走りやすいパターンを示したのがこのオプション。
◆ 短縮(短)
前走からの距離短縮を好むタイプ。C系(集中力)の馬に付きやすい。
◆ 延長(延)
前走からの距離延長を得意とするタイプ。
◆ 内枠(内)
内枠での競馬を好む。
◆ 外枠(外)
外枠を好む馬に付く。主にM3タイプのL系(淡白さ)の馬に付くことが多い。
◆ 巻き返し(巻)
惨敗からの巻き返し力のことで、交互に近い。
◆ 広い馬場(広)
京都や中山、新潟などの広い馬場向きの馬につく。主に淡白さを持つL系の馬につくことが多い。
◆ 特殊馬場(特)
京都や中山、新潟などの広い馬場向きの馬につく。主に淡白さを持つL系の馬につくことが多い。
◆ 高速
摩擦のない高速馬場向きの馬につく。
◆ 硬い馬場(硬)
開幕の高速芝やダートの不良馬場など、下の硬い馬場向き。
◆ 重馬場(重)
重馬場向き。
◆ 多頭数(多)
15程度以上の多頭数での競馬を好むタイプの馬に付く。M3タイプでC系(集中力)の馬に付くことが多い。
◆ 少頭数(少)
11頭程度までの少頭数での競馬を好む馬に付く。主にM3タイプのL系(淡白さ)の馬に付きやすい。
◆ 交互(交)
好走と凡走を繰り返すタイプ。その馬によって違い、○×○×…というのが基本で、○××○×○○×…という純粋な交互ではないケースもあるので注意。
◆ 坂(坂)
坂のある中山や阪神などのコースに向いているタイプ。
◆ 開く(開)
レース間隔を開け、リフレッシュするとよい馬につく。
◆ 詰める(詰)
レース間隔を詰めて使う方がよい馬につく。
◆ アップ(ア)
自分より強い相手には頑張るタイプ。例えば、格上挑戦で激走するような馬。逆が「ダウン」。
◆ ダウン(ダ)
ダウンを示す。アップの逆で、弱い相手には頑張るタイプ。淡白さを持つL系の馬にその傾向がよく現れている。
◆ ダートから芝替わり(替)
ダートから芝のショックの効果を表す。
◆ 芝からダート替わり(ダ替)
芝からダートのショックの効果を表す。
◆ 単勝爆弾
人気馬が勝つ可能性が低いか、期待値が低いレースにおいて、他の勝つ可能性のある馬の単勝を何点か、絨毯爆撃のように買う戦法。パターンとしては、以下の3つ。
① 上位人気馬4・5頭が全馬怪しいときに、人気薄の単勝を何点も買う。
② 人気馬の数頭が怪しく、買いたい馬が何頭かいる場合に、その何頭かの単勝を買う。
③ その日の馬場だけがわかっていて、人気馬がその馬場には向かないとき、その馬場に合う馬の単勝を自動的に買う。