キムラヨウヘイ「中山金杯の有力馬診断の総まとめ」

※印は[★激走候補~△やや有力~▽やや軽視~―無印」を表します


―アウトライアーズ 牡4 蛯名 54 美南 小島茂
既に社台スタリオンステーションから放出された父ヴィクトワールピサの出世株。
ヴィクトワールピサの仔は牝馬の方が大物が出ているが、牝馬にしても牡馬にしても古馬(4歳以降)になってからOPクラスで実績を残した馬は1頭も居ないという有り様。
ネオユニヴァース産駒も難しさを抱えていたが、それがヴィクトワールピサ産駒にも受け継がれている印象…正にそんな性質と戦績を歩むコノ馬の復活可能性については疑問大と見るべきだろう。

△ウインブライト 牡4 松岡 56 美南 畠山吉
まずは3歳春スプリンングS時の◎推奨文を参照↓
『まず、コノ馬は早期デビューをさせたコトは間違いだったと思います。
コノ馬の父ステゴの牡駒(オス)は、基本的には2歳早期では走れない晩成型。具体的には、過去5年でも2歳時に2勝したのは後の菊花賞3着馬レインボーライン僅か1頭だったり…。
実際にコノ馬のケースでも、2歳早期には見るからに貧弱な体で走れずに、そこから休養を入れて見違える様に馬体が充実してきた2歳終~3歳初に掛けて一気に強くなっている印象…。
その2歳暮れにそれなりの結果を出せた時点で、近い将来化ける期待値が高い大物ステゴ牡駒の資格アリと言えます。
つまり、そこから更に一息入れたタイミングの今回見込める成長力でも他馬を上回るレベルが無いだろうかとの期待感は並以上です。』
・・・
それに該当するステゴ牡駒は、過去5年ではレインボーラインだけで、その前に遡ってもオルフェーヴルやナカヤマナイトやナカヤマフェスタなどG1級~準G1級ばかり…それを根拠にスプリングSでの激走と将来的な出世を予告した馬でした。

そのスプリングSでは上のアウトライアーズと互角の競馬でしたが、両者の血統背景を鑑みれば今となっての明暗は当然の成り行きとでも言えるでしょうか。

3歳春は体調不安抱えつつのクラシック戦線完走での連戦疲労により最後ダービーは息切れ凡走で、3歳秋初戦毎日王冠はキレ負け凡走しましたが、ついに前走福島記念にてステゴ牡駒らしいローカル二千条件での激走を果たしました。

前々走までは松岡Jが嘆くほどの外枠運、そして前走は一転して内枠を引いたコトも勝因の一つでした…中山金杯も概ね内枠優勢のレースですので、ココでも内枠を引ければ今が伸び盛りの馬の能力的にもチャンスでしょう。


―ジョルジュサンク 牡5 吉田隼 54 栗東 鮫島
上のアウトライアーズと同じく父ヴィクトワールピサの仔で、実はコノ馬がヴィクトワールピサ牡駒で最も賞金を稼いでいる馬になっています。

3走前の準OP勝ちはレースレベルDの楽逃げ切り勝利でその一戦以外では準OP連対歴が無い馬…意外と昇級してもすぐに人気になっていましたが、そんなヴィクトワールピサ産駒にとって大きな古馬OPの壁を突き破れる程のスケールは感じられませんのでジリ貧戦績になると見ていますが…。


▽ブラックバゴ 牡6 岩田 56 美南 斎藤誠
折り合いを付けられなくなっている内田博Jは折り合い難馬に騎乗だと極端な後方位置取りになりがち…前々走オールカマーはそんな内田博Jの恐る恐るの騎乗でスローペースを最後方追走上がり最速のトンデモ騎乗だった。

前走アンドロメダSでは直前乗り替わり池添Jでしたが、先入観無く乗れたのも功を奏して前々走とは別馬の様なまともな競馬で一変勝利を掴みました。

その前走はペースや馬場が向いた面は否めないのでまだ全幅の信頼を置けないのと、あとは今の岩田J乗り替わりはもしかしたらウチパク騎乗に近い意味合いにならないかと…。

前走アンドロメダSは完勝でしたが低レベルOP特別でしたし、それを勝利したことでハンデ2キロ増の重賞挑戦となると馬の能力的にも結構微妙だと思います。


―トーセンマタコイヤ 牡7 内田博 54 美北 加藤征
そんな苦境にあえぐ内田博J騎乗馬。
内田博Jの17年の中央芝重賞成績は[1-0-2-46]と散々…3好走の内2つは雨馬場でのモノでした。
馬もミッキークイーンの全兄で外回り向きですし、それを良馬場小回り条件で持って来られる鞍上ではないと見るべきでしょう。


―レアリスタ 牡6 石橋脩 55 美北 堀
コノ馬は不器用な走りをする馬で大箱コースを大味な競馬でしか力を発揮できないのと、体質と気性的に連戦に耐え得る馬ではないというのが大きな特徴です。
実際にこれまでの戦績は…「広い東京コースではほぼオール好走、それ以外ではオール大敗」「休み明け初戦ではほぼオール好走、それ以外ではほぼオール凡走」となっています。

それに加えて例の重賞レースでの石橋脩騎手×堀厩舎コンビですので…それについては中日新聞杯マウントロブソン(3人6着)時の診断見解をご覧下さいませ↓

『堀厩舎と言えば高額賞金レースでの勝負所では主に外国人Jを中心として一流所の騎手起用で、逆にそれ以外…特に石橋脩J起用は本気ではない証になっている。
今秋もオールカマーでアルバートに石橋脩J起用で凡走後、本番なのだろう次走以降で外国人騎手起用で結果を出しました。
一昨年の共同通信杯ドゥラメンテ2着がありますが、それを除けば近5年以上で騎乗数は結構ありながらも好走数はゼロという有り様です。

石橋脩Jにしても堀厩舎馬となれば当然力が入る場面なのでしょうが、そこでドゥラメンテ取りこぼしも含めて5年以上も0点結果を続けているとなると何らかの致命的な問題があるのかも知れません。

別にココが叩き台や捨てレースってコトは有り得ないでしょうが、ココで石橋脩Jが期待に応える結果を出すというのは少し想像し辛い部分もあります。』


▽カデナ 牡4 福永 56 栗東 中竹
成長力に乏しいとの評価が妥当なディープインパクト牡駒…それの2歳時代快進撃馬で、3歳春以降は殆どゼロ実績であるのがカデナです。
前々走神戸新聞杯は仕上げも甘かったですし距離の壁があったという敗戦で、前走菊花賞は極悪馬場で何もできなかったという敗戦でした。
勝負しに行って負けた皐月賞・後方展開不利ダービーも含めてしょうがない敗戦が続いているのですが、だからと言って現時点での能力は未知数としか言えません…そして、それ(未知なる成長力)については必ずしも肯定的な見方ができる様な背景馬ではありませんので…。


△セダブリランテス 牡4 戸崎 55 美北 手塚
前走ラジオNIKKEI賞後の回顧文では『レース振りを見る限りでも鈍くてどうかなと思うシーンはあったが、人気馬の自滅と外枠先行で長く脚を使える競馬振りと、そして何よりも能力で勝ち切ったというパフォーマンスであった。本来的には距離1800よりも長い距離で持続力生かせる舞台条件でこその馬だろう。』と書きました。
前走アルゼンチン共和国杯では最内枠故に直線で少し詰まったのは勿体無かったものの、ジリジリとバテずの形での粘り込み。
血統的にや体型的にどうしても距離不安を囁かれる馬であるが、少なくとも距離二五あるからこそ鈍さが欠点とならないレース振りにできたという面はありそうで。
それみたく追い比べに持ち込めれば持ち前の根性と渋とさを発揮できるが、果たして距離二千路線でも確実性ある取り口にできるかは疑問も…それが過剰人気と不振継続中の戸崎Jとすると尚更信頼したくない…。


▽ダイワキャグニー 牡4 横山典 56 美南 菊沢
コノ馬については[弥生賞・プリンシパルS・ダービー・毎日王冠]まで全て対抗以上の印を打っています通り、個人的には相当高評価している未完の大器です。
未完ですので歯車が噛み合わなかった弥生賞とダービーでは大きく沈みましたが、プリンシパルSでの楽勝劇&毎日王冠での追い出し遅れながらの惜敗パフォーマンス的に能力は間違いありません。

ただし、ココに来ての横方向への馬体成長と、前走キャピタルSでのパフォーマンスを見る限りでは、距離適性的にはマイルの方に傾いている可能性があります。

そして何よりもの課題は右回り…今回と同条件の弥生賞では右回り小回り不得手の一点の理由で9着に敗れています。
ココは弱点克服の敢えての不得手条件挑戦と見ますが、まあその弱点露呈リスクは小さくないかと…。


▽デニムアンドルビー 牝8 川田 54 栗東 角居
脚元の不安から15年宝塚記念2着を最後にCW中心の追い切りは手控えられていた経緯だったが、前々走アルゼンチン共和国杯にて久しくそれを解禁で、そこから2週続けて長めの追い切りの更に強化されていたのが前走金鯱賞で…脚元不安小康状態で満足な攻めが課される様になってから復調歴然という近況である。

今回中間にも既にCW2本を消化しており、今の上昇気流の流れのままの調教過程にあると言える…頭数増と全体的に相手関係強化は楽ではないが、ココでも善戦以上は窺える状態にありそう。


★フェルメッツァ 牡7 田辺 55 栗東 松永幹
昨夏シーズンも休み明け初戦5着から2戦目3着激走した様な叩き良化型馬。
今期も初戦での6着という結果はマズマズと見るべきか。
叩き良化型だけにシーズン2戦目の前走は巻き返し注目の番だったが、イン渋滞レースに巻き込まれたのとマイワールド鞍上の執念不足による不完全燃焼大敗だった。
そもそも、コノ馬の好走歴は16年17年と小回り中距離条件のみとなっており、まともでも外回り戦の前走は適性的に苦しかったかも知れない。
ワケ有り凡走後の叩き3戦目の小回り条件替わり…狙い時と見ます。


―マイネルミラノ 牡8 柴田大 57 美南 相沢
5走前OP福島民報杯ではHペース展開を大外枠からロスある形の超積極策により、後の重賞馬ステイインシアトルやシャイニングレイを捻り潰していく圧巻のパフォーマンスでの激走。
それを以て復活かと思いきや輝きはその1度限りで、その後は見せ場なく沈むレース続き。
唯一まともな着順の前々走オールカマーは、超スローペース逃げでの4着粘り込みは中身が薄いパフォーマンスでした。

また忘れた頃の一発が怖い馬なのですが、一昨年も昨年も気温上昇のタイミングでの一変劇でした…硬さある馬で連戦や冬場はイマイチでもありますので仮に今後一発あるとしても今回のタイミングでは無いはず。


―レアリスタ 牡6 石橋脩 55 美北 堀
コノ馬は不器用な走りをする馬で大箱コースを大味な競馬でしか力を発揮できないのと、体質と気性的に連戦に耐え得る馬ではないというのが大きな特徴です。
実際にこれまでの戦績は…「広い東京コースではほぼオール好走、それ以外ではオール大敗」「休み明け初戦ではほぼオール好走、それ以外ではほぼオール凡走」となっています。

それに加えて例の重賞レースでの石橋脩騎手×堀厩舎コンビですので…それについては中日新聞杯マウントロブソン(3人6着)時の診断見解をご覧下さいませ↓

『堀厩舎と言えば高額賞金レースでの勝負所では主に外国人Jを中心として一流所の騎手起用で、逆にそれ以外…特に石橋脩J起用は本気ではない証になっている。
今秋もオールカマーでアルバートに石橋脩J起用で凡走後、本番なのだろう次走以降で外国人騎手起用で結果を出しました。
一昨年の共同通信杯ドゥラメンテ2着がありますが、それを除けば近5年以上で騎乗数は結構ありながらも好走数はゼロという有り様です。

石橋脩Jにしても堀厩舎馬となれば当然力が入る場面なのでしょうが、そこでドゥラメンテ取りこぼしも含めて5年以上も0点結果を続けているとなると何らかの致命的な問題があるのかも知れません。

別にココが叩き台や捨てレースってコトは有り得ないでしょうが、ココで石橋脩Jが期待に応える結果を出すというのは少し想像し辛い部分もあります。』