今井雅宏「重賞ステップ解析」フラワーC

先週大波乱となった中山牝馬Sと同じ中山芝1800mで行われる3歳牝馬戦!
同じコースで行われる1勝クラスからのステップは大いに注目だ!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日になんと無料公開!


さらに週末のメニュー
・土曜日の「厳選!勝負レース!」に2年前のレース解析
・日曜日の「厳選!勝負レース」に3年前のレース解析+ワンポイントアドバイス
が掲載されます!

週末のさらなる解析はこちらから!

 

;日曜の重賞は、Fレビューの方でしたね。馬単2点目的中、本命の単勝7.9倍も美味しかったです。ショックだったのは、土曜の中山牝馬Sでしたよね~。今井さんの予想上位7頭中4頭が4着以内独占で3連複14万の大荒れでしたが、9番人気だった本命は4着という結末でした。だいたい走れる馬は分かってた感じで悔しかったですが、この話は後で触れてもらおうと思いますので、まず的中のFレビューから解説お願いします。例によって5着の14番人気だった馬まで取り上げた中に入っていて、予想で取り上げた7頭中5頭が5着以内独占と、ほぼ走れる馬は読めていたレースだったと思います。その中で、本命のサブライムアンセムは直ぐでしたか?

;見た瞬間は本命だったよ。未勝利勝ちで鮮度が高く、バウンド短縮。短縮内枠ベストのロードカナロア産駒。新聞広げた瞬間にピピピッと来て、思わずニヤけちゃう、Mの基本みたいな馬だよね(笑)。ところが細かく過去のレースを検証してみると、かなり不安になってきた。

;どうしたんですか?

;戦績の見た目と違って、S質が強く、精神が不安定な馬だったんだ。まず真っ直ぐ走れない。特に右回りは外にもたれる。これは、今の馬場では致命傷だ。内伸び馬場なのに、道中外にもたれて、外を回ることになったら厳しい。しかも、スタートが結構遅い。出遅れてないときでも、常に遅い。これも、今の前残り馬場を考えたら怖いよね。ただ、これらの問題はハイペースになれば全て相殺出来る。S質のきつさは、相手強化の経験したことのない流れで、コントロールが利くようになる。つまり、「走ること以外に気が回らない」という状態だね。SないしC系の「短縮」、「相手強化」における、Mの基本パターンだ。だからほぼ今回は真っ直ぐ走れるだろうし、多少出遅れてもハイペースなら、今の鮮度ならまず間に合う。ところがだよ。パッと見はハイペース確実と思えたメンバーをよく見てみると、逃げそうな馬は前走ダートだったコンクパールだけなんだ。他のスピード馬は、「距離不安だから折り合いに気をつける」みたいなコメントばかりで、実際、前走も無理に逃げようとしなかった。となると、ハイペースはないかもしれない。なら、サブライムは外にもたれる可能性が高いし、スタートが遅くて間に合わない可能性も高くなる。慌てて他の馬を探したけど、良いのがいない。断然人気の馬は、ストレス薄れてバウンド短縮は良いけど、カテゴリーストレスがきつい。好走は間違いなさそうだけど、勝てるかというと微妙で、単勝期待値は低い。いくら崩れないからといって、まさか単勝期待値の低い人気馬では本命に出来ないよね。で、最初は危ないと思ったマイシンフォニーに目がいったんだ。危ないと思ったのは、単調な流れしか経験したことないディープインパクトの内枠短縮。激しい流れで揉まれたら厳しい。だけど平均ペースなら、量が豊富で速い上がりも出せるし、鮮度が高いんで、多少揉まれても我慢出来る。しかも過去のVTRを見ると、スタートが早い。ゲートが異様に上手いんだよ。前半34.4以上掛かる、好位までしか間に合わない緩い流れなら、あのロケットスタートと上がり性能だと、鮮度もあるからまず勝つよ。逆に前半34秒を切れば、サブライムが2着以内には来る。33.8を切れば今度はサブライムがほぼ勝つ。そしてペースが、どっちかに大きく振れれば、どっちかは凡走の可能性が高い。「困ったなぁ~」と思ったよ。ペースさえ読めれば当てられるんだけど、そのペースが全く分からない。こういうときは、個人で買うなら単勝爆弾だよね。断然人気の単勝期待値が低くて、ペースに応じて勝つ馬が決まってる。単勝多点買いの単勝爆弾レースそのものだ。前日では、断然人気以外は9倍近くも単勝付いていたしね。おまけで逃げ切りレース用にダートから芝の人気薄も少しだけ抑えて買えば、単勝爆弾としては完成だ。だけど、予想となるとどっちかを本命にしないといけない。ペースが分からないのにだよ。そこで予想は、勝負レースの締め切りの方が早いんで金鯱賞を送って、こっちは準勝負レースにして、お風呂に入って最初からリセットすることにしたんだ。

;それで、「ハイペースならサブライム、マイシンフォニーは緩い流れなら有利」というような予想コメントだったんですね。最終的にはサブライム本命でした。ハイペースが読めたんですか?

;いや、全く分からなかった。やってる騎手もスタート切るまで分かんないだろうから、第三者が3ハロンラップを分かるわけがない。このメンバーだと、先行馬のゲートのタイミング次第で変わるはず。つまり偶然性が極めて高い。ただよく考えてみると、折り合わせて逃げたくない他の先行馬達も本質的にS質が強いんだよね。となると、仮に前半34秒台で通過しても、そのあと抑えきれない先行馬達が逃げ馬にプレッシャーを掛けて、4ハロン以降のラップはずっとかなり淀みなく流れる可能性が高い。それならディープよりロードカナロアの短縮になる。前半34.3くらいまでなら、その後の淀みない流れでサブライムでもコントロール出来て、相殺出来る判断だった。で、本命にしたんだよ。

;出遅れには、ビビりましたけど(笑)。

;スタートが遅い覚悟は出来てたけど、あそこまで遅いとはだよね。武はやっぱりスタート決めたし、「やっちゃったかな」とは思ったよ。ところが、前半の速報ラップが34秒を大きく切っていて、池添が早めに馬群の中を仕掛けていったからね。あれでだいたい連対は確信したよ。あとは外を回らず馬群を上手く突けば勝つだろう。5ハロン過ぎた頃には、ディープにしないで良かったとホッとしていたよ。ただ、マイシンフォニーは、パドックからして細かった。あの状態で大幅短縮のパワー競馬はきつい。だから実は、パドック見たときに、「マイシンフォニーにしないで良かった」とホッとはしたんだよ。

;6キロ減でしたもんね。サブライムは2キロ減とちょうど良さそうで、指定通り、ハイペースを馬群に突っ込む騎乗をしたので、完勝でした。やっぱり、馬体重が良くて、今井さんの言った通りに乗ると、ペースが読み通りなら、だいたい勝ちますね。

;池添に乗り替わりだから、外を回ってロードカナロアの良さと鮮度のアドバンテージを消すのが怖かったけど、出遅れたことで、かえって外回したら間に合わないと腹をくくれて、馬群を突いたのかもしれないよね。それで出遅れは上手く相殺出来た。

;あと、やっぱり大波乱の中山牝馬Sの回顧が訊きたいです。2着に来た12番人気のアブレイズが4番手評価、勝った15番人気のクリノプレミアムも66点の3頭で一番人気なかったので7番手評価で、7番手評価以内の4頭が上位4着以内を占めて、だいたい走れる馬は分かってたレースだと思います。その中で、9番人気の本命だったスライリーが無念の4着でしたよね~。

;なんとも言えない結末だったね。前半緩い流れでその後に締まる、オルフェーヴルラップになるという読みだった。その中で前半スライリーは矯めて、レースのポイントで書いたように、徐々に捲っていく想定だね。それが少し仕掛けが遅れて、逆に外から捲った馬に被されて一気に加速出来なかったのが、やや誤算ではあった。

;今井さんは、スライリーとアブレイズの単複を両方かなり買ってましたよね?

;2頭とも、馬体重が凄く良くて、人気もなかったからね。あとレースのポイントで書いたアブレイズの含水量の問題も、クリア出来てた感じの馬場だった。しかも、当日は穴人気と思ってたアブレイズが想定オッズより人気薄で、人気薄と思ってたスライリーの方が想定オッズより人気だったから、単勝爆弾プラス複勝爆弾だったよ(笑)。これも、人気馬はどれも買いたくないような馬だからね。

;人気馬は、ミスニューヨーク以外はあまり評価してなかったですね。

;内枠向きのミスニューヨークは内枠引いたから、大崩れまではないだろうから評価したけどね。上手くその内を突いて、同馬のC要素を存分に引き出したぶん、スライリーが4着にやられちゃったよ。

;ですよね~。想定オッズからも、アブレイズとスライリーの2頭の人気が逆になっちゃいましたね。ただ両方、全くの人気薄ですから、確かに爆弾レースでした。アブレイズは、外枠のキズナが評価材料でしたか?

;そうだね。非根幹距離、外枠で、ストレス無いときの、パワーレースのキズナだよ。普通に穴人気になると思ったけど、そうでもなかった。アブレイズはイメージ通りの外を回って加速する競馬も良かったね。スライリーも同じイメージだったけど、ちょっと消極的な騎乗だったぶんやられた。

;ですね。クリノプレミアムは、「速すぎない流れを好位に行けば」という解説でしたが、実際速すぎない流れで、控えすぎない競馬と、解説した展開通りにピッタリ嵌まっちゃいましたね。これがいなければ、3連複350倍が3点目の的中ですし、残念でしたよ。

;スライリーみたいな消極策なら逆転出来たかもだけどね。これもオルフェーヴルだから、スライリーと似た感じだ。ちょっと外過ぎるかと思ったのと、陣営が「使い詰めで体調悪い」とか言ってたのもひっかっかって、少し評価落としたのは失敗だった。全然調子落ちてなかったもんね~。ストレス薄れて、バウンド延長ということだったよ。延長1800m小回りは福島で走っているように適性がある。Mでは位置取りショックも重要だから、コメントもよく目を通すようにしてるけど、ああいうコメントがあると余程買いたい馬でもないと躊躇しちゃうよね~。いろいろ怪しい馬も多かったから、手が回り切らなかったのもあるけど。そこまで外枠有利の流れになるとも思わなかったから、どうしようもなかったのかもだけど、せっかくの穴馬券を詰めの甘い予想だったね。

;金鯱賞はどうでした?同点対抗の1番人気が結局勝ちましたが。

;これはS君が当てたし、説明することもないよ。強いて言えば計算よりもS質なレース、パワーレースになって、C系が好位で勝ちに動くと厳しかった。いつも言うように、もっと控えて馬群に入れた方が良いタイプだからね。有馬の後で楽をさせたかもという不安が、実現しちゃった感じもあったけど。

;やっぱり、モーリス産駒は、noteの話の通り、強引な競馬だと2000m超えても怖いですね。

▽今井雅宏の魅力満載のブログはこちらから!▽

ブログ

 

;今年はロードカナロアとモーリスの、中長距離のパワー競馬が席巻してる感じだよね。

;それでは今週はフラワーCにしましょう。昨年は、フェアリーS2着後の5番人気ホウオウイクセルが勝ちましたが、フェアリーS好走馬の登録はないです。2着のエンスージアズムは中山1800mの1勝クラス勝ち後でした。

;芝1800mの1勝クラス勝ち馬は、14頭中7頭が3着以内だよ。鮮度が高いぶん、好走率は高い。ただ人気馬が多くて、来た7頭はみんな当日2番人気以内の人気馬で、そういうタイプでも3頭消えていて、安定感抜群というほどまででもない。数が多いから、まず位置取りで分けようか。

;該当馬は差し馬ですよ。

;それなら、前走3角5番手以降だと、3頭中2頭が3着以内だね。差し馬は数が少ないから、ちょっと位置取りで分析は難しいかな。来なかった馬は、今回3角2番手。相手強化で前に行く位置取りショックと、逆ショックではあった。
 位置取りとは関係なく、中山1800m勝ちで見てみようか。そうすると、8頭中3頭が4着以内。距離が同じ上に競馬場まで同じだから、やや格上げ戦でも鮮度が落ちるぶん、他の競馬場からより若干落ちてるよね。ただ今回3角4番手以降だった馬だと、6頭中3頭と率が上がって、他の競馬場と変わらなくなる。中山からの機動力を活かして、相手強化で無理に動くとリスクは上がる。流れ次第ではあるけど、仕掛けを遅らせる位置取りショックが理想にはなるんで、馬群に入れるタイプがベターだ。2走前は、3頭とも3着以内で、このタイプだと5頭中3頭が来ている。前走他の競馬場だった馬だと、2走前5着馬も来てるけど、その馬は2走前1600mで、3走前1400m。鮮度と活性化があったよ。

;3着のユーバーレーベンは、阪神JF3着後の1番人気でしたが、阪神JF好走馬の登録はありませんね。



この続きは週末のメニューで!

土曜の「厳選!勝負レース」に20年、日曜の「厳選!勝負レース」内に19年分が掲載されます。
ぜひ予想と合わせてご覧ください!