今井雅宏「重賞ステップ解析」弥生賞

今週は弥生賞!
朝日杯からとホープフルSからではどっちのほうが有利?

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏と編集部が先週の結果を分析、そして今週行われる重賞の過去3年を振り返る対談形式のコラム。
そんな馬券的中へのヒントが盛りだくさんのコラムの一部を毎週木曜日になんと無料公開!


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;中山記念は僕と今井さんの本命で、仲良く綺麗にワンツー決着で決まりました~。しかも逆ショッカー決着ですね!今井さんは馬連4点目での的中になりますか。5番人気と6番人気の組み合わせだったので、もっと付くかとも思いましたが。

;少頭数だったから、配当がつかないのは仕方ないかな。勝ったのはS君の方だったけど・・・。

;僕の方はラッキーライラックを評価してなかったので、今井さんの予想見て、馬連、3連複も買い足して稼がせて貰ったので助かりましたよ(笑)。2年前の中山記念の万馬券も逆ショッカー本命で当てましたし、逆ショッカーが走りやすいんですか?確か「短縮×逆ショッカー」の単行本にも中山記念の話が載ってましたよね。

;頭数が揃いにくくてハイペースまではいかないことが多いけど、GⅡの中山でレース質はタフというところの中間的な感じが、逆ショッカーに嵌まりやすいのはあるよ。

;ということは、ラッキーライラック本命は直ぐでした?

;いや、全然。オルフェーヴル産駒は精神的にキレると戻ってくるか微妙だからね。敢えて危ない橋を渡ることもないと思って、完成度が高くまとまっていて、休み明けでも、スローでもハイペースでも走れる、安パイのステルヴィオに、最初はするつもりだったんだよ。4歳で鮮度もあるしね。

;ではまた、どうでしてですか?

;間隔開けたとはいえ、前走のステルヴィオは馬群を割ってGⅠ勝ちだから、やっぱりストレスが気になった。前走は予想でも評価したように、ステップ自体がM的に嵌まってて激走したことも確かだし、今回は延長だしでね。で、先週マルターズアポジーの出遅れにレースを破壊された話をしたでしょう?

;ええ。あれはショッキングでしたよ。

;で、また懲りずに出てきたからね。さすがに今回は出遅れようが何しようが、あんな後ろで惨敗した後だから、何が何でも押して逃げるはず。しかも先週のことがあるから、悔いを残さないために、今回はほぼ間違いなく大逃げだろう。そうなると、離れた2番手が来る確率はかなり高い。これは、先週の倍返しレースということになるよ。

;で、先行したら逆ショッカー完成のラッキーライラックだったんですね?

;いや、最初はエポカドーロだったよ。ラッキーライラックは騎手が先行してくれるか定かじゃないから、確実に先行する先行馬のエポカドーロの方が単純に2番手を取る確率は高い。ストレスが無く、初の古馬相手という鮮度は、2頭とも全く同じだしね。

;でも、エポカドーロは最終的に4番手でしたね?

;よく戦績見てみると、ここ2走がスローで、前5走まで見ても、前半3ハロンの入りが速かったレースが一度もないんだ。それなのに逃げたのは2400mのダービー1回だけ。こんな活性化の弱い状態の大幅短縮の外枠+初の古馬一線級相手で、果たして本当に楽に2番手を取れるのか?と考えると、結構危ない。もともとダッシュ力はそれほどでもないしね。それなりに押していくことになる。もし、少しでもスタートのタイミングが合わなければ、先行どころか、好位の外々を回る可能性だってある。先行馬がそうなったら、ハイペース外伸びにでもならなければ、惨敗は確実だ。ラップが緩めば楽に先行出来る可能性は高くなるけど、その場合は逆に苦手な上がり勝負だから、後ろに捉まっちゃう。最初思ったより、分析していくと、残れるペースのレンジが狭いんだよ。

;そこでラッキーライラックだったんですね。

;こっちは3走前までずっとマイル戦で先行していた馬で、前走も内回りのGⅠだからね。このメンバーなら、派手に出遅れなければ何もしないで楽にポジションが取れる。ほぼ「自動逆ショッカー」というやつだ。前半の負荷は全く無い。で、2番手以降がペースダウンしたら、速い上がりも出せる先行馬だから、上がり勝負の53キロなら捉まりようがないということだね。ただ、これはエポカドーロと同じだけど、オルフェーヴル産駒だから、絶対的な自信はなかった。まとまり系の種牡馬なら自信があったけど。

;それで同点本命だったんですね。オルフェーヴルの話はワンポイントアドバイスでしていましたよね?

;オルフェーヴル産駒は気持ちがキレると長いからね。そのぶんの怖さはある。ただ、調教の内容を見ていると、気持ちは入っているみたいだったからね。気持ちさえキレてなくて馬の気の侭に騎手が前目に出してくれさえすれば、ほぼ来る逆ショッカーで6番人気だから、そこは目を瞑って本命にした。前走が太く見えたから休み明けでも少し絞れて欲しかったけど、間隔開けた若い4歳馬で、初古馬戦というステージ変化、先行馬と、取り巻く状況はプラス体重の要素だけだから、2キロ増なら悪くもない。ドカッと勝負!ってほどの馬体重でもないけどね。パドックでは太かった秋華賞よりずいぶんと締まっては見えたよ。それよりスワーヴとかステルヴィオとかの馬体重見ると、他の馬も叩き台のニュアンスが強い感じだった。仕上がり具合は対等というところだね。で、レースは予定通り楽に2番手だったけど、途中でちょっと不味いと冷や汗が出てきた。

;というと?

;ちょっと追い掛けすぎなんだ。あと2馬身押さえておけば勝てるけど、あそこまで出すと、この相手の消耗戦だとぎりぎりの勝負だなという感じで見てたよ。速い上がりも出せるんで、それこそ先週の小倉大賞典の2着馬みたいにもう少し押さえておけば、53キロでキレ負けする相手が直後にいるわけでもないから勝てるんだけど、消耗戦に自らもっていって早めに動いたぶん、S君が本命だったC系の餌食になっちゃった。自身が34.5秒で上がれる流れまで抑えれば、恐らく捉まえられなかったよ。

;お陰で僕は単勝も取れて良かったです(笑)。あと、阪急杯の方は本命のロジクライが馬券対象も3着でした。

;せっかくの短縮だからもう一列前に行って体力を活かして欲しかったけど、ダッシュが付かなかったね。ゲートのタイミングが合わなかったのかと思ってたら、レース後のコメント読んだら、スタートでぶつけられて下がったということなんでどうしようもないかな。横山典も、レース前はもう少し行くつもりだったみたいだから責められないし。レースは、スタートして、「あれ?位置がちょっと後ろだな」とがっかりしたけど、ペースが上がれば悪くない位置取りになるかもと思って気を取り直して見ていたよ。そうしたら、前にいるはずのミスターメロディーの姿が前にいないんだよね。

;阪神Cではダイアナヘイローとの馬連万馬券を3点目かなんかで当てた馬ですね。初重賞勝ちのダートから芝だったファルコンSでも本命でしたし、今回も珍しく激走後での連続高評価だったので、かなりお気に入りの馬ですよね?

;パワー型のS系で、闘う意欲が強い。普通前走本命にして走ったあとはストレスで評価下げるけどね。今回評価したのは、ある程度のペースになりそうだったから。ハイペースを先行して前残りというレース質になりやすいのが阪急杯なんで、怖かった。それが前にいないんだよね。「あ、これで有力馬が1頭消えた」と思って、これならあの位置でも横山典が勝てるかもと身を乗り出したよ。ミスターメロディーは上がり勝負には向かないから、余程のハイペースか重い馬場でないと先行してないときついんでね。そしたら前半3ハロンの速報が遅い数字で出たんで、あ、こうなるとロジクライもギリギリだって話になっちゃった。レッツゴードンキがあの位置を取れる段階で、あんまり前半がペースアップしていない感じはあったけど。それと量系スマートオーディンが思い切って最後方からの直線一気を選択したのが嵌まったぶんもあったよね。短縮の追い込み馬だから超ハイペースの追い込み競馬じゃないと間に合わないかとも思ったら、上がり勝負適性を外が伸びる馬場の最後方という極端な位置取り選択で引き出されちゃった。

;データ分析でよく出てくる、確率の低い巻返しステップの基本ですね。極端な位置取りの選択というやつですか。

;武が逃げればあんまりペースアップしないかもという選択肢も読み取って、その場合でもインの4,5番手がジャストの位置になるロジクライを選んだところもあって、このラップまではある程度はシナリオに織り込み済みではあったんだけどね。スタートしてからの各馬の位置取り設定が、微妙に読み損なって、詰めの甘い予想になってしまった。馬券的には、オッズの変化が少ない重賞だから、もう一絞り欲しかったけど本命の馬体重が合ってるベクトルではあったんで、しっかり単複は買っておいた方が良いよ。

;あと、皿倉山特別、本命が勝って単勝11.8倍は美味しかったですよね。相手も67点でした。先週の万馬券1点目的中と同じで、日曜最終でしかも勝負レースだったので、勝負しやすかったと思いますが。

;格上げ鮮度が高くて、コース替わりの今週の馬場も恐らく前走以上にフィットして、相手強化向きのハーツクライ産駒だからね。問題は内枠向きが外枠と、中1週の再輸送だけだ。枠順に関しては、中谷が前走内に入れたんで、たぶんその成功体験があるから、この距離なんで内に入れるタイミングは必ずあるはずで、内にどこかで入れて集中力を引き出してくれると信じて予想したよ。そしたら最内には入れなかったけど、前走同様馬群に固執してくれたから、直線半ばでは、「ああ勝ったな」ていう感触になった。よく馬の個性を引き出してくれたよ。

;マイナス8キロはどうですか?大幅増減注意の場合はぎりぎりですかね。レースのポイントでは「入れ込み、発汗伴う大幅増減注意」という詳しい解説がありましたが、パドックは入れ込みはなかったですよね?

;目立った発汗もなかったよ。だから輸送での自然な馬体減りだった。間隔詰めたC系の差し馬だから、減るベクトル自体は通常ベクトルになる。でも、大幅増減注意で8キロはギリギリ。だから、勝負度合いは減るよ。ただこのレースは対抗のミルトプレストが絞れた方が良いとは言え、間隔開けての滞在なのに18キロ減はさすがにちょっと不自然なんで筋肉が落ちたか体調不良だね。4番手評価のアグネスリバティが休み明けのL系マンハッタンカフェ産駒で14キロ減もさすがに減りすぎ。そういう意味では相対的な期待値は上がった。単勝オッズも想定よりかなり低かったしね。馬体重だと上位評価では結局、3番手のトーホウアルテミスが一番まともだから、これとの組み合わせが一番の勝負になる。マスターコードも悪い馬体重ではなかったけど、押さえの67点だし、馬単の相手くらいかな。馬体重をもう一度解説すると、基本は詰めた馬は絞れて、開けた馬は増える。前走が細すぎたり太すぎれば逆方向に少しなら動いた方が良い場合もあるけどね。あとはC系はマイナス方向、L系はプラス方向が向いて、先行馬はプラス方向、差し馬はマイナス方向が向く。それとステージ変化と、理想馬体重との乖離だね。詳しい解説は先週話したんで、そっちを参照に。馬体重的にもオッズ的に、今週一番良かったのは伊丹Sじゃないかな。

;4番人気の本命が勝って2点目で馬単当てたやつですよね。

;4キロ増だけど、間隔開けて、ステージ替わりの4歳馬で、遠くない過去に同じ馬体重で好走してるから、ちょうど良いよ。オッズも悪くなかったし。ダートで連勝してきてるから、S質が全面に出てる状態なんで、そういう意味でも悪くない馬体重だし、当日の少し重めの馬場も、仮にハイペースでなくても上がりが掛かってパワーが活きやすくなるから保険になる。当日に理想的な状況がすべて揃ってきたということだから、勝負だね。


;では弥生賞にいきましょうか。昨年は朝日杯FS1着後の1番人気ダノンプレミアムが勝ちました。
;朝日杯FS連対馬は、中山時代も含めると、13頭中10頭が3着以内だよ。レース間隔開けて疲労が薄れてる上に、距離も全然違うんで距離ストレスも薄いから、安定感は抜群だね。ただ、全馬3番人気以内の人気馬で、勝ったのは3頭だから、特別凄いっていうほどでもない。来た3頭は前走4角でも6番手以降だった。前走4角6番手以降の馬は、6頭中3頭が消えていて勝ち馬はゼロのように、追い込み馬の延長というMの逆ショックになるから、少し精度は落ちる。まぁそれでも半分は来ているわけだけどね。あと来なかった3頭は2走前がダートと、500万と、9月上旬の新潟2歳S。2走前が10月以降の芝オープンでなかった馬は4頭中3頭が消えている。最初に話したように、間隔が開いて距離も全然違うんで、ストレス面はそれほどでもないからね。そうなると前走鮮度を頼って激走した馬より、ストレスを我慢して連対した方がベターということはある。ただ2走前が新馬だった馬も1頭来ているから、それも絶対的な話ではないけどね。

;2着のワグネリアンは東スポ杯1着後の2番人気でした。ただこのタイプの登録はないので3着です。3着のジャンダルムはホープフルS2着後の4番人気でした。

;ホープフルS連対馬は8頭中3頭が3着以内だね。ただ、GⅠになってからは昨年の1回しかないから、データ的にはなんともだけど。一応、これまでのGⅠ以外のも加えて見ていくと、来た3頭中2頭が2走前に1600mを走っていた。もう1頭は2000mだけど、その馬は3走前に小回り札幌1800mのGⅢを使っていて、5走前には1200mを使っていた。3頭とも1600m以下を経験していたように、ある程度今回より忙しい想定的なS質条件を使っていた馬の方が2000mからだから、安定感はある。今回も同じ2000mだけど、レベルの高いレースだからね。単調な競馬の経験しかないと対応が間に合わないリスクがあるし、距離のカテゴリーストレスも出てくるよ。あと来た3頭は前走3角6番手以降と差していたけど、4角では6番手以内に上がっていた。2走前も3角5番手以内だった。つまり差すことが出来るタイプだけど、機動力もあるタイプ、ないしそういう経験を近走でしている馬の方が、中山で伝統のGⅡというS質に向かうステップだから、ベターではある。ただ、GⅠになったんで、ホープフルSそれ自体がS質な体験になるから、その辺の設定が今後緩くなってくる可能性も否定できないかもね。




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