今井雅宏「重賞ステップ解析」有馬記念

今井雅宏の重賞ステップ解析、今週はいよいよ有馬記念
王道ローテーションのJCでポイントとなるのが位置取り。細分化して詳しく解説します!

重賞ステップ解析とは

今井雅宏氏が編集部と過去のレースを振り返る対談形式のコラム。
ときどき話が脱線してしまうことも?
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編;土日の重賞とも本命の人気薄が連対しましたが、なんとも言えない感じでしたよね~。僕は、対抗に予想してたクリノガウディーを今井さんが本命にしてきたので、ワイドでガッツリ儲けましたけど(笑)。あの予想見て、僕と本命対抗が入れ替わってただけだったんで、急に自信が漲ってきました。相手も67点ですし、今井さんは馬連も買ってましたね。

今;67点でほぼ万馬券なら一応ね。人気2頭以外の組み合わせは、だいたい馬連で500倍とかだったから、何点買っても別段負担にならないし、馬場も基本は前残りだったし、1番人気の方が当日怪しい馬体重だったしだね。アドマイヤマーズがちょうどよく絞れてきちゃったのもあったけど。

編;まず、ターコイズSのミスパンテールから話を伺おうと思いますが、すぐ本命でした?

今;単勝9.9倍もつくなら直ぐ決めたと言いたいところだけど、最初はフロンティアクイーン本命かとも思ったよ。

編;ではどうして?

今;ちょっと秋3戦がタイトだったから疲れてる可能性があって、その状態で外枠から外々回ったら、やや体力的に怪しいと思った。ミスパンテールは秋初戦の負け方から、精神的にどうかという不安があったんで、当初は67点くらいの予定だった。だけど他に馬がいないんで、前走のVTRを何度か見たら、結果は悪かったけど、精神的には落ち着いて最後まで走れてたからね。短縮なら集中して走りきれる可能性が高いと判断したんだ。あとは冬場で太目が絞れてくるかが全てだったけど、2キロでも絞れてくれて助かった。また増えてきたら、きつかったから。ハイペースでキレ味勝負にならなかったから、それでも2着ぐらいなら堪えて来た可能性もあるかもだけどね。少なくともプラス体重なら、勝ちはしなかったんじゃないかな。

編;2着の10番人気リバティハイツは66点の中で2番目に人気なかったので、8番目評価でした。

今;思ったより人気なかったね。想定オッズより倍近く人気なくて、馬体重も減らずに増えていたから、150倍の万馬券なら押さえても良いんじゃないかな。

編;馬連、買ってましたよね?馬体が8キロ増えたのがやっぱり良かったですか?「輸送心配で馬体減り注意」の解説でしたから。

今;そうだね。間隔開けて、馬体が未勝利を勝ったときにようやく戻って増えてきたから、最大の懸念材料だった輸送は上手くクリアしたということだ。あと、輸送以外に読み間違ったのは、馬場だった。もっと重い馬場になってると考えたんで、延長の輸送では体力的にリスクが高いという読みもあったけど、高速馬場だったから体力的に楽で、ハイペースで外が間に合わない馬場になったのも嵌まった。同馬のしぶとさを存分に活かせる状況が揃っちゃったよ。

編;朝日杯FSは9番人気、単勝77倍のクリノガウディー本命で来ましたね。これは直ぐでした?

今;最初は、短縮でもハイペース想定のエメラルファイトだった。ただ、いろいろ考えると、恐らくここは先週と違って内伸び馬場になると思ったからね。そしたら、やっぱり土曜は内が伸び始めていた。大荒れを狙うんなら、外に人気薄が多いし、ハイペース激戦の方が人気馬にストレスの影響が出やすいのもあって、エメラルファイトの方が良いけど、ハイペースにならないで、内が伸びる馬場なら、エメラルファイト本命の選択はリスク高すぎる。

編;東スポ杯惨敗馬は、データ的にはどうだったんですか?

今;阪神になって、東スポ杯で連を外した馬は4頭とも来てなかったよ。ただ、人気薄がほとんどで、サンプル数の少ないデータだから、それでどうって話でもない。もともと中山で行われてたときは、よく巻き返せる、短縮効果の極めて高いステップだったからね。広いコースの単調な流れを掛かりそうになりながら必死で長時間我慢した経験が、短縮のペースアップで解き放たれた今回に活きてくる。前走先行したから、ペースが上がれば、自然に差しに回る位置取りショックも掛けられるしね。内も伸びる馬場で締まったペースにさえなれば、突っ込んでくるよ。

編;結果、またスローでした。

今;うーん、どうなってるんだろうね?あれだけ先行馬がいるのに。ああなると前半エキサイトして体力消耗するし、短縮の効果も半減だし、人気馬が心身ストレスの影響を受けにくくなるし、散々だ。まぁでも、人気2頭に有利なスローでも良い勝負出来たんだから、終わってみての感想としては2頭とも特別強くもない。今後の3歳戦線も、穴馬券が楽しめそうで良いんじゃないかな。クランレガリアはまたさらに6キロ増えてきたのもあるけどね。少し怪しい馬体重だったから仕方ない。ディープインパクト産駒でも牝馬だし、やっぱりこっちの方が、将来的な怖さならあるかな。

編;結局、両重賞とも馬体重が理想的なベクトルだった馬で1,2着ということでしたね。

今;あと想定オッズだ。いつものように、馬体重と想定オッズの比で選択するのが良いよ。馬体重もたまに例外はあるから、人気次第だけどね。馬場は変化するんで、当日になっても読み間違えが起きやすいし、余計に馬体重とオッズは重要になる。毎回同じ話だけど、実際、ほぼ毎回そうなってるわけだから。


編;それではいよいよ有馬記念のデータ分析です。昨年はJC3着後の1番人気、キタサンブラックが勝ちました。

今;東京で行われたときのJC3~5着馬は、29頭中12頭が3着以内だ。数が多いんでJCの3角位置で分けていこうか。まずJCで3角5番手以内だと、10頭中5頭が3着以内。その中で今回も3角5番手以内だと、7頭中5頭が3着以内と率が上がる。先行馬の距離延長という、Mの基本ショックだね。この形で来なかった2頭は2走前も2角で既に2番手以内と先行していた。先行馬に有利でも、ずっと先行しているような徹底先行型だと、東京から中山というタフなS質への条件替わりでは、前半に負荷を感じる恐れがあるし、近走に位置取りのバリエーションがないというのは、それだけでMではストレス面で不利にはなる。ただその来なかった2頭は、当日9番人気と10番人気だから、確率的に来なくても当たり前の話であって、これをしてデータ的に駄目というわけでもないけど。
前走が3角6番手以降だと、19頭中7頭が3着以内になる。当日3番人気以内の、実に9頭中7頭が消えているように、「差し馬の距離延長」というMの逆ショックだけに安定感はない。ただ、そこそこ人気がなかった馬が何頭か来ているように、安定感はないけど、流れに嵌まると突っ込んで来る。ちょっと数が多いから、その中でも細分化してみてみようか。まず前走3角10番手以降だと、11頭中3頭が3着以内とさらに率が落ちている。追い込みだと激走のストレスが残りやすいのは、Mの基本だからね。当日5番人気以内の9頭中7頭が消えているよ。ただ11番人気の馬が来ているけどね。その馬は今回も3角15番手だった。このステップで来た3頭は、ともに今回も2角で13番手以降と後方を選択した。つまり、無理に動かず心身消耗を避けて、追い込みに徹して展開待ちだった馬だね。前走東京の追い込みから、小回り中山替わりで勝ちに動くと、前半の心身負荷が強いということだ。
前走が3角6~9番手だと、8頭中4頭が来ているからまずまず。このタイプで今回が3角6番手以内だった馬なら、6頭中4頭が来ているよ。2番人気で5着に消えた馬もいるけど、6頭とも5着以内には走っているから、機動力があるタイプなら悪くないね。まぁ、ちょっと位置取りを細分化しすぎているから、頭数とかペースで多少ずれてくるんで、近い位置取りの解説と、その意味を考えながら、修正しておくとより良いんじゃないかな。

編;2着のクイーンズリングはエリザベス女王杯7着後の8番人気でした。

今;エリザベス女王杯6着以下は7頭中1頭、つまり同馬だけが3着以内だね。と言っても全馬人気薄だから、別路線でもあるし、注意は必要だ。同馬は前走3角12番手。3角12番手以降の馬は2頭だけで、もう1頭も10番人気で5着に好走している。やはり凡走から巻き返すわけだから、極端な脚質が嵌まらなかった馬が面白いね。で、同馬は今回3角5番手だったように、いつもの確率の低いタイプの巻き返しパターンらしく、位置取りショック付きだとなお確率が上がるということになる。

編;3着のシュヴァルグランはJC1着後の3番人気でした。

今;JC連対馬は26頭中10頭が3着以内だよ。前走2番人気以内なら、13頭中8頭が3着以内で、やっぱり激走でなかった馬は疲れが少ないんで怖いね。それでも当日2番人気以内の5頭が消えているけど。これに該当する4歳馬なら、9頭中8頭が来ている。唯一来なかった4歳馬は、4走前が7月で、それ以後の3戦は全て連対していたから、4歳でも心身ともに蓄積疲労は大きかった。
前走が3番人気以下だと、9頭中2頭が3着以内と率が落ちる。当日3番人気以内の人気馬が7頭中2頭しか来ていないから、やっぱり前走激走だった馬は心身疲労が怖い。これに該当して来た2頭は、前走3角3番手と4番手で、今回はともに8番手。いつもここで出てくる、疲労軽減の為の、差しに回る位置取りショックだね。単調な東京から、タフな中山替わりだから、体力温存系のショックは効きやすい。まぁそういうのでも消えた馬もいるけどね。サンプルの少ない位置取り系の話だから、前走と今回が一般的なペース関係になったときであって、どうしても例外は発生しやすいよ。



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